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南部アフリカ 未訪問国巡り(6)

2015/07

バオバブの群生地テテ/モザンビーク


国境越え

2週間の旅。最終目的地は、モザンビークのテテという街。テテから、ヨハネスブルグへ飛んで1泊。カタール航空のドーハ経由で、日本へと帰国する。

マラウィからモザンビークへの陸路国境越えに選んだのは、デッサ。首都を出たところの田舎道で、警官に捕まる。車に自転車(車いすのこと)を積んでいるので罰金らしい。運転手と警察官が長い時間もめていた。そんなこともありながら、1時間半ぐらいで国境に到着。

マラウィの入管事務所は大混雑。段差もあるので、後ろから入り、係員を呼んでもらって対応。その待ち時間、野生の蜂蜜をバケツに入れて売りに来る人がいた。皆が買っている。食べたいなあと思っていると、役人らしき人が買ったのを、一部分けてもらった。めちゃ美味しい。天然。

20分後、マラウィ出国スタンプをもらって、モザンビークに入国。ビザがあるので、簡単に入れると思ったら甘かった。「招待状がなければ入国は認められない」と言われる。招待状なんて必要ないけど、外国人があまり通らない陸路のマイナー国境。ここでは彼らが正義。公用語はポルトガル語なので、付きまとってきた両替商が通訳する。「100ドルを出せばスタンプを押す」らしい。要は金が欲しいのだ。

この国境を諦めて、外国人旅行者も多いメインの国境へ行くという手段もなくはないが、2日後に予約している飛行機に乗れないのは非常にまずい。それを逃すと日本へ帰るのに幾らかかるだろう。

入国事務所で粘る。じっと動かない。じゃまだからマラウィに戻れ!とも言ってくるので、一旦は外に出る。すると両替商がボスに話を通すという。それには謝礼が必要だ。幾らなら出せるのだ?と聞いてくる。10ドル。最高でも20ドルだと答える。賄賂を払うのは懇意ではないが、仕方ない。

・・・・・

私のパスポートを持って消えていった両替商。5分後には、別の役人が来て、すぐにスタンプを押してくれた。お礼にと彼から両替をした。後でわかるが、レートがすこぶる悪かった。

100USドルを両替した。3000モザンビークメティカルを渡される。後にわかるが、高級ホテルでは、1ドル=3.5メティカル。つまり500メティカル(14ドル)の損。マラウィの残り金を、既に両替していたが、それも騙されていたので、レートを勘違いしていた。

両替の利益が、十分に役人への賄賂を含んでいたのだが、アホな私は、賄賂として別に10ドル。両替商の手伝いチップとして1ドルをあげた。お金を損した。賄賂を渡すという不本意、不当な扱いであるが、入国できただけ良しとする。時間があれば、くそ役人に渡す金など無視して、強気にできるが、トラブルだけは避けたい。

・・・・・

やっと、モザンビークに入国。アンゴニアという町に行く乗合タクシーの助手席に乗り、露天からジュース、焼肉串を買う。1時間後、アンゴニアに到着。バスを乗り継いで、テテへと行く。私だけテテ行きのバスターミナルまで連れていってもらう。

アンゴニアから、テテへと行くのは、ハイエースではなく、ミニバス。あまり乗客がいないので通路に近い座席をキープ。でも車内で満席になるまで1時間半ずっと待つ。これが歩けたら、周囲をぶらぶらしたりして、暇が潰せるのだけど、車いすで歩けない私のツライところ。我慢。

午後1時半に、ようやく出発。車内は満席。運賃は、250メティカル(7ドル)と安くはない。車いすの荷物代として150メティカル(4.5ドル)を支払わされたので、安全に積み込んでくれました(笑)。

途中休憩。皆さん、チキンの腿焼きを購入していた。名物なんでしょう。他には果物とかを土産に。私は魚を購入。窓から売り子を呼んだり、隣の人に買ってきてもらったりします。

所要は4時間と聞いていたが、実際にテテについたのは4時間半後の午後6時。日も暮れかけていた。テテでは、路上で人が次々と降りていく。その度に停車と荷物下し。ザンベジ川の橋を渡って旧市街に入るときには、30分が経過。真っ暗闇の夜となっていた。

終点は旧市街の中心と思ったら、街の灯りから離れていくので、ちょっと焦る。他の乗客に確認すると、テテは過ぎたらしい。「宿のあるところで降りたい」と伝え、バスを停めてもらう。

郊外のモーテルがあるところで降りることになった。新しいモーテルに入ると、2200メティカル(66ドル)と高い。新しいがバスルームのドアが狭くて入れない。値段が高いからか、他に宿泊客もいない。他にないかと従業員にに聞くと、隣も宿らしい。

真っ暗な未舗装のガタガタ道。慎重に進んで隣の宿へ。600、700、1500、2000と部屋があり、700メティカル(20ドル)の部屋に決定。トイレ・シャワーは共同だが、階段なので使えない。部屋へは段差なし。一晩寝るだけだからOK。


4つ星ホテルへ宿を変更
 
朝ゆっくり起床。よく眠れた。トイレシャワーは使えないが、水道は外にあったので顔を洗える。世界旅の感覚だと、10ドルぐらいの部屋なのだが、意外にアフリカは宿代が安くない。

ホテルのレストラン。ここで朝食を食べる。朝食は無料。パンとコーヒー。簡素なもの。前日も夕食をここで食べた。厳密にはビールだけど。

前夜は真っ暗でわからなかったけど、綺麗なゲストハウスというか、ホテルでした。見てわかるように、土の道、砂道なので、車いすをこぐのはちょっと大変です。

飛行機は翌日。もう1泊、テテに泊まる。ホテルを変更することに。オート三輪タクシーで移動。前夜のホテルは、橋から4キロぐらい南へ行っていたことが判明。

4つ星ホテルへ到着。立派な構え。スロープもあって良い感じ。中に入ってみる。

車いす対応部屋があるというので、そこに泊まる。値段は高いが、豪華な朝食、空港への無料送迎もある。1泊130ドルだが、その価値あり。

愛想の良いフロントのお姉さん。美人なので、モザンビーク・ビューティといって、写真を撮影させてもらう。


テテ市内散歩

4つ星ホテルから、歩いて旧市街へ。街のランドマーク、ザンベジ川にかかる大きな吊り橋。午後はこの橋を渡って東側に行く予定。

旅をしたときの習慣は、現地の床屋に行くこと。この旅では既にザンビアで髪を切っていたが、テテの街には多くの素敵な床屋があったので記念撮影。ポルトガル文化の影響なのか、ちょっとお洒落な感じがします。

繁盛する市内の床屋。今どきで、若者が多かった。

当初、狙いをつけていた旧市街の中心にあるホテル。ホテルの前にスロープ有り。嬉しいですね。中にエレベーターがあるかは知りません。

市内の交差点。信号はありません。

街の様子。アパート。それなりに綺麗です。治安も悪いとは感じませんでした。そもそも旅行者は居ません。

野菜やさん。果物やさん。アボカドが巨大です。びっくり。大きなみかんもあります。温暖な気候なので、農作物は豊富ですね。玉ねぎも大きい。

ポルトガルの植民地だったので、エッグタルトがあります。とっても美味しいです。モザンビーク訪問のときは、食べるのをお忘れなく。

おしゃれなカフェで、エッグタルトとパイ、コーヒーを飲みました。たぶんブラジル人オーナーのカフェ。

マラウィで、モザンビークは金持ちだからという言葉をよく聞きました。日本人からすると、えっ?と思いますが、二国間比較すると納得です。テテは、自動車部品、建築建材の集積地として発展していました。太平洋に面して港があるのも大きいでしょう。テテには、アラブ人、ポルトガル人、中国人、インド人、ブラジル人と、多くの商人がいて、とても活気がありました。


バオバブの群生地

前日マラウィからのミニバスで、テテに近づくにつれ、たくさんのバオバブの大木を見た。車窓は最高。緯度でみると、バオバブで有名なマダガスカルと同じ。バスの中から見えていたバオバブを求めて、橋を渡ります。

ウィキトラベルでは、テテには何も見所がないと書いてありましたが、そんなことなし。バオバブの群生地が楽しめます! 橋を渡って2キロぐらい歩くと、石を投げれば大木です。

バオバブがあふれる町。現地人にとっては日常なので何も感じないでしょうが、素晴らしい観光資源。もっと大切に保護管理して欲しいなあ。

あちらこちらにバブバブです。道路から簡単に見られます。空港の近くにも群生地があります。

幹の太さが、5メートルを超えるバオバブもあり。

道中、多くの親切な人、20人以上に車いすを押してもらいました。モザンビークの人々。役人は最悪だったけど、地元民の印象はとても良いです。

6キロぐらい歩いたでしょうか、のんびり午後の時間、バオバブ巡りをしました。また橋に戻ってきて、ホテルへと帰ります。橋は旧市街へ行く方面のみ自動車は有料となっています。

最後の夕食。4つ星ホテルのレストランは高いので、すぐ近くにある有名なモーテルのレストランへ。地元民憩いのバーでもありました。チキンと、キャッサバ、サラダ。


テテ空港
 
小さなテテ空港。搭乗手続きは階段の下。係員が代わりに手続きしてくれたが、ヨハネスブルグ行きの飛行機はいつの間にか、首都マプト経由に変更されていた。私と同じ乗客が多数いた。

カタール航空の帰国便は、到着の2時間後なので同日乗換も可能だったが、トラブル防止のため、ヨハネスブルグへ1泊することにしていた。その決断は正しかった。安全第一。トラブルがあったものの無事に帰国。訪問国は5つ増え、144になりました。


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