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カオスという言葉(3)

2004/12

ロケットスチーマー / バングラディシュ


最も安価な交通手段 船の旅

首都ダッカから、東南部の中心地クルナへは、名物の汽船(ロケットスチーマー)を利用した。バングラディシュは大河の河口デルタ地帯にある国。川が網の目のように流れている。だからこそ道路が作りにくい。船が交通手段となり、発展が閉ざされている現状もある。道路も整備され、船より、バスの方が早い。夜に霧がかかると船は進めない。到着時間が読めない。早くて24時間。遅いとそれ以上。

事前に船乗り場「ショドルガット」に見学に行ったが、どこが切符売り場なのかわからない。確実にここで買えるであろうが、一等席はオフィスで買うようだ。混沌の中で買うのは大変なので、最初からホテルの人に購入を依頼した。週に2便しかない(おそらく直行便は、乗り継ぎは無数にあるはず)とのこと、希望の次の日をゲット。料金は、1010タカ(約2000円)なり。手配料は経費(リキシャ代など)150タカ(280円)。二等席(あるのか?)、三等席の値段は、たぶん10分の1、100タカ(200円)ぐらいだと思う。短い距離なら無料かもしれない。

船乗り場「ショドルガット」は、まさにカオス。これぞバングラディシュ。人。人。人。うるさいといったらありゃしない。船にも人、人、人。

ベビータクシー(三輪)で、ショドルガットに行き、降りると、少年が寄ってきた。チケットを見せると、車イスを押して案内していく。ありがたい。どれが自分の船かもわからないから。放送も表示も何もない。周りに聞くしかないから。

一等席は2階にある。お願いして担いでもらうことにした。狭い階段なので、もう一人そこらの人に声かけ抱きかかえ、車イスは別の人が担ぐ。さすがにチップを欲しかったら助けてくれたのか、ただの親切かわからないが、11タカ(20円)あげた。安すぎるって? 確かに。私のチップはいつも1ドル。後悔した。1ドルあげるべきだったと。どうやら滞在して4日目、バングラディシュの物価に慣れきってしまったようだ。

午後7時。いよいよ出航。日が暮れてきます。旅情を誘う。船が次から次へと入ってくる。小船もどんどん横つけされる。

部屋は二人部屋。同室には警察官(警視庁エリート?)だった。田舎町に赴任するらしい。奥さんと子ども(生後3ヶ月)は、1ヵ月後に来るらしい。携帯電話で、奥さんにラブコールしていた。とってもいい人。夜は私のイビキに悩まされたようだ。ごめんね。

夜中、霧で4時間ストップした。到着が遅れているようだ。クルナまで、何度も何度も停泊する。その度に、乗り込む人、商売人、入り乱れ。

一等席の人は皆、ボリシャルというところで降りた。医師の団体さんもボリシャルで降りた。旅仲間が減って寂しい。食事のときも寂しい。村の様子は素敵です。 バングラディシュの田舎にぜひ、一度、滞在してみたい。道路が凸凹で大変だろうけど。

停泊場。川に浮島をつくっています。 皆が、船を待っています。4時間遅れですが、いつものことなんでしょう。

一等船室です。中央にテーブルがあります。もう誰もいなくなり寂しいです。テレビもあります。 笑ってしまったのが、夜中は、このスペースが船員の寝場所になること。 イスをテーブルの上にあげ、6人ほどが寝転がっていました。 夜中トイレに行くのに踏みそうになった。食堂と船員のベッドが兼ねられている。うーんすごい。

食事は上手いです。一等なので高いかとビビッテいたが、街中のレストランより安い。コーラは12タカ(22円)。朝食は24タカ(46円)で、焼きたてのパン(ナン)とオムレツ。昼食は、卵、ポテト、チキンのカレー3種。80タカ(150円)です。

二等船室に行けば、各停留場で、売り子が乗り込んでくるので、いくらでも飯や水は買えます。段差があるので、車イスでは二等に行けないのが残念でした。まあしょうがない。だからずっと部屋で寝ていました。なにせ30時間かかったのだから。。。

バングラディシュはイスラム。お祈りはかかせません。今日も幸せでありますように。


バゲルハット

バングラディシュには、2つの世界遺産がある。マングローブのションドルボン。そしてバゲルハットにある「シャイード・ガンバッド・モスク」である。クルナのホテルから歩いて、バゲルハットに行くバス乗り場へ。2キロ以上の距離。観光がてら歩く。川を渡ったところが、バゲルハットへのバス乗り場。渡し舟は、車も人も、自転車も、動物も、物乞いも乗る賑やかなもの。所要5分。無料です。

混沌とした渡し舟を渡ると、いろんなバスが待ち受ける。適当に最初に声かけてもらったところに乗り込む。ここから約1時間。バゲルハットの街からモスクは離れているので、途中で降ろしてもらう。

 

「シャイード・ガンバッド、モスク」は、60の丸い屋根がある。シャイードはベンガル語で60の意味。中は静か、あまり大きくない。博物館はちょうど休館日で見れなかった。対面にもう一つ古いモスクがある。正直、これが世界遺産なのか期待はずれ。まあ世界遺産なんていうのは政治的なものも関わるし、それが良いとは限らない。

「シャイード・ガンバッド、モスク」には観光客がいない。観光も10分で終わってしまった。退屈だ。ちかくの、お茶屋で休憩する。すると、お前はもう池を見たのかと声をかけられた。ワニがいるらしい。なんだか人の流れもそちらの方向にありそうだった。彼らが示す池の方へ歩いていく。

歩くこと15分。賑やかになってきた。リキシャが集まり、観光バスも止まっている。何かある。人の流れに沿うと、参道らしきものが出現。日本と同じ。神社に続く露天みたいなもの。

参道の終点には、カーン・ジャハーン・アリ廟(お墓)があった。バングラディシュ国内から、多くの人が参拝にきていた。中には、やはり物乞いが、観光客のいるところ、人のいるところ、どこでもバクシーシ。

カーン・ジャハーン・アリ廟は、大きな池のほとりにある。その池にワニがいるが、見ることができるが、ただのワニ。どうってことはない。池のほとりで沐浴すると気持ちいいだろう。階段なので私はできないので残念。かわいい少女の瞳を撮影して、参道をひやかして、お茶してサヨウナラ。楽しかったです。


コルカタ(カルカッタ)へ行けない

クルナから、ジェソールを経由して、インドのコルカタ(カルカッタ)へ行く予定だった。前日から噂には聞いていた。「明日はバスも電車もない。ストライキだ」と。やることもなく暇なので、とりえあえずバス乗り場へ行ってみる。

一人の少年がついてきた。バス乗り場まで案内してくれるという。リュックを持ってくれた。ホテルからバス乗り場まで距離4キロ。歩いていけると少年はいったが、悪いことした。まあ暇なのでいいのだが、少年はひたすらついていく。

バス乗り場はからっぽだった。やはり夕方まで、交通機関は全くないらしい。夕方にジェソールに移動しても、その日のうちにコルカタには行けない。翌日に移動したら、コルカタには1泊するだけ。既に船がなく1日遅れ。本来ならコルカタに3泊の予定だった。コルカタ→ダッカの航空券を苦労してダッカで手に入れたのだが、コルカタ行きは諦めた

ならば、どうしよう。人に聞きまくったら、列車があるという。夜行列車に乗ろう。それでダッカに行くのだ。バスもあるが、バスは6時間くらいでつく。電車12時間。寝台車もあるので、寝転びながら時間もつぶせる。電車にした。駅に行って、なんとかチケットをゲット。寝台車はそんなに安くない。1等といっても質素なもの。

そんな半日がかりの街中歩き、バス&電車手配。少年はずっとついてきた。彼はダッカ出身らしい。ひょっとして私に連れて行って欲しかったのか?お茶やお菓子のお礼も受け取らなかった。とっても親切な少年だった。大成して欲しい。

電車が出発するまで、映画館で時間をつぶした。珍しい日本人&車イス。注目の的、映画館のオーナーから接待をうけ、お礼にプレゼントしたら大喜び。映画館でスターになってしまった。無料招待。挨拶。お菓子もくれる。笑ってしまう。

・・・

夜行電車は寒かった。毛布(お金を出して借りる)にくるまり、ひたすら横になる。ダッカに近づくと、近郊電車に乗り換え。車イスのまま、通路にただずむ。1時間ほど。

またもや世界最悪の交通渋滞ダッカに帰還。コルカタからダッカへの翌日の航空券の払い戻しも無事できた。正規料金なので、キャンセル可能。お腹を壊したので、ゆっくり静養し、バングラディシュの旅を終えました。


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