The Disabled Students' Program

DSP: 障害を持つ学生の教育計画

DSPは、Division of Undergraduate Education(学部学生教育部門)の一部門です。

260 Cezar Chavez Student Center,University of California Berkeley CA 94720, USA
電話(510)642-0518 テレックス(510)642-6376 ファックス(510)643-9686


DSP(障害を持つ学生の教育計画)は、障害を持つ学生に学習環境、補助サービスなどの
幅広いサービスを提供している。これらのサービスは、個人の状態によって対応し、
DSPのスペシャリスト(専属職員)が確認し、各学生の具体的ニーズに基づいている。


学業の助言

DSPのスペシャリストは、カリフォルニア大学バークレー校に在学する生徒の、コース選択を手助けします。しかし、スペシャリストは指導教官ではないので、学生自身が学部や専攻の履修指導教官と面談して、進む道や学位条件についての情報を得ることは大切です。スペシャリストはさまざまなな学部や指導教官に対する要望や、学生が自分自身で連絡を取るのを手伝います。


学習環境の供与

スペシャリストは、どのような学習環境が学生の特定障害ないし、複数の障害にふさわしいかを決定します。以下はいくつかの一般的な指定された学習環境です。

  ・ 講義の録音。
  ・ 試験時間の延長。
  ・ 試験の際、静かで十分に照明された別室での受験。
  ・ 試験中、休息、薬物治療、食事、運動のため休憩時間を回数多く与えられる。
  ・ 自宅での受験。
  ・ 試験中、筆記者が回答を記録する。
  ・ 点字か 拡大文字様式の試験用紙提供。
  ・ 試験中の基本的な4機能計算器の使用。
  ・ 携帯型タイプライター、ワープロかコンピュータを試験中の使用。
  ・ 記述式の宿題や試験上の機械的なミス(スペル、句読点、大文字使用、筆跡、立証)で
    ペナルティを課せられない。
  ・ 指導教官は試験に代替手段 たとえば、筆記試験にかえて口述試験、多肢選択式にかえて
    短式(またはその逆)、あるいは多肢選択式にかえて小論文、を用いる便宜を行う。

障害のために学生が各々のコースでもっとゆっくり学び、より多く時間をかけることが必要であれば、スペシャリストは(一学期あるいは全課程を通じ)課程の軽減を勧めることがあります。スペシャリストは、学部の学生部長から軽減課程の承認を得る上で、学生を補佐することができます。DSPは、軽減課程をとることで学生の奨学金が影響を受けないよう、財政援助オフィス(Financial Aid Office)に働きかけます。

場合によっては学生の障害により必修コースの調整が必要となります。スペシャリストは、学習障害のために、その学生が数学や外国語の課程教材を熟達することができないでいるのかどうかを確定します。もしそうならば、スペシャリストは調整策を探す手続きをとるよう学生に勧告します。これにはスペシャリストと学生の両方が、在籍学部の学生部長に手紙を書いて特別要請を説明しなければなりません。


補助サービス (TRIO:連邦政府からの予算で運営)

スペシャリストは学生の障害に応じて、どの補助サービスがふさわしいか決定します。

  ・ コミュニケーションの補助 
  ・ 授業内容の書き取り (注:日本のノートテイクサービス、要約筆記とは内容が異なります)
  ・ 音訳 
  ・ 演習の補助
  ・ 読本 
  ・ 同時キャプション(字幕 )
  ・ 研究の補助  (注:モノを取ったり、移動や実験の補助です)
  ・ 秘書業務  (注:レポート作成の代筆や、勉強するときの補助などです)
  ・ 手話通訳 
  ・ 手話音訳 
  ・ テスト代筆 


補助技術 Assistive Technology

DSP の コンピュータ・スペシャリストは、障害に関わる個人ニーズに最適となるよう、コンピュータのハードウェアとソフトウェアを選択し設定する手助けができます。e-mail のアカウントを作ることや、標準・専門アプリケーション、ウェブ上のリソースの使用法を学ぶことでも、学生は援助を得れます。DSP は、障害の影響を相殺するのを助ける様々なテクノロジーを学生に利用できるようにします。コンピュータ利用のテクノロジーは、 モフィット図書館(Moffitt Library)の 障害学生支援テクノロジーセンター(CAVE)に設置されており、この設備の利用資格は障害のある学生に発行されます。

  * The Arkenstone Open Book System は、印刷物をスキャンして、ディスク保存のために
   ASCIIコードに変換、学生にかわって声に出して読むシステムです。

  *The Dragon/Naturally Speaking System は、マイクに向かって話すことで学生がPCを
   コントロールしテキスト入力するのを可能にするシステムです。

スペシャリストは「視覚障害と学習障害のためのレコーディング」を通じ、教科書のテープ録音を学生がオーダーするのを助けます。この録音テープは、CAVEの4-トラックカセットプレーヤーで再生できます。

補助技術についてのDSPプレゼン資料


入学支援

いずれの志願者も、入学出願書と障害証明書を提出しなければなりません。学生は、学業が障害によってどのような影響を受けたかを、調査票に記入するよう求められます。


介助者照会

介助者照会アドバイザーはパーソナルケアと家事生活支援のため、予想される介助人を審査、面談し、そして移動障害を持つ学生が相談できるようリストを維持します。


代替技術と障害理解

スペシャリストは学生が彼ら自身の長所と短所を理解するのを手助けし、代替技術(たとえばノートのとりかた、時間管理、暗記、テスト勉強などのこつ)を学生に教えます。加えて、課程や選んだ職業や社会環境のなかで、学生の障害が成果にどう影響するか、学生の疑問に答えます。


学生のための障害を持つ人のグループ紹介 と 障害について理解を深める授業

スペシャリストは学生に、スタッフや学生が運営する障害を持つ人のグループについて、地域や州そして全国的な組織についても情報を提供します。学生が障害者法と障害を持つ人のサービスに関してよく知り、能動的に行動できるよう奨励します。そのために授業を設けています。

ELL 90 :『 障害の探求』

DSP スタッフは、ELL90『 障害の探検』という授業に参画しています。この特別クラスは、障害者の権利運動の歴史、障害者の歴史的イメージ、社会リソース、支援テクノロジーと障害のある学生への便宜供与について学び、障害のある学生が2単位修得する機会が与えられます。学生は自己主張の能力を取得し、また助け合いを啓発しています。

ELL 90 :『 学習障害、その克服成功戦略の探求』

『障害の探求 』と平行してELL90のこの部門は学習障害と注意欠損障害の学生のために特別に設計されています。授業の中心となるのは、学習障害の理解、知力を最大にすること、研究計画を立てること、調査・執筆・試験準備、そして大学のリソース利用、などです。


財政の助言

カリフォルニア大学バークレー校の財政援助事務所は貸付金、助成金と奨学金を管理しており、それらは障害のある学生に適応します。理事補佐はカリフォルニア大学財政援助と他の助成機関(たとえばリハビリテーション局や社会保障監理局)との関係を理解し、学生の補助をすることができます。

スペシャリストは、特別な障害の状況が公的助成資格を得るのに影響を及ぼすかもしれない状況について、財政援助事務所(Financial Aid Office)に知らせます。それは、以下のような状況を含みます。

  1) 学校に出席して学ぶことができない。
  2) 履修コースの軽減
  3) 障害に関わる追加の出費

スペシャリストはDSP学生奨学金に関する情報を提供できます。この奨学金はDSP によって管理され、低収入の学生が研究素材にアクセスしたり、身体的な独立を促進する設備の購入にあてられます。


住宅援助

住居および食事サービスは学生寮内の一定数をDSPに割り当てています。このスペースは障害を持つ学生のために用いられます。割当スペースを使うには、学生は障害に関し特別な住居が必要との証明書をDSPに提出しなければなりません。もし身体に障害があって、パーソナルケアの援助を必要とする学生なら、Disabled Students Residence Program(障害を持つ学生レジデンス・プログラム)に参加して援助を受けることができます。レジデンス・プログラムは。経験豊かなスタッフを派遣してパーソナルケアを提供し、個人の自活能力を向上させるものです。場所は Unit I Residence Complex(Durant and College Avenues)にあります。

 (注:これは重度障害者用のプログラムです。軽度の学生は学生寮に優先的に入れる便宜がはかられます)


授業登録の優先 (Tele-BEARS)

障害を持つ学生は、「Tele-Bears 登録システム」の早期予約を通じ、授業登録の優先権が与えられています。早期予約は、他の学生が登録システムへのアクセスする前に、障害を持つ学生の優先コース登録のことです。それゆえ、学生が自身の予約時間を守ることは非常に重要で、もし予約を逃せば、学生はその学期の優先登録ができません。 

(注:授業選択を先にすることで授業環境の配慮をします。すぐ定員になってしまう人気の授業を障害のある学生は優先的に取ることができるというメリットもあります)


課題の解決

スペシャリストは課題解決の戦略と困難な問題の解決策を、学生と一緒に考え、取り組みます。


ワークショップ

各学期、学習障害や個人の学習スタイル、例えば、読解・文章力・研究の向上のこと、上手な記憶法のこと、自己主張すること、学習補助のコンピュータアプリケーションのこと、就職か大学院進学か、などのトピックについて一連の情報を知るワークショップが、DSPから提供されます。これらのワークショップはニュースレターや事務室の掲示で発表されます。


2000年 2月9日 更新


注: accommodation という言葉がよく出てきます。「学習環境」と訳して使うことにしました。
注: スペシャリストとは、DSP専属の職員です。障害に応じた専門家で10名います。その他スタッフも20名います。

翻訳/文章責任  木島英登

2003年 8月

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