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アドリア海一周ドライブ(7)

2014/04

アルベロベッロ&マテーラ&ナポリ / 南イタリア


洞窟探検

イタリア半島のアキレス健の部分にあたるバーリから、車で1時間。プーリア州の観光案内パンフレットに「グロッテ洞窟」の写真があり、そこに車いすの人が映り込んでいたので、バリアフリー!と確信して、訪れることにした。写真でアピールしてくれるとわかりやすい。

丘陵地帯に、鍾乳洞の巨大洞窟がある。ガイドがついた約1時間のツアーに参加して歩くことになる。チケット売り場で、車いすは終点から入る。一部しか見れない。係員が案内する。入場料は必要ない、と教えてくれた。車いすで洞窟に入れるなんて、興奮する。

上の写真の塔が、エレベーターのある出口。管理室や展示館、穴の開口部にもなっている。係員とエレベーターに乗って洞窟へ。

洞窟から地上を眺めて。大きな穴から自然光が入り、神秘的。雨水や地下水で浸食され、巨大な鍾乳洞ができたのでしょう。

車いすで歩けるのは、200メートルほど。それでも、冷たい空気、深くしみる反響音、涼しい温度、ゴツゴツした岩、奇岩など、五感で観光。ライトアップされた岩もあり、美しいです。

同行の友人夫妻と一緒に記念撮影。係員の人に写真を撮ってもらいました。


アルベロベッロ

20年前ガイドブックで、白い三角屋根がかわいい村を見つけた。南イタリアのアルベロベッロである。当時はそこまで有名ではなかったが、世界遺産にもなり、情報社会にもなり注目されるようになった。いつかレンタカーでドライブしようと考えていたが、20年を経て、ついに訪問することに!

町のメインストリートにレンタカーを駐車。すぐに石造りのとんがり屋根の集落。

しかし、旧市街は階段ばかり。急な坂も多い。路地を探検したりして迷子になりながらも散策を楽しみたいところだが、車いすでの観光は無理。遠くから眺める。

古い家も多く、階段上で、狭い道なため、現在は住んでいる人は少ない。土産物屋さん、売店、ゲストハウスなどがあります。

ちょうど本田圭佑が、ACミランに移籍したところ。観光地だからか、日本人相手なのか、本田のレプリカユニフォームが土産物屋さんに飾られていました。

小石を積み上げた三角の屋根。白い壁。とてもかわいい世界でここだけの様式。アルベロベッロ旧市街だけでなく、周囲の村々の古い家も同じ様式。レンタカーでアルベロベッロに来る途中の田舎道で、とても多くのトンガリ屋根を見ました。地域の伝統を残すのは素晴らしいですね。


パンク

ベネチアで借りたレンタカー。事故もなく、旧ユーゴの国をドライブすることができた。アルバニアへの入国も無事に遂げ、国際フェリーに乗って、イタリアに戻ってくることができた。後は、最終目的地のローマに向かうだけと思ったら、甘かった。

アルベロベッロ旧市街を観光し、豪華に美味しいものを食べようと事前にネットで調べたレストランを探す。でも見つからない。後にわかるが、グーグルの地図が間違っていた! 過信は禁物。インターネットから印刷したグーグルの地図を片手に運転していると、下り坂カーブで右タイヤが縁石に接触。パン!という音。一瞬でタイヤが破裂してしまった。空気も抜けてシュルシュル。

とりあえずガソリンスタンドを探す。運がいいことに、坂を下ったところに6本足の狼でお馴染みのアジップのガソリンスタンドがあった。店員の姉ちゃんに、パンク修理して欲しいと伝える。すると、ちょっと待って。エンジニアが来るからとの返事。

レンタカーは、アウディの新車だった(私が最初の客)。中級車を希望していたが、高級車を提供してくれていた。余計なお世話。高級車なこともあり、タイヤは、225-45 17インチの走り屋仕様。もちろん値段も高い。

10分後。作業着を着た2人が登場。ガソリンスタンドの店員かと思ったら、修理工場の人みたい。レンタカーのトランクに積まれたスペアタイヤに交換。ものの3分で作業は終了した。

そして俺たちの後についてこいという。1分後、修理工場に到着。新品はないから、同じサイズの中古に変えるという。ジャッキを入れて、タイヤが外れる。30秒ぐらいの早業。まるでF1フェラーリのピットみたい。

パンクしてから30分後に修理が完了した。信じられない。幸運である。

値段も40ユーロ(約6000円)なり。日本だと2万円は超えるだろう。鼻くそをほじるように、いとも簡単にタイヤを変える。自動車の運転が世界一上手いイタリアならでは?

・・・・・・

トラブルもあったので、調べていた邸宅レストランでの豪華ランチは諦めることにした。次の目的地マテーラに行く途中、道路にガソリンスタンドがあったのでこれで最後と聞いてみたら、ガソリンスタンドの裏がレストランだった。派手なレストランの看板がないから分からない。

フィデリーコ」という店。邸宅を改造したレストラン。大きな庭。テラス席。クリムトの絵が飾られておりモダンな雰囲気も漂う。100人ぐらいのキャパシティはあるが、ランチの客は私たちだけだった。

ちなみに、車いすトイレもあった。嬉しい! 

3人で、前菜盛り合わせ1つ、パスタ2品、メイン2品を注文。

結論。最高の味! 店を探す途中にパンクしてしまったけど、最後に幸せが待っていた。これだから人生やめられない。

前菜盛り合わせは、10皿! それも毎度毎度サーブされる。感動の連続。これで19ユーロだったかな? 有りえないコストパフォーマンス。この店の名物でしょう。

パスタは、ラビオリとニョッキ。南イタリアらしく、シンプルな素材の味。ボリュームもたっぷり。トマトソースとは別に、フレッシュなミニトマトを使っているのが驚き。

とても美味しかった牛肉ステーキ。オレンジソース添え。500グラムはあったと思う。これで15ユーロだったかな?肉の旨みが最高。何度でも通いたい味。でも、オレンジソースはあってもなくても、どっちでもいい(笑)店で出すなら、家庭とは違う味にしなきゃいけませんし、変化球で勝負なのでしょう。

魚料理として、メカジキも注文。レモンソースで酸味が利いている。お魚は日本の調理方法の方が美味しいかな。食べ慣れている味が好みになりますから。

運転もあるので、ワインは飲まず。同行者がビール1杯。食後にコーヒーを飲んで、3人で90ユーロ。一人4000円ちょっとの驚きの価格。店の雰囲気、サービス、味、どれも最高。

おそらくミラノや東京だと、料金は2倍するかも。でもガラガラだった。商売は難しいですね。高所得者層が少ないから繁盛しないのかも。結婚式やパーティもできるので、そこで稼いでいるのかも。とても素敵な店だったので、ここで食べるためだけに再訪してもいいなあと思っていますが、その機会があったときでも、店の営業が続いていることを願う。


マテーラ

南イタリア。もう一つの有名な世界遺産マテーラ。洞窟住居。新市街地も隣にあり、道に迷いながら、狭い一方通行の坂道をみつけて、ようやく旧市街を発見。渓谷の斜面に、洞窟住居が掘られ、階段上に家々が連なっていました。

レストラン探しで道に迷いパンクをしたり、昼食をゆっくり食べたこともあり、マテーラ到着は夕暮れ。観光客はほとんどおらず貸切状態は良かったが、階段ばかりで車いすでの観光は無理。狭い道のドライブで神経を使ったこともあり、私は車から降りることなく景色を眺めてお終いです。


ナポリ

20年前に来たときもレンタカーだった。運転に難儀した思い出。今回も同じだった。狭い道、路上駐車、一方通行、袋小路、交通渋滞、人々の喧騒。アマルフィの海岸も狭くて、素人が運転すると地獄を見ます。

ナポリの目的は一つ。ピザを食べること。市内中心部は駐車スペースもないし、ごみごみしているので、海岸沿いの少しお洒落なエリアにて。良い感じのピザ屋を発見。路上駐車して、ランチする。

店の選択は正解。勘が当たった。適度に繁盛している。生地は作り立て。もちろん焼きたて。きれいな新しい店。高級店かと思ったら、ピザの値段はナポリ価格で激安。ただしドリンクは高かった。飲み物で収支を合わせるシステム。もちろん節約するなら水道水も注文できますよ。

キノコピザを注文したら、トマトが入ってなくショック。ポルチーニはたっぷりなのだけど。素直にマルガリータ(トマト、チーズだけのシンプルピザ)を注文したら良かった。

同行者のマルガリータを横からいただく。生地は新鮮。トマトが濃い。モッツアレラは水牛だ。オリーブオイルが奏でる焼きムラ。完璧な味。 直径40センチあって、価格は6ユーロ。料理は本場に限る。

クオリティの高さに、改めて驚く。日本でも、石窯を作って、モッツァレラチーズを空輸したりと、本格的なナポリピザを出す店が増えたが、オリーブオイルの使い方、焼きムラ、手早さ、気軽さ、本場ナポリとは比較にならない。大阪人にとってのお好み焼、たこ焼きみたいなものかな。ピザを食べにだけでも、ナポリに来る価値あり。


ローマ

最後の夜。ローマ空港の近くで、道に迷った。住宅街に入ってしまい、地図を片手に自分がどこにいるのか確かめながらの運転。ドスン!穴ぼこを通ったようだ。プシュー!また右前輪がパンクした。2日連続で同じ箇所。

夜の7時。もう日が暮れかけていた。通りがかりのおじさんに、ガソリンスタンドが近くにないか尋ねる。ガソリンスタンドはないが、修理工場?がすぐそこにあるらしい。イタリア語が話せて本当に良かった。言葉が通じる幸せ。Uターンして、ぺこぺこのタイヤで300メートル進む。そこには工場みたいなのがあった。店員に話しかけると、「ここは洗車屋」と鼻で笑われる。でも、「パンク修理なら、角を曲がった10メートル先にある」とのこと。

ほんまかいな? 言われた通りに進むと、アパートの1階部分に、タイヤ屋さんがあるではないか!

歩道の縁石に車を乗りあげ、中古タイヤ交換の依頼。即答OK。車をピットに入れることもなく、そのままタイヤ交換。パンクしてから20分も経っていないのに、修理が完了した。チップも含めて、50ユーロ札を渡したら、喜んでいた。40ユーロで良かったのかも。

2回もレンタカーがパンク。修理が手軽なのは、イタリアの道路でパンクが多い証拠でもあるのだろうが、どちらも30分以内に修理できたのは、幸運だと思う。パニックにならず冷静に対応できるのは、私の能力。えっ!ちゃんと運転しないさいって。はい、その通りです。

その自動車パンク修理屋さんに、空港に近い安いホテルを教えてもらい、そこにチェックイン。修理代のチップが紹介料になった。いい感じ。ホテルのレストランで夕食。ナポリで昼食にとったピザのリベンジ。マルガリータが食べたい!店員にお願いして、ルッコラをトッピングしてもらった(無料サービス)。

でてきたピザの生地は冷凍だった。トマトソースも薄かった。モッツァレラも水牛ではなかった、普通の牛。まずくはない。ただ普通に美味しいだけ。日本で食べたら余裕で平均以上の美味しいピザ。価格は9ユーロだった。ちなみに、ナポリのピザは6ユーロで、大きさも2倍近い。

値段が安くて、素材は良く、味も美味しい。ナポリのピザは異次元だと痛感。3度目のナポリ訪問もいつか夢見よう。死ぬまでにもう一度、ナポリでピザを食べたい!目標が出来ました。


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