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カナダ バリアフリー写真

お札  (2014年 撮影) 

カナダのお札はプラスチック製。破れない。
視覚障害者のための識別ように、右隅に、とてもわかりやすい点字がついています。数によって種類がわかります。丈夫な紙幣だから可能なのでしょう。非常に素晴らしい配慮ですね。

誘導ブロック  (2014年 撮影) 

ケベック州モントリオール。国際会議場が上にある、大きな地下鉄の駅ビル1階。広い通路に、凹凸のない赤いラインが引いてありました。弱視者への配慮。誘導ラインです。別の場所に、赤いオブジェなどあり、現代アートと配慮をくっつけて、景観をむしろ良くするアイデアとなっています。

国際会議での発表より。様々なビーチ車いす。いいですねー。

ダウンヒルの手漕ぎマウンテンバイク。引っ張ってもらい、山登りをする車いす。どちらも障害があっても大自然を楽しむために開発された道具です。流石にカナダ。誰もが自然を楽しむ!

 

トロントで2015年パンアメリカゲームが開催。日本だとアジアゲームですね。オリンピックの地域版。その競技場のバリアフリー化。発表の資料より北米では車いす席 mobility seating は3%とのこと。 enhanced seat (太っている人)を含むと5%の設置目標のデータ。日本では、1%でも多い!とされます。実際には、0.1%とかも多い。

車いす専用席にせず、共用席にして、車いすがいないときはリリースするのがポイントです。高齢者、階段昇降が苦手な人なども、もちろん座ります。エンハウスシートは、日本ではまだ聞いたことがありませんが、これから注目される配慮ですね。

アイスホッケー NHLモントリオール・カナディアンズ  (2014年 撮影) 

名門カナディアンズ。インターネットで車いす席の購入が可能だったが、残席が少なく介護者席は取れず。理由は座席数が北米にしては少ないこと。1階席の4隅とゴール裏の5ヵ所にそれぞれ10席の計50席ぐらい。リンクから遠いのに安全のためにか、席の前に透明アクリル板があるのは悲しかった。臨場感が少なくなる。

一方で、割引がある。同一エリアの3分の1の値段で見れる。優遇より同じ権利が欲しいところ。米国では、基本全てのエリアに車いす席がある。よって割引は無い。

休憩時間には人が多くトイレに行けなかった。よって試合中にトイレに行った。通常のトイレは階段の下、車いすではいけないので、探したら、車いす専用トイレがあった。

電気のスイッチが、すごい高い場所にある。鍵も小さい。なんだか使いにくい。

席に戻るとき、通路に人が立っているので「どいてください」といっても無視。プレー中は座席に戻るのを控え、入口付近で待つのがマナーみたいだが、私の車いす席は、目の前。ちょっと横に動くだけで通れるのに、どかない。席に戻って写真を取ったら、隠れた人がどかなかった人。強そうな女性警備員もいるので、通路を開けるように仕事しようとと怒ったが、それも我関せず。

車いす席、途中から後ろに立見客がきた。自分の座席で見ないで紛れ込んでいると思い、警備員に指摘したら、アリーナや球団の従業員たちで、仕事が終わったから、ここで見ているのだって。確かに胸にステッカーがある。でもおかしいよね。車いす席の後ろで立見客を入れるなんて。空いている座席に座るならまだしも。

アイスホッケー NHLオタワ・セネターズ    (2014年 撮影) 

首都オタワのチーム。公式サイトには、車いす席の場所の記載はなく、購入もできない。電話予約か、アリーナで購入してくださいのみ。まるで日本の悪い球団みたい。ホーム開幕2試合目。土曜の夜。だめ元で午前中に立ち寄ったら、切符が買えた。2万人収容のアリーナ。3階席の最後列の半分が車いす席。残りは立見席。同じ座席価格の最後列なので不正利用はなし。

パイプ椅子が置かれ、車いす客だけでなく、階段歩行が苦手な人など、体が大きい人など、一般客も利用可能。300人ぐらいは座れる。専用でなく併用だから数が作れる。1階席にもたぶん車いす席があると思う。ちなみに駐車場はアリーナの前に停めれる配慮あり(有料13ドル)です。

車いす席のない最後列の部分にある、立見席。良いアイデアですね。でも、トイレに行っているときに、私の席に椅子もってきて占拠していた立見客がいた。怒ったが、酔っ払いで、そのまま隣でいいだろと居つかれました。

問題点はトイレ。この最後列には、一般トイレがなく、車いす対応トイレが4つかな、だけしかない。そのトイレも苦情があったのか、便座に手すりが設置。なんとも不恰好です。そして、階段を降りる面倒な立見客などが、平気で車いすトイレを利用する。そもそも一般トイレも設置すべき。札幌ドームが同じような状況ですね。

座席からの眺め。

レンタカー  (2014年 撮影) 

大手レンタカー会社など、手動装置を無料で装着してくれます。車種や借り出し場所は限定されます。外国人旅行者だと、現地の車いすマーク駐車許可証を持っていません。よって停めることはできません。日本ではルールが曖昧で、罰則もありませんが、カナダでは300ドル(3万円)の罰金です。とはいえ、自家製の許可証を制作して持参しており、それを見せて停めさせてもらうこともあります。

モントリオール 街並み  (2014年 撮影) 

歩道の写真。カーブカットは完全に平らでなくガタガタ。横断歩道は舗装を変えて視認性を向上。

再開発で綺麗になった道路。道路と車道の段差をなくして、ポールで識別。欧州で良くみられる整備。地下鉄の駅もあるため横断者が多いからでしょう。一方通行なので道路の横断も危なくはない。

扉の開閉ボタン  (2014年 撮影) 

日本のように自動ドアは少ない。観音開きになるドアがほとんど。重たいので車いすに乗って開閉するのは大変。よって車いすの人用に、端などに開閉ボタンがあります。これは便利。トイレの入口にもついていたりします。

トロント トラム  (2014年 撮影) 

トロントは、交通渋滞がひどいです。環状道路がなく、通過交通も街を貫く1つの高速道路を通る。公共交通としては、地下鉄とトラムが走っています。自動車を運転しなくても住める街。しかし、地下鉄の駅は全てがバリアフリーでなし。市内中心部はバスが少なく、トラムがメイン交通となるのだが、階段のトラムばかり。新型の低床トラムはごくわずか。つまり車いすでの市内移動は不便です。ショック。

モントリオール中心街  (2014年 撮影) 

フランス語圏のケベック州の大都市モントリオール。市街地は古い建物が多いためか、雪が降るためか、レストランや商店の入口は段差ばかり。スロープを設置してくれたらいいのに、そんな店はほとんど無し。ちょっと悲しい。

地下鉄の駅に直結したモール内にあるスーパー。なぜに?入口が狭い?車いすやベビーカーが通れる広いドアもあるが、南京錠で施錠。もちろん警備員とか呼べば開けてくれるのだろうが、不便です。車いすの私はスーパーでの買い物を諦めました。

冬はとても寒いカナダ。モントリオールの中心地では、地下鉄の駅やビルが、地下街で網の目のようにつながっています。しかし、坂の街ということもあり、この地下街は階段だらけ。車いす、ベビーカーでは通行不可能。とても残念です。

ホテル アクセシブルルーム  (2014年 撮影) 

モーテル6という格安ホテルチェーンの部屋。大きな部屋にダブルベッド。通常部屋はバスタブだが、対応部屋はシャワー。でも、シャワー椅子がない!困ったちゃん。

トロント市内、中華街にある中級ホテル。大きなダブルベッドのツインルーム。定員は4名。シャワーでなく、バスタブであったが、欧米で基本のシャワー椅子が置いていない。トイレの手すりも使いにくいなあ。

田舎町のモーテル。週末でどこも満室で、あっても高額だったりして、苦労して見つけたモーテル。入口に2段あって不便だが、親切なスタッフが手伝ってくれて宿泊した。最初から段差のない設計にして欲しいけど、カナダでは段のあるモーテルばかり。米国では段差ないのに残念。

モントリオールで泊まった中級ホテル。車いす対応部屋。こちらはきちんとシャワー椅子が置いてました。しかし、シャワーヘッドが高い位置のまま、取れなくて困った。低い位置にかける場所もなし。残念。

バンクーバー空港 車いすトイレ  (2014年 撮影) 

一般のトイレの中に、車いすでも入れる大きなトイレがあるのがカナダと思ってたら、そうでもないみたい。日本のように多目的トイレとしてデザインされているのも多かった。むしろ多目的トイレが増加していると思う。冬季五輪開催の影響か、とても豪華でした。でもあまりに広すぎ。これなら2つ作って欲しい。

通常トイレの中に、広いゆったりトイレは無し。洗面所に、座れる椅子が設置されているのを、初めてみた。冬季五輪後の整備かな?使う人いるのかな?

トロント空港 車いすトイレ  (2007年 撮影) 

一般のトイレの中に、車いすでも入れる大きなトイレが一つは用意されています。一つしか大便器がない場合(右写真)は、その一つが大きくなっており(うまくスペースを利用)、車いすでも使えます。米国型のユニバーサルデザイントイレです。その代わり豪華絢爛な設備はありません。広いだけ。手すりがあるだけ。ベビーベッドも置いてあり、男性がオムツ替えていました。日本では見ることのない風景ですね。

 

世界のバリアフリー対応トイレはいたってシンプル。トロント空港では、非常用のボタンがありました。日本以外では見ることのない設備ですが、カナダにもあったのですね。個人的には、手が当たったり、洗浄ボタンと間違えたりするので、無駄な設備だと思います。

全ての一般のトイレには、車いすでも入れる広いスペースがありますが、別に家族トイレなるものがありました。介護者が異性の場合、子どもと一緒にトイレする場合などのためです。日本の障害者用トイレみたいなものです。米国では見ることのないトイレです。国境を越えればやはり違いが存在するのですね。

とはいえ、中はとてもシンプルです。日本のバリアフリートイレも、一般トイレに一つスペースの広いものを用意して、別途いわゆる障害者トイレを作るのが良いでしょう。重度の人や、介護者がいる人、子どもの世話などに利用したらいいと思います。

 
バンクーバー スカイトレイン  (2007年 撮影)

いわゆるモノレール。もちろんバリアフリーです。小さい車両ですが本数が多く非常に便利です。注意喚起の点字ブロックはホームギリギリ。これは世界でよくみられる設置方法です。

エレベーターと階段は同じ位置にあります。段差注意の黄色い線や、赤く統一された手すりなど配慮されています。エレベーターは誰かが小便をしたらしく中は臭かったです。米国でもそんなことがありますねー。掃除して欲しいなあ。

 

駅のプラットホームは、なんだか英国のチューブ(地下鉄)みたいでした。欧州の香りがします。駅の看板もなんだか英国風。

車両とホームは段差ゼロ。日本で作られると段差ができるから不思議です。バンクーバーは日本と同じように雨が多いところ。ホームには屋根がきっちり完備されています。

 
空港 エレベーターのボタン  (2007年 撮影)  

ボタンが大きく、押した感もあり、灯りも分かりやすい。非常に優れたデザインだと思いました。壁の文字盤は浮き上がっています。ボタンの数字などは凹んでいるので、全盲の人もわかりやすいでしょう。全盲でも点字は読める人は少なく、やはり単純にわかりやすい立体デザインがいいでしょう。空港ということで外国人にもわかりやすい図形デザインでもありました。