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ユーロ高にビックリ! (5)

2007/08 - 2007/09

活気があり発展中 / ルーマニア


ブカレスト

1996年、大学4年生の夏休み、ハンガリーから列車で入国、マラムレシュ地方を旅行した。首都ブカレストも訪問したが、共産主義の名残もあり、陰気な雰囲気で、障害のある物乞いが街中にいた。その日のうちに航空券を買って、次の目的地トルコへと退散した。

11年後。ルーマニアの雰囲気は変わっていた。色んな店ができており、ユーロ景気の影響か、物価も高くなっていた。11年前の2倍、3倍の感覚。ブルガリアには希望を持てなかったが、ルーマニアは活気がある。隣国だが随分と違う。ソフィアとブカレストを比較すると、街がキレイ。道路がキレイ。歩道のカーブカットも多い。

ただし車の運転が乱暴(歩行者は優先してくれるが)で、路上駐車のマナーがひどすぎる。英語よりも、イタリア語(学生時代に覚えた)が通じるのは以前と変わらず懐かしい。ラテン系の国。

ブカレスト北駅。ホームが地面すれすれと低いが、新型列車は低床に。古い列車でも低床になっているのもありました。高くなっているホームもあり、バリアフリー意識の高まりが。私が利用した夜行列車は、残念ながら階段のある列車で、周りの人たちに助けてもらい乗降しました。

 

11年前には、路上で障害のある人が物乞いをする風景をたくさん見たが、今回は1人しか見なかった。福祉政策ができたのであろうか。半数のバスがノンステップに変更されていたのにも驚いた。他の欧州と同じく、車イスだけでなく、ベビーカーも印があるのが、とても良いですね。

ブカレストのメトロ(地下鉄)は、エレベーター無し。北駅に一つだけあったが、施錠されていた。まだまだバリアフリーはこれから。ブカレスト随一の観光名所「国民の館」も、階段がある。11年前は入れなかったため、今回は見てみたかったのだが、諦めた。誰か介護者がいれば、車イスを担いでもらえれば、観覧可能だろうが、そこまではしなかった。

  

11年前と同じく、チャウシェスク時代の独裁建造物を眺め、市内をぶらぶらしていると、ロシア正教寺院が。通りは近代的に変わったが、教会だけは、そのままに残っていた。過去に訪れた風景を見ると、郷愁にかられる。よく昔もこんなところに来たなあと感慨にふけった。


ロールキャベツ発祥の地

11年前のルーマニア旅行で心残りであったことがある。家庭の味ロールキャベツを食べ損ねたのだ。今回は、念願叶って食べることができた。宿泊した仏系ホテルのレストランで注文。サラダが美味しい。付け合わせのサラミは絶品。ルーマニアはサラミが名物ですね。

 

待望のロールキャベツはイマイチだった。期待が大きすぎた。それなりには美味しいのだけど、ミテテ(焼き肉)にした方がいいなあ。日本と本場の違いは、キャベツがシンプルに1枚で包んであること。肉がたっぷりなこと。

1週間後ウクライナに滞在中に2度、ロールキャベツを食べる機会があった。ルーマニアと国境を接している地方など、ウクライナでも家庭料理として有名なんです。

ウクライナで食べたロールキャベツは絶品だった。具に米が入っているのがポイントだった。食感が最高であった。ソースもよく染みていた。それぞれの家庭にレシピがあり、味付けも違うのだろうが、米を入れるのはとても面白くて、美味しい!

 


ヤシ

ブカレストで1泊後、夜行列車で北東部にある大学都市ヤシへ。2等料金 68Lei (3400円)と、値段が高いのにビックリ。日本と比べると半額ぐらいだが、以前はもっと安かったようなイメージがある。外国人料金なのかなあ。 

列車はガラガラ。コンパートメントを独占して、横になって休んだ。ヤシ駅のホームは中央部で、線路をまたがなければならず、親切な人たちに助けてもらいながら外へ。

  

早朝の到着のため、朝食をつまみながら、駅で時間をつぶした。すると、ローカル列車から、車イスの乗客が家族と一緒に降りてきた。いいじゃん!この後、ヤシ市内を歩いていたら、脊髄損傷の車いす男性にも会い、握手したりもした。車イスの人を街中で見けけることは、共に暮らしている印。とっても嬉しいです!

市内の道路。面白い横断歩道を見ました。車イスの経路が黄色くなっているのです。歩道のカーブカットが滑らかな部分を示しています。大学都市で、バリアフリーに関する意識も高いのでしょうか、車イスへの配慮があることに驚きです。

 

ルーマニア北東部には、修道院がたくさんあります。世界遺産の5つの修道院ではないが、ヤシにもチュタトゥイア修道院があります。ヤシ市内からタクシーで10Lei (500円)。緑あふれる丘の上にあり、市内が一望できる絶景。段差もなく、内部も車イスで見れるのに大感謝。昔は質素な祈りの自給自足生活が行われたのです。

修道院内部は撮影禁止のため紹介できないのが残念ですが、初めて入った修道院は、居るだけで胸が熱くなる雰囲気。実体験していない人に伝えるのは難しいが、歴史ある聖堂は、静寂で、神と自分だけの祈りの世界。厳かで、ここだけが時が止まっていた。

  

でも、宿舎には衛星アンテナが立っていた。テレビぐらい見ますよね。現代生活には必要なのでしょう。チュタトゥイア修道院の山道を降りて、銀色屋根が目印のフルモサ修道院へ。こちらは住宅街にある。小一時間かけて、ゆっくり歩いて到着したが、中は階段のため、諦めた。残念。

歩いて観光するのが大好きな私は、中心部までも歩くことに。タクシー代の節約にもなる。8キロ。計3時間の散歩は終了。到着した文化庁宮殿は、17時閉館で、10分しかなく入場を断られた。

宮殿(現在は博物館)の入口には、スロープがあった。でもスロープ側の扉は閉まっていた。バリアフリーがされているとはいえ、形だけのことが多く、やっぱりまだまだこれから。

坂の多いヤシ市内。懸命に坂をこいで、モルドバの首都キシニョフへ行くバス乗場を探した。なんと人気スーパーの駐車場の前がミニバス乗場。看板なし。切符も無し。なんじゃそりゃ!来たもの順で乗っていく。1日3便らしい。料金は20Lei (1000円)。 180キロの距離。

 

朝7時に第一便があるというので、早起きして、6時10分に到着。もう既に何人か集まっていた。助手席に座りたいとお願いしていると、乗合タクシーがミニバスの後ろに停まった。料金35Lei (1750円)と安い。 車イスの私は乗り降りが容易。乗っている時間も短い。目的地まで送る。即決して、助手席に乗り込んだら、他3名の乗客も決まり、すぐに出発した。

モルドバ人の運転手は、とても親切。車内は和んだ雰囲気。運転も安全。日本人は近年、モルドバ入国にビザ不要となり、国境超えも簡単なもの。快適なドライブとなった。

ミニバスが満席でも、乗合タクシーがあるでしょう。なんらかの交通手段は存在するものです。しかし、地元でも知らない人が多いバス乗場。探すのは一苦労でした。


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