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米国留学記(6)

2002/09 - 2003/08

冬のグランドサークル


5000キロ ドライブ

グランドサークルとは、グランドキャニオンの奥、レイクパウエルを中心にした半径230キロの円。円の中に多くの国立公園が集中しており、地球創世記の地殻変動が生肌に感じられるとこです。

年末年始に、高校時代のラグビー部仲間が、訪問にくることになったので、一緒に、バークレーから、LA、グランドサークルを周り、年越しをラスベガスで過ごすことにした。計画では、相当に長い距離を走ることになる。車の整備をし、食料も整え、準備するも、グランドサークルに行った人は少ないのか、ネット情報が少なく、行き当たりばったりで旅をすることに。また、冬なので、雪が心配。天候が良いことを祈って出発です。 

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グランドキャニオン南壁

LAを早朝6時に出発し、一路、グランドキャニオン南壁へ。約800キロのドライブだ。米国のハイウェーは起伏も少なく、道も広いので、平均110キロで快調に飛ばしていく。内陸に入るにつれ、景色が変わってくるのが面白い。

南壁へは、ウイリアムズという街から北へ1時間の一本道。グランドキャニオン観光で作られた道。ウイリアムズでは雪が多く積もっていた。グランドキャニオンも雪が心配だったがが、標高が下がっていき、雪も少なくなってきた。ちょっと安心する。彼方にあるグランドキャニオンはあたりの空は、見たことのない透明な空色をしていた。胸が高まる。

入場ゲートで、車の渋滞があり、入場するのに30分もかかったが、予定通り、15時に到着。公園内は、木々が生い茂っているせいもあって、雪がいたるところで積もっていた。

早速、グランドキャニオンを眺めるべく、各ポイントを巡る。マリコパポイントでは、車イスでも奥に突き出た鑑賞場所に行けたので、そこで鎌倉くんと記念撮影。雪で、道はつるつるしてたけど、やっぱり行かなきゃね。車イスでも行けるオススメポイントです。

ところが、全般的にグランドキャニオンは、バリアフリーが進んでませんでした。

鑑賞ポイントの半分は段差があって、車イスでは見にくいところばかり。少しの工夫で改善されるのに。ただし、ハンディキャップ駐車場プラカードがあれば、車で入れような配慮はあります。(夏場は普通バスでしか入れない。冬場はオフなので一般車も全て入ることができる)

以外に、バリアフルなので、ちょっとがっかり。そのせいか、グランドキャニオンも期待はずれ。あまりにも広大すぎるので、大きさがつかめない。飛行機で上から見るのがいいかもしれない。谷底までリュックを背負って降りていき、カヌーで下るなどしたら楽しいと思うけど、見るだけはつまらない。グランドキャニオンは、せいぜい行ってきたという経験価値を得ただけ。一年前に、ギアナ高地を見てきた影響もあって、しょうもなく感じたのであろう。

翌日。早起きして、夜明けを デザート ビューで確認。このポイントは、前方に巨大なキャニオンが広がっているので、超オススメのところです。すごく風が強く、また寒いので、みなさんすぐに退散してました。

もう一つ。夜明けを見たのが、グランドビューポイント。こちらも車イスでアクセスが可能です。道は雪で滑るので、少々危険ではありますが、壁もあるし落ちることはないでしょう。


モニュメントバレー

夜明けをグランドキャニオンで確認したら、そそくさと、モニュメントバレーへ。グランドキャニオンは、雪があるせいか、森になっていたが、モニュメントバレーに続く道は、すぐに乾燥地帯へと変わっていった。西部劇に出てくるシーンの登場だ。このあたりでは、自動車のコマーシャルの撮影がよく行われるところ。そんな気分で、快適にドライブ。

このあたりは、アメリカンインディアン ナバオ地区。ガソリンスタンドの店員さんも、アメリカンインディアンだ。時折、トレーラーを改造したり、コンテナを改造した家も見える。白人の家と比べると貧しい。なんだか白人侵略の歴史を垣間見たような気がした。

それにしても、道路が素晴らしい。まっすぐ続く一本道。観光のため、先住民のアメリカンインディアンの生活は無視して、作られたのであろうか?その恩恵を授かって、私達は観光し、お金を落としていくのだから複雑な気持ち。何もない荒野に観光用の一本道。

おなじみの、モニュメントバレーの写真です。やはり雪が積もってました。道路は、除雪されていますが、嵐が来ると、運転は大変かもしれません。しかし、モニュメントバレーに車での道のり、その後の道のりは、観光を線で楽しめるので、オススメ。地球上とは思えないような、他の惑星にきたような風景の中をドライブするのは快適です。


163号線から、191号線へ 

モニュメントバレーのある道は、163号線。いろんな地形が続く。グランドキャニオンでは、上から見下ろすだけでつまらなかったけど、この道では、キャニオン(渓谷)の上を通ったり、谷底を通る道があったり、何億年規模の地球形成の歴史を感じることができる。植物も場所によって違うし、岩の色も時代によって違う。グランドキャニオンで出来なかった谷底から見上げる感覚をこのドライブで体感できた。

対向車も少ないし、信号はないし、アップダウンが適度にあるし、景色や気候も変わるし、山もあるし、もう運転しているだけで楽しい。トルコのカッパドキアで見たような奇岩が続くわ。続くわ。果てしない。規模だけでいうと、カッパドキアの比にはならないくらい、グランドサークルは巨大で面白い。しかし、カッパドキアには、隠れキリシタンが住んでいたとか人の歴史があるのが魅力。

途中、ツインロックスという場所にて、ランチタイム。この「ツインロックス・カフェ」という、お土産物屋さんも一緒になったレストランは、めちゃくちゃおいしい。お手製の揚げパンを使った料理が特徴。米国のど田舎においしいレストランなんて意外でした。皆さん、このあたりをドライブするなら、お見逃しなく。

193号線に入っても、3000メートルを越える山々をバックに、ダイナミックな道が続く。太古の地層が浮き出たりしているので、恐竜の化石が出ることでも有名な地域です。道路沿いに、路肩を広くして駐車できるようにしている観光ビューポイントがいくつか用意されている。

上の岩は、チャーチ・ロック。ぽつんと一つだけ、教会、寺院みたいな不思議な形で座ってはります。

こちらは、ウイルソン・アーチ。ぽっかり岩山に穴があいています。穴の向こうには、雪山がそびています。道路から少し離れた丘の上に、ルッキング・グラス というビューポイントがあり、そこに立つと、この穴から、雪山が覗けるという趣向がされていました。とても面白い。


アーチーズ

アーチーズ観光の町 モアブ に宿泊し、朝一番にアーチーズを観光。その敷地の広いこと。入り口から一番奥の デビルス・ガーデン まで、約30キロもあります。各ポイントでは、簡単なトレイル(散歩道)が用意され、歩いて登って、岩の景色を眺めます。ただ車で近づいて見れるのではなく、最終的には自分の足で近づいて見るような仕掛けです。ただし起伏が激しいので、車イスで近づける岩は少ないのが現状です。もし、すべてのトレイルを歩いたら、6時間以上はかかかるでしょうか。トレイルを少しだけ体験すえる、我々でさえ観光に3時間かかりました。それほど大きいのです。

アーチーズ国立公園の中心部に、バランスロックがあります。ここは、車イスでも近づけるようにトレイルができています。歩くのは気持ちいい!

ウィンドウ・セクションには、穴のあいた岩が、2つあって、くぐることができますが、残念ながら、車イスでは途中までしかいけませんでした。間隔のある階段は押していって登れたけど、普通の階段が後につづき、進むのを断念。どうしてスロープにして、途中に踊り場を作って、そこで見れるように工夫してくれないのかな?このポイントでは、ほとんど自動車からしか楽しむことができませんでした。

米国国立公園の顔ともいえる デリケート・アーチです。こちらも片道30分かけて登るトレイルが用意されていますが、車イスは無理。別にビューポイントが用意され、そこから、豆粒のように見えます。上の写真は望遠です。

そのビューポイントの道も、でこぼこで、車イスに優しくありません。舗装すると、自然らしさを損ねるので、問題もあるでしょうが、ウッドデッキとかにして欲しいですね。遠くにしか見えないので残念でした。

敷地は広いので、ポイント以外にも、あちこちにいろんなものがあります。上の写真は、サンド・ダン・アーチ。キャンプ場から歩いていける岩です。

緑色の岩が多く、塩岩みたいです。そこが谷になってたり、敷地内は夢の世界。どこか別世界にきたような錯覚。オフシーズンのせいか、人も少なく、雰囲気も抜群です。心配していた雪は、アーチーズでは全く心配ありませんでした。

最後の、デビルス・ガーデン ポイント。これぞアーチーズといわれる岩がたくさんある地域で、トレイルを歩いて周ります。入口は、大きな岩の隙間から。どこまで行けるかわからないけど、進むぜ!

いろんなところを押してもらったり手助けしてもらったけど、これまた途中で断念。わずか300メートルくらいの短い旅でした。もう少し車イスでもいけるようにして欲しいなー。でも、トレイルを歩けなくても、十分にアーチーズの雰囲気は楽しめます。こんな遠くまでドライブしてきた甲斐がありました。大感激のアーチーズでした。


山越え

アーチーズを午前中に観光し、一路、ブライスキャニオンの近くの町を目指す。朝ごはんを食べたカフェの隣席が日本人夫妻で、声をかけたら、我々と逆ルートのドライブ。雪のことを聞いたら、大丈夫だというのと、下の道は素晴らしいというので、当初は、ブライスキャニオンは雪で危険だろうと諦めてたのを変更し、更に、ハイウェーを通らずに、下の道を通っていくことにした。 しかし、雪はすごかった。。。

最初は、順調。30分間に5台しかすれ違わない砂漠の道もあったり、ぶっ飛ばす。細い川の流れる乾燥した大地、キャピトルリーフ国立公園を通り過ぎる。ここには大昔の原住民が残した壁画が展示。ウッドデッキから見ることができます。人が住んでいたことを示す貴重な資料です。

そのキャピトルリーフ国立公園を過ぎ、12号線に入るところで天候が怪しくなってきました。12号線は、先の日本人夫妻オススメの道。しかし山道。雪も降ってきたし、山道は日本でもあるので、12号線を進むのを諦めて、Uターンをして、谷底を走る道に変更。谷底の道には町もたくさんあり、なにかのときには宿泊できるからとの理由。

ところが、谷底の道も、雪だらけだった。本当にまいった。困った。完全に凍っている道や、雪がつもっている道もある。スピードを落として慎重に運転です。とりわけ交通量の少ない62号線は、雪ばっかりで超危険。日陰のところは、ずっと雪のままです。こりゃー大変なところに来てしまいました。

と思ってたら、62号線の下りの山道カーブでスリップ。道路も景色も白一色のところ。対向車がいなくて事故にはなりませんでしたが、路上ダンシング。道からはみ出なく良かったです。日没が迫ってきたところで、パンギッチという町で宿泊。


ブライスキャニオン

翌日は快晴。早速、ブライスキャニオンを目指すが、道を間違えて山道に入っちゃった。アホでした。怖い道は、大雪のときに通行止めサインが出るところ。その用意がされているところ。主要道路は除雪車が出て通行止めはありません。交通量も少ないし、雪ばっかりだし、通行止めの用意もされていると思ったら、間違いの道でした。

気を取り直し、正しい道をひた走る。赤い岩山の地域を通りぬける道を進みます。穴のあいた道路もありました。ここらへんは観光道路で交通量も多いせいか、道も進みやすくなっていました。

ブライスキャニオンは、標高が高いせいか、雪景色でした。天候によっては、手前の4つのビューポイントから、奥の山に続く道が封鎖されます。

奥の山、レインボー・ポイントは、標高2778メートル。入口から、26キロの山道。 時間もないし、雪も深いので、途中で引き返しました。それでも手前の4つのポイントのうち、3つが車イスでも見やすくなっていてバッチシです。

これは、ブライスポイントという、一番メインのポイントに続く道。駐車場から、バリアフリーな道が続いていますが、坂の傾斜が強く、雪なので大変です。キャニオン(渓谷)に飛び出た、ビューポイントに行くには、傾斜がありますが、周りの人に手伝ってもらいながら、おくまで進みます。

ブライスキャニオンは、細長い突起状の岩が連なる地域。雨水、雪水が岩の隙間に浸入し、このような地形を作ったそうです。渓谷の下には小川が流れてます。

渓谷の下に降りることもできます。雪なのに滑って大変だと思うのですが、多くの人が下に降りていきます。それだけとても魅力的なものが下にあるということ。岩の隙間を通り抜ける実に幻想的な宇宙的な空間が降りたご褒美に待っているそうです。

下に降りたところからは、全部のブライスキャニオンを上下に貫くトレイルがあり、キャンプがはれるところがたくさんあります。数日かけて歩き、制覇する人も春夏には多いでしょう。見るだけじゃなく、実際に体感するほうが、ずっと面白いでしょうね。キャンプ設備も整っています。


ザイオン

午後は、いざザイオンへ。距離が近いのであっという間についてしまいます。オススメなのが、東ゲートからの入場。南ゲートとの標高差は600メートルあります。つまり、山の上から、渓谷を降りていく、非常にスリリングな道を通ることになります。長いトンネルや、山肌をはうように作られた道。この道を作った人間の力に感服です。

ザイオン観光のシーニック・ドライブは、夏場は、近年の観光客の増加に伴い一般車は進入禁止。しかし、冬場は車が入れます。夏場でもハンディキャッププラカードがあればOK。シーニック・ドライブでの谷底から眺めるキャニオン(渓谷)の雰囲気は抜群。トレイルも数多く設置され、今回、一番オススメの国立公園です。ラスベガスから車で3時間で来ることができて手軽だし、体験することが多くできるのが理由です。

シーニック・ドライブの北の終点に車を停めて、リバーサイド・ウォーク を歩きます。完全にバリアフリーになっていて、車イスでも楽しめる素晴らしいトレイルです。日本の観光地も見習ってほしい見本としてほしいですね。

しかし、谷が深く、雪がたくさん積もっており、500メートルほど進んだあたりで断念。他の多くの観光客も、このあたりで皆、引き返してました。道の途中では、子どもの遊びでしょうか、雪だるまがありました。 心が和みます。

こちらはキャニオン(渓谷)を抜けたところの、パラス・トレイル。約2キロ。自転車も、ペットも可能となっており、車イスも進めるようになっています。緩やかな坂なので、北側から南側に下るのをオススメします。景色は最高です。風を感じましょう。

 

このあたりは、日向のせいか、雪はありません。川には、橋がいくつかかけられ、そこからザイオンの景色がまたもや壮観。トレイルの終点には、キャンプ場がいくつかあり、いつか夏に再訪して、キャンプをしたいですね。


というわけで、天候にも恵まれ、冬のグランドサークルを見事制覇!

当初予定していなかったブライスキャニオン訪問のおまけまでついてきました。複数の国立公園を周る場合は、国立公園年間パス(50ドル)が得。車一台に有効です。米国市民で障害がある場合は、無料で生涯有効のパスがもらえますが、外国人はもらえません。私はカリフォルニアのミュアウッズで、手違いで米国市民でもないのに、生涯有効無料パスをもらえる幸運があり、ずっと使っていたら、アーチーズで、米国市民なのか尋問され、隠すこともないので、数年後帰る(ちょっと嘘)といったら、没収されました。しょうがないね。

障害を持つ人が完全に国立公園を楽しむまで設備は整っていないので、無料パスが存在するのでしょう。といっても日本と比べたら、雲泥の差でバリアフリーですよ。


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