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ヨォロッパ一周大冒険(3)

1994/07 - 09

心のバリアフリー / ノルウェー


ホテルの人と

夜、宿泊したホテルのフロントの人と、1時間以上の長話をした。彼女は、このホテルのオーナーの娘さんで、現在妊娠中でお腹も大きい。家族で交代交代で働かないといけない。休みが少ないと愚痴をこぼしていた。彼女が、私が一人で旅しているに驚き「本当に一人で旅しているの」などというところから話が盛り上がった。

彼女の話だと、バリアフリーの進んだノルウェーでも、車イス一人で行動するのは珍しいとのこと。確かに、ノルウェーでは、トイレはアメリカのような一体型でなく、専用トイレであった。その後、他のヨォロッパの国々も旅行して思うのだが、基本的にヨォロッパの人は車イス一人では出かけない。

もともと一人ででかけるのも少ないのもあるけど。車イス一人で行動が取りにくいという点では、まだバリアフリーは遅れていると思う。ところが、アメリカでは、そうでない。車イス一人でも動けるように社会が対応している。アメリカが最もバリアフリーが進んでいると、私が考える所以だ。

アメリカが車イス一人で行動できるということを示す事柄がある。この旅行中も含めて、海外でよくアメリカ人と間違えられるその回数は通算で10回は超えている。顔は典型的日本人だし、英語もそんなにうまくないのに。なぜ、間違えられるか、それは態度なんだろう。態度がでかいのもあるが、車イス一人で旅行すると考えるのは、アメリカ人ぐらいしかいないということ。

ちなみに私は、イタリア人に間違えられたことは、チュニジアとルーマニアであります。中国人、香港人、韓国人、台湾人は、いわずもがな、よく間違えられます。こうして考えると、アメリカ人というのは、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、肌の色や背丈ではわからない。英語をしゃべれない人もアメリカにはたくさんいる。アメリカ人ってなんだろう。懐が深いなーと思う。

ちなみに、私なりのアメリカ人の見分け方は、TシャツとGパンと、ラフな格好をしていて、おしゃれじゃなかったらアメリカ人です。そして、海外で一人旅するのは、アメリカ人と日本人が多いと思います。イタリア人は一人で旅しません。車イスで一人で旅したらアメリカ人なのかも?

さて、ホテルのフロントの彼女は私に、ノルウェーは車イス一人でも旅しやすい? と聞いた。また、ノルウェーはあんまり設備はないでしょう、とも言った。確かに、いわゆるバリアフリーの設備的なものは、日本とあまり変わらない。古い建物やも多く、段差も多い。彼女の意見はこうだ。

  新しく出来る建物には、当然、配慮して建物を作るべきである。しかし、ノルウェーには歴史のある街が多いし、古い建物が多い。  それらをすべて直しているときりがないし、お金もかかる。それに、そんなことをしなくても私達がいるじゃない。人が助けたらいいじゃない。このホテルも入口に段差があって、部屋も車イスが泊まれるような設備もないけど、あなたは安く泊まりたいんでしょ。それに私達が助けたら泊まれるじゃないの。

このホテルは首都オスロだが、別の街、ベルゲンに行ったとき、インフォメーションで紹介されたホテルは(一番安いホテルを紹介してくれと言った)、階段で上がっていく3階にあるドミトリーだった。

後にも先にも階段のあるホテルを紹介されたのはここだけ。何のこともなしに、従業員や周りの人が助けてくれるのだ。簡単に特別な意識を抱くこともなく泊まれた。

また、オスロの国立美術館に行ったときも、正面玄関は階段だった。裏側に廻って、ブザーを鳴らして、別の通用口から業務用リフトに乗って美術館に入った。そのときに、案内してくれた人は俺にこう言った。

  こんな裏口から案内して申し訳ない。本来なら正面入口から入れるようにすべきなんだけど、知っての通り、歴史ある建物だし、改造しようにも難しい。ごめんな。それともし停電や火事など事故があってこのリフトが動かなくなったら、俺が真っ先に助けてやると、なぜなら俺達はバイキングスだぜ。見ろよこの腕を。

あー頼もしい。日本ではがっちりのこの俺もノルウェーではみんな簡単に担いでくれる。設備はなくても、ハートがあればいい。心のバリアフリー先進国のノルウェーです。

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乳母車

ノルウェーの街では、映画アンタッチャブルの最終シーンに出てくる首の座っていない赤ちゃんを乗せるゆりかご型の乳母車が目についた。

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日本では、まず見ない。この乳母車に対する適当な名詞が存在しないことからも存在がないことがわかる。なぜ、ノルウェーに多いのか(欧米で存在するのか)。それは、バリアフリーな社会だからです。

乳幼児がいても自由に外出できる環境がある。段差の少ない街の構造、駅にはエレベーター、理解ある人々。日本だと、電車やバスに乗るたびに、乳母車を折りたたむのを強制されたり、駅とか商店で、段を持ち上げたりしなければいけない。そのような環境では、このゆりかご型乳母車なんて存在しようはずがない。

 車イスで歩きやすい街 = 乳幼児のいる家族も歩きやすい = 高齢者も歩きやすい

このような考え方がバリアフリーから一歩進んだユニバーサルデザインだと思う。私が歩きやすい街というのは、やっぱり乳母車を見る率が多い


スーザン

フィヨルド観光のフェリーを降りて、ベルゲンに向うときの列車で友達になった女性がいた。名前はスーザンといって、少し知的障害のある人だった。

すごく純粋にきれいなものをきれいという心を持っていて私の持っていたリュックをきれいな色ねと褒めてくれたりした。イチゴを一緒に食べながら多くのことを話したり、折り紙をしたりした。楽しく過ごしていても時間は過ぎて、別れるときには、プレゼントを貰った。これでノルウェー語も勉強してねと。今でも大切に保存しています。

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ちなみに、この季節ノルウェーでは、イチゴが大量にとれる。箱いっぱいで100円とか、いいのは200円とかで売っている。安い。安すぎ。

漫画ドラゴンボールのブルマの願い(第1巻参照)が、イチゴを死ぬほど食うことだったが、ノルウェーでは、そんな願いは簡単に叶えられる。私も、イチゴをたらふく食いまくるという小さい頃の夢が実現できた。

スーザンもイチゴをたくさん持っていて、電車でいっぱいイチゴをくれた。その前に、1箱イチゴをたらふく食べてたけど、スーザンがくれるからには、食べないとね。

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車イスの芸術家 IVAR

ベルゲンからオスロの帰りの特急列車で、ノルウェー人の車イスの人と同席した。車イスは、2等の料金で、1等並の豪華な車イス専用コンパートメントに乗れる。6時間の長い旅路、いろんなことを話した。おかげで英語が上手くなるきっかけとなった。

彼は芸術家で絵を描いている。この列車にも、インドネシアへ行くためにオスロの空港に行くのだと。インドネシアでしばらく絵を描きに行くということ。インドネシアは暖かしすごしやすいとのこと。障害の状態は、私よりはるかに悪いが、活発な方だ。

ノルウェーでも、バリアフリーを推進するため、設備のない施設には、アンチバリアフリーのステッカーを貼っていく運動をしたと言っていた。また彼の車イスのタイヤは旅行用にと、空気の入っていない、固体タイヤであった。通常、私のも含めて自転車と同じ、エアーチューブ、空気の入ったタイヤである。パンクをしないようにとの配慮だ。しかし、乗り心地は悪いのが難点だ。

これから1ヶ月後、私はイタリアでパンクをして、ちょっと苦労しました。車イスのタイヤも自転車と同じようにパンクすることがあるんです。

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トラムの運転手

ノルウェーでは、心のバリアフリーが進んでいて、イイ人ばかりだったが、ただ一人、印象の悪い人がいた。オスロで乗ったトラム(チンチン電車)の運転手だ。(トラムの出入り口には階段があるが、乗客が助けてくれるので乗りやすい)

運転手は、男女同権のノルウェーらしく女性であった。車イスを乗客に降ろしてもらうのは少し時間をとるので私の降りる駅を伝えようと、運転手に " Excuse me " と話しかけると無視。 肩を叩いて、もう一度呼んでみると、" I am driving now !! " と完全に私を無視する。シュンとなって、落ち込みながら車の中央部に戻ると、老いた女性が、お手伝いしましょうか?と言ってくれた。降りる駅で、男の人を呼んでくれて、なんとか降りれた。これぞ助け合い。

また、運転手は私が降りようとしているとき、バスをすぐに発進させようとして邪魔された。ほんま何考えとんねん。

その運転手は、すごく太った人で、顔つきも何かしら怒っていそうな顔で、見た目が悪い。人間は見た目ではないが、この運転手を見て、性格が悪ければ、ルックスも悪いのか。他者との関わりを捨てて、自分のルックスも捨てたのかと、ひどいことを思ってしまった。

全部の人が、イイ人とは限らない。世の中、いろんな人がいますね。


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