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固定式(リジット)車いす 「766」の紹介

2013年7月

日本と世界の違い

世界中を旅して感じる違いの一つに、車いすの種類がある。私と同じ脊髄損傷の人は、欧米では折りたたみのない固定式(リジット)タイプに乗っている。パンクしないチューブレスタイヤをしている人も多い。日本と常識が違う。

日本人が知っている車いすは、折りたたみタイプ(英語でフォールディング)。座席の下のフレームが、X型になっており、シートを上げれば車幅が狭くなる。一方、固定式は、フレームがH型で、車軸が固定されている。自動車へ自力で積み込むときは、車輪を外し、背もたれを倒して、積み込むことになる。

 固定式の利点: 頑丈である。壊れない。乗り心地がいい。操作が軽快。軽い。寿命が長い。
 固定式の欠点: 折りたたむのが大変である。プッシュアップしにくい。

 折りたたみ式の利点: 折りたたみが簡単。コンパクトになる。
 折りたたみ式の欠点: 耐久性に欠ける。路面の悪いところでは振動が激しい。寿命が短い。


待望の国産 固定車いすが誕生!

私が車いすになった1990年は、日進の細いアルミフレーム、フットレスト布バンド、フルオーダーメイドが主流であったが、最近ではメーカーがフルカスタムメイドでは生産しなくなった。色んなメーカーの車いすを試したが、ピンとくるものがなかったが、理想の車いすに出会った。東京八王子の「766」(ななろくろく)が作る車いす。半信半疑で購入してみたが、とても良いので紹介したい。

乗り心地はパーフェクト。日常での問題は荷物の収納である。座席の下に、米国クィッキー社のポーチを付けた。ここに鍵、携帯、財布を入れている。

欧米のメーカーでも同じなのですが、766の車いすは、後ろにポケットがないのが不便です。ホームセンター、ロフト、東急ハンズなどで、ベルトに通す携帯ポーチを探すのが良いでしょう。固定ベルトが2つある方が安定します。それを2つ付けることにしました。外国の人達は、皆リュックをかけて、そこに荷物を入れてますね。自分なりに工夫してください。


自動車への積み込み (約45秒)

1) サイドガードを外します。

2) 座席に移動します。 ブレーキは右側だけロックするのがポイント。慣れてくれば、ブレーキは無しで移動。

3) クッションを乗せてから(クッションをつけたままでも良い)、背もたれを倒します。

4) 左側の車輪を外して後部座席に置いたら、本体は右側の車輪はそのままに、積み込み開始。。

5) 助手席に置きます。右側の車輪は外さなくても積むことが可能です。もちろん積んでから右側の車輪を外しても良し。


自動車から降りるとき (約90秒)

1) タイヤを2つ外した状態から

2) 右側の車輪を車内でつけて本体を降ろします。ドアと座席の隙間を使って固定するのがポイント! ブレーキをしなくてもうまく挟めます。

3) 左側の車輪を付けます。車いすが固定されているので簡単に付けることができます。

4) サイドガードを取りつけ、クッションを置いたら完了です。移動してからサイドガードを付けることも可能。サイドガードの装着に少し時間かかるため、コンビニで買い物とかなら、サイドガード無しで乗ってもOKです。


折りたたみ式のときは、15秒ぐらいで乗り降りしていたので、時間はかかるようになりましたが、最近は電車や公共交通を利用することも多くなったので、乗り心地や性能を重視して、固定車にすることにしました。ただし海外旅行のとき、途上国などの訪問では、タクシーに乗ったりするときに折りたたみがしやすい車いすの方が良いときもあるため、時と場合によって使い分けをしています。

ヤマハのJW1とか簡易電動の人は、折りたたみ式は強度が足りないと思うので、固定車がいいと思います。バッテリーが重く、自動車に積まないのであれば尚更です。折りたたむ必要ないなら、乗り心地、性能重視した方がいいです。同様に、自動車を運転しない子ども、高齢者に最適。室内専用にするとき、体重の重たい人にも最適です。

簡易電動の人が、766の固定(リジット)車いすに乗り替えたら、バッテリーの減り具合が遅くなり、走行距離が1.5倍近くまで伸びたとの報告もあります。効率的に力が伝わるからですね。

頸椎損傷の人など、手に麻痺があり、タイヤを外すのが困難だと、フレーム固定の車いすは不向きです。。腰椎レベルなど脊髄損傷で腕が強い人、器用な人は、走行性能の高い固定車に乗るのが良いと思います。


 
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