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臭い!汚い!うるさい!
(6)

2005/12  -  2006/01

アグラ / インド


アグラ城

インド観光の定番都市アグラ。さくっと半日で観光できるので手軽です。見所は2つ。世界で最も美しいお墓である(城じゃないよ)タージマハルと、アグラ城。

インドの街はどこも大きく(人口が多く大都市です)、歩いて観光をするのは大変だが、街中を歩きながら、人々の暮らしぶりを見るのが好きなので、ホテルから歩いていった。アグラ城までは、約5キロの道程。夜中にアグラ入りしたためホテルが選べなかったのだった。

雑踏の中、ゆっくり歩いてると、飾り付けられた教会があった。インドはヒンドゥー、イスラム、仏教、キリスト、ジャイナ、ゾロアスター、シーク、宗教も彩り豊か。そう今日はクリスマス。キリスト教徒が最も祝う日である。賛美歌が聞こえてくるので、教会の中を覗こうと思うが、人であふれていた。

その教会の前には物乞いが集まっていた。施しをもらうには絶好の時と場所であろう。一人がインド式車椅子(自転車の形をしている)を乗っていた。なぜだか彼は商売?をやめ、私と妻が向かう方向へと、漕ぎだした。軽快にインドの道を進む彼とコミュニケーションを取る意味も含め、彼に道を尋ねた。すると、彼は「ついてこい」みたいな目線を送り、勢いよく漕ぎだした。我々はついていくことにした。

車椅子のインド人が観光案内というわけ。

30分後。めでたくアグラ城に到着した。ホテルから長距離を歩いてきたのこと、果物だけの朝食だったので、改めて屋台で朝食。オムレツを焼いてもらい、温かく甘いチャイを飲む。道案内をしてくれた車椅子の彼にご馳走しようと尋ねるが、要らないとのこと。うーん残念。

アグラ城の入口は長いスロープだった。これなら車イスでも見れる。嬉しい!入場券を買って中に入るが、警備員さんが「障害者は無料だよ」と教えてくれた。ちなみに、アグラ城5ドル、タージマハル5ドル+500ルピー(1350円)と、外国人は高い。

諸所で、君はハンディキャップがあるから飛行機が半額になるよなどとインド人が言っていた。日本と同じように、障害者手帳があるのかわからないが、何かしらの証明書があり、交通機関などの割引制度があるみたいなのだ。親切なインド人がいつも教えてくれる。

アグラ城は素晴らしい遺跡なので、お金を払ってもいいのだが(タージマハルは高い!)、無料で入れるなら嬉しいので手続きをふむことにした。インド人ではないので証明書はもってないが掲示を求められたので、日本の障害者手帳な海外旅行では持参しないので、財布にある自動車免許証を見せた。カジュラホーやオルチャの遺跡でも主張すれば無料で入れたかもしれない。この後にまわった観光都市では、それぞれに対応が違ったが、無料で入れてくれるところは多かった。

インドは大国である。福祉政策として障害者の人権・自由を保障して、設備やサービスを作っている。とはいえ、まだまだ形式だけで、実際に利用しやすいものかどうかは別である。それでも何もないよりはいいので、少しずつ状況は変わっていくだろう。

話を戻して、アグラ城の中。素晴らしいです!中には、多くの宮殿と、美しい庭園。ゆっくりと過去の栄華に触れられます。絶対に見逃せませんね。


タージマハル

アグラ城を観光し、外に出ると、車椅子の彼は待っていた。暇なのかなあ?次はタージマハルまで案内するという。道は簡単なので案内は必要ないが、一緒に散歩。歩いて移動する観光客はおらず、多くが馬車にのって移動する。3キロ弱の距離。

無事、タージマハルに到着。チケット売場では長蛇の列。インド人が割引の特別日なのか?とにかく人が異常に多い。入場のセキュリティチェックも厳しく、中に入るのに一苦労。そして中に入っても、人、人、人。 どこからこんなに集まるのかわからない。万単位の観光客。遠足できている小学生や中学生も多かった。

車イスは、西門から入れば段差なし。人の流れにまかせれば自然にタージマハルへと導かれます。正門の脇から入ると段差も少なく、車イスで内部へと入ることができます。

ジャジャーン。神秘のシンメトリー(左右対称)タージマハル。横300メートル、縦580メートルの広大な庭園に、ムガル帝国5代皇帝の妃ムムターズ・マハルの墓。繰り返しになりますが、宮殿ではありません。愛するものを葬るために作られたのです。

タージマハルには、裸足で上がるのが礼儀です。私も裸足になって(意味ないけど)車イスで散策。多くの観光客がいるので、声をかけて階段などはお助けしてもらいます。後方には大河が流れており、荘厳な美の前に、時が止まったような錯覚におちいります。しかしながら、インドはどこにいっても人が多いなあ~。中国より多い。

タージマハルの外に出ると、やっぱり車椅子の彼は道路の端で待っていた。我々は、周辺の土産物屋や商店街をゆっくり見学してから、ホテルへオートリキシャで戻るつもりだったので、彼とはお別れをしないといけない。道案内をしてくれたのだから、その労働への対価として100ルピー(270円)をあげようとするが要らないという。違う。もっとくれ!という。さすがインド人。いつか仕事できるように頑張れよとエールをこめて150ルピー(420円)を渡して、別れを告げた。


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