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米国留学記(1
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2002/09 - 2003/08

ロッキー山脈 国立公園巡礼


ディノザウルス国立記念碑

ライド・ザ・ロッキーズに参加するために、カリフォルニア州からコロラド州へ車で移動。その途中、ユタ州とコロラド州の境に、恐竜の化石が大量に発掘されたエリアを通る。周辺には何にもない乾燥した山岳地帯。寄り道をして見学。

恐竜の化石が剥き出しで展示されているので、中を歩くことは禁止。ビジターセンターに車を駐車して、バスに乗って記念碑まで移動する。ただし、車イスの人など、ディスエイブルド駐車証(全米で人口比約5%が所有)がある人は、記念碑のそばまで直接、車をつけることができる。許可証の持つ私もそうした。

日本では、行列を作らなければならないような化石が、そのまま目の前に。それも保存状態が抜群。また発掘されたところなので、リアル。

斜面をそのまま保存して、展示しています。それにしても、ここは恐竜の墓場なのだろうか? 数多くの化石が斜面に埋もれています。

米国の自然史博物館には、恐竜の化石が多く展示されています。人気なのでしょう。私の大学(UCバークレー)にも大きい化石が展示されています。しかし、全ての骨が揃うことは難しいだろうから、完全な状態なものは、ほとんどないはず。この記念碑は、完全な状態で見事でした。


グレイシャー国立公園

カナダと国境をまたがる氷河の国立公園。観光に力を入れているカナダ側は、より整備されていて、多くの日本人も訪れている。

米国側は、公園を横断するドライブルート Going-to-the-Sun Road が有名。ドライブでは、大陸分水嶺を超える。大西洋、太平洋、ハドゾン湾と、長い時間をかけて海へと続く。私も、東側から西側に抜けた。時間がなかったので駆け足だったけど。

典型的な氷河地形。高い切り立った山がそびえます。澄んだ空気、透明な雪解け水、深い森林、心が洗われます。

U字に削られた谷。ぼこっと氷河がえぐった証拠。断崖絶壁に、ダイナマイトで道を作り、道路が作られていました。人間の力に感服も、ここまでするかと人間の原罪について考えさせられた。

ただ、ロッキーを自転車で走ってきたばかりだったので、有名な公園だけど、感動はなし。車の中から景色を見るのでなく、トレッキング、キャンプ、サイクリングとかしないと面白くないなあ。雄大な景色にも見慣れてきたということか。


イエローストーン国立公園

世界最初の国立公園。野生動物が多く見れるのと、間欠泉が有名。公園が広大なのと、大きな空港が近くにないので、訪問するのは難しく、自家用車での訪問が一般的。よって、米国にいる時にチャンスとばかり訪問する日本人が多い。

北入口から公園に入る。入口は5箇所ある。一日ですべてを廻るのは不可能な大きさ。最初に、マンモス・ホットスプリングスを訪問。トルコのパムカッレみたいに、石灰岩が階段状になっているところもある(上写真)。テラスマウンテン。トレイル(小道)が車イスで通れるようにバリアフリーになっているが、いかんせん、山であったり、坂であったりするので、すべてを見ることはできない。

地下のマグマ活動と、それが繰りなす不思議な地形、奇岩が、このエリアにはごろごろ。道路が整備されているので、車からドライブしながら景色を楽しめます。

公園内の道路では、ときおり、バッファローが現れたりします。道をふさいでしまうと、それを見る人が、のろのろ運転になるので、大渋滞が発生する! バッファローを追いこす時、運転しながらデジカメで顔をキャッチ。 でっかい顔してますなあ。

 

イエローストーン国立公園の中心地区オールドフェイスフルにある、ビスケット・ベイズンへ。トレイルは、写真のようにバリアフリー。木の上を歩いていきます。わざと距離を歩くようにして、目的地までの景色も楽しみます。トレイルがバリアフリーといっても、階段がありました!! ここは、トレイルが一周ぐるりと廻れるようになっているのですが、一方が段差なし。距離をとれば段差なくせるのに。案内版もないし、ぐるっと大回りに来た道を戻らなければなりません。ここはワイオミング州。米国でもバリアフリーが最も進むカリフォルニアの国立公園では、このような階段があるような設計にはなっていません。州によって差がありますね。

とても美しいサファイア色のプール(温泉)。バクテリアと藻類が、温度、酸性度、沈殿した鉱物と融合して、さまざまな色を作り出す。

こちらは、公園一番の名所である間欠泉。約90分毎に、定期的に吹き上げています。その予定時間も案内されているので、確実に地球の潮吹きが見れるところ。周りを取り囲むようにベンチが置かれ、観光客は今か今かと待ちわびます。地球の潮吹きが始まりました。とっても高く。音も豪快。1分ほど吹き上げています。まさに地球の鼓動。

 

オールドフェイスフルにも、トレイルが整備されており、車イスで廻ることができます。傾斜があるので、私にはとってもいい運動。誰かに押してもらうことなく、1時間強の散歩。

あちこちに、温泉というか、噴出口があります。近寄れば温かい。不思議な色をしていたり、溶岩がぐつぐつなっていたり、マグマ活動が目の前で見れます。奥にも、大きな間欠泉があります。キャッスルカイザー。 こちらは距離が近いので、しぶきが飛んできて、すごい迫力。

 

長い散歩から国立公園内にあるホテルに帰ってくると、もう夕暮れ。 ホテルの近くの芝生を、なんとバッファローの親子が食べていました。巨体をゆさぶっています! 危ないけど絶好のチャンス! 近づいて記念撮影に見学。とってもラッキーです!

バファローをメインとした北米大陸の野生動物が見れるのが有名なイエローストーンですが、道路が縦横無尽に貫かれ、保護されているとはいえ、人間様が動物の領域を侵犯している。

奈良公園の鹿、箕面の滝にいる猿、そんなと同じに感じた。。。

ラマバレーという野生に近いところも訪れたが、動物は道路から遥か離れた水辺にいて見れない。それでも動物達は、道路を横断して生活はできないから隔離されている。しょうがないね。


グランドテトン国立公園

グランドテトン国立公園は、イエローストンのすぐ南、ひっついている。こちらは山と湖がメイン。景色が美しいことで有名。

きれいな空気を吸いながら、湖畔で休憩。ボートに乗ってリフレッシュしたいところも、相変わらずバタバタとしたスケジュールなので、散歩だけ。

夏だけ開通する道路がいくつもあり、山を見ながら、湿地帯をドライブします。グランドテトンは、この地域に最初の入植したフランス人の毛皮商人たちが、名づけたもの。意味はフランス語で、女性のおっぱい とのこと。

北米大陸はイギリス人が開拓したという印象が強いが、ミシシッピ川流域はフランス人、ロシア人が先に開拓していて、フランス語やロシア語の地名が多い。西部開拓といっても、イギリス人達のもので、先にポツポツと一匹狼の毛皮商人たちが入ってた。

優雅な景色を楽しんでいると、なんと車のアクセルペダルが踏めなくなった。アクセルをつなぐケーブルが切れてしまった。オートマチックなので、クリープ現象を利用して、近くの観光センターへ。ちょうど平らな道であったので助かったけど、山の中だったら、どうなっていただろう。恐ろしい。

観光センターから、レッカー業者を呼び出し、近くの町ジャクソンへ。といっても50キロの距離。しかし、日曜日で整備工場は休み。工場の前に車を止め、レッカー代を支払い、翌日まで待つ。観光シーズンでホテルが通常の倍以上と高く、最悪。一日が台無しだ。

翌朝、すぐ工場に修理依頼をすると、在庫部品がないので取り寄せないといけないとのこと。フォードの修理工場なのにね。3日間かかるので、待てない。正規部品でなくてもいいからとお願いしても、危険なので、うちでは出来ないと断られる。お願いをして、直せる修理工場を探してもらい、これまた州をまたいで50キロ。違う町の修理工場へ。レッカー代も新たに発生するし、うーん仕方がない。

アイダホ州の田舎町。なんにもないところ。ぽつんと修理工場。数時間待つことになったが、直してくれた。どうやら同機種の車が置いてあったので、そこから部品を調達した模様。これでカリフォルニアに帰れることに。

何千キロも、故障なしに運転できて、乗り心地もよかった アメ車だったのに、やっぱり故障してしまった。それも機関部品のアクセル。カリフォルニアに帰れば、車を売ってしまうので、残りわずかな日数しか乗ることがなかったのに、修理代、レッカー代、修理に要した時間など、大きな痛手。

米国在住の日本人が、ほぼ全員、日本車に乗っているのは、やっぱり理由があるのですね。最後の最後に、旅先の国立公園で、車が故障するとはツイてない。とほほ。


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