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米国留学 報告書
(2)
 
2002/09 - 2003/08

レジデンス・プログラム


男女共同

カリフォルニア大学バークレー校の特徴として、レジデンスプログラムというのがある。重度の障害を持つ学生が、親元を離れ自立生活をしながら学生生活を送るというもの。このプログラムは、他の大学にはなくバークレーを特徴づけるものとなっている。

1962年に、重度の障害を持つエド・ロバーツが、大学に行きたいということから始まったバークレーの歴史がある。最初は大学内の病院からの通学であったが、後にキャンパスを離れた大学寮からの通学となった。そういった経緯から寮生活ができるようになっている。 「DSPの歴史」 を参照。 

訪問したのは、4つある大学寮の、第1ユニット。大学まで歩いて3分。1部屋は、2名~3名の相部屋。障害を持つ学生は1名で住むことが認められている(状態による)。ユニット1は、真ん中に食堂を取り囲むように4つの建物からなり、総勢で3000名が住んでいる。

どの階も、障害を持つ人が住んでいようが、いまいが、関係なく、ユニバーサルなバスルームがある。つまり車イスでも利用可能なトイレとシャワーがついている。

私のような上肢が頑丈なものであれば、寮のどこでも住むことができる。こりゃいいわ。スロープやエレベーターは当然のことながら完備されている。仮に私が、大学の新入生で入学するなら、優先的に部屋が与えられるような仕組みになっている。もちろんDSPを通してだが、事前連絡すれば、入寮の優先権が与えられるのだ。

とはいえ、バークレーでは、新入生は全員が寮に入れるようにと配慮はされている。この地域は家賃がすごく高く、住まいを見つけるのが困難だからである。しかし、相部屋で狭いので、1年で7割が出て行くとのこと。ベッドも悪いし。ただしネット環境は抜群。家を探すまでの仮の住まいとしての寮の役割がある。もちろん、障害を持つ人も自分で家を見つけたり、友達を見つけたり、出て行く人はいる。

DSPの レジテンス・プログラムは、重度障害の学生の自立生活を支援するもので、4つの棟に、4名ずつの計16名が対象である。いずれも電動車イスでの生活者である。

話を聞きにいったのが、ユニット1に住む8名を担当する ティム。学生をケアするための専門スタッフである。 他に、10名弱が、レジテンスプログラムで働いている。24時間介護が必要な学生達なので、スタッフの部屋にはベッドが置かれ、常に誰かがいる。

ティムにレジテンスプログラムの学生を紹介してもらいました。スペイン語を専攻するエリーサ。カレッジを卒業してから、バークレーに来た新入生です。一人暮らしは初めてとのこと。

介護人は、イギリス出身の学生でした。レポートを書いたり、勉強の手伝い、生活全般の用事などを介助しております。介助人を頼む時間は、DSPで決められています。学生はその費用を払う必要はありません。ただし、学外でのこと、認可された以上にもっと介護が必要とするときは、自腹となります。

一人部屋なので、エリーサは悠々自適に暮らしております。同じ階には、4名やはり重度障害の学生が住んでいます。学校へは、そのまま電動車椅子を自分で運転して寮と大学を往復しています。

DSPから支給されたのか、彼女が自分で保有しているのか聞くのを忘れましたが、ボイスライターがありました。話した言葉が文章になっていくものです。彼女はこれでレポートを書いたりします。 IT技術が勉学を助けています。


バスルームを見に行ったら、驚きました。男女共同なのです。さすがに部屋は同姓での組み合わせですが、同じ階に男女入り乱れです。こういったところから女性差別はなくなってくるのだと痛感しました。

トイレの音が気になるから水を流してから用を足す女性が日本にいますが、ここではそんな悠長なことは言ってられませんよ。隣のトイレが男性、シャワーも壁一枚です。

ただ、宗教上の理由や、生理的にどうしても耐えれない人のために、女性専用階というのが、どの棟にもあります。 が、一般的には、共同が基本となります。

ちなみに、中国の北京大学に留学していた友達も、寮のトイレは男女共同だったと言ってました。共産主義で男女差別がなかったところですもんね。

だいたい、米国の車いすでも使えるシャワーというのは、こんな感じです。イスが備え付けられ、そこに移って浴びます。重度障害の学生は、濡れてもいいシャワーチェアーに乗り換えて浴びる人もいます。


翌日、エリーサに頼んで、授業風景を見せてもらうことにしました。ノートテイキング(授業中メモを取れないから、代わりに取ってもらいコピーする)を頼んでいました。

授業は、” Introduction to Disability Studies ” 障害者勉強の導入 です。先生は、Marsha Saxton マーシャ。   World Institute on Disability に勤めている方です。バークレーの障害を持つ学生には有名な授業です。

自分の障害のことはわかっても、なぜ米国で障害があっても住みやすい社会になったのか、その歴史と、法律、経緯、なぜ認められたのか、権利があるのか、わかりやすく説明されていきます。

ちょうど、この日は、1973年の504条に対する、サンフランシスコ官公庁での立てこもりデモのビデオを見ました。もちろんビデオは字幕つき(聴覚障害者のためにも)です。なんと26日間立てこもって、障害を持つものにも権利があてられるよう活動してました。スゴイ。

授業は、ただ先生の説明だけでなく、生徒のやりとりで進んでいきます。先生が質問を投げかけたり、生徒が質問をしたり、さらに、グループに分かれて、ビデオの内容の感想を言い合ったり、法律について、それが意味するもの、なぜ必要なのか、議論をしたりします。 3時間の長丁場の授業(途中休憩あり)ですが、寝る人はいません。 

40名の生徒が受講してました。年齢層がバラバラなのはバークレーの特徴です。女性が多かったです。
車いすの学生が1名。授業介助がついた全盲の学生が1名いました。

私も途中、挨拶をさせられました。単に授業見学するだけで終わるわけがないのが米国。行動には責任がつきまといます。いやはや大変であります。


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