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ユーロ高にビックリ! (9)

2007/08 - 2007/09

ギネスビール / アイルランド


ライアンエアー

アイルランドといえば旅行者の間では、格安航空会社 RYAN AIR (ライアン航空)がある国。未訪問であったので、スペインのマドリッドへ移動する際の乗換えで、2泊3日のダブリン旅行。ギネスビールの工場で、できたての黒ビールを飲むのが目的。

全席自由席のライアン航空であるが、前列2列目を空けておく規則。歩けない私、搭乗に配慮が必要な人などは、基本的にそこに案内される。ピストン輸送で、早く乗せて、早く飛び立ちたい、貨物を預けるのも有料の、徹底したコスト管理。ライアン航空では、車いすの乗客は完全に面倒がられていると感じる。搭乗に時間がかかる、やっかいな客だと思われている。少なくとも過去4回の利用で私はそう感じる。

Ryanair.com - The Low Fares Airline, cheap flights from Europe, UK and Ireland

初めてのダブリン空港。 クラコウからの飛行機は滑走路へ。ブリッジは無し。基本的にダブリンではブリッジはなく、飛行機から直接階段が出てきて、乗客は滑走路を歩いて乗り降り。車いすであることを連絡していたが、ダブリンについてから迎えがこない。30分待った。本当に。ちなみに、深夜到着のため、飛行機は、早朝まで空港で待機する。

ようやく迎えが来た。小さい車いすに乗り移り、階段を担がれた。日中だと25分で乗客を入れ替えるのに、私を迎えるのに30分を要するとはなぜ?またその小さい車いすがお粗末であった。クッションがついていない。お尻には鉄のフレームが剥き出し。尻の骨を思いっきりぶつけてしまった。床ずれのできやすい人だと、非常なる問題。アイルランドの車いすの人はクレームしているのだろうか?一重に、バリアフリーが遅れている証拠である。アイルランドを代表する企業なのに。

さて、飛行機を降りると、自分の車いすが置いてあったが、問題発生!左のブレーキが外れていた。ブレーキの部品が紛失しているとは、困った。困った。これからの旅をどうしたらいいの?

バゲッジクレームで話すこと30分。2日後にまた空港に来るから、見つかったら連絡欲しいと、諦めたが、職員が駆け寄り、ブレーキが見つかったとの報告。貨物室に落ちていたらしい。何度か調べてくれと言ったのだが、すぐに対応してくれす呆れていたが、ちゃんと探して欲しい。

大事な車いすのブレーキが外れてしまうというのは、乱暴に荷物を扱っている証拠。運賃が激安なのは嬉しいが、ちょっと対応が悪すぎる。日系航空会社みたいに、車いすをビニール袋にいれて保護するまでは必要ないが、丁寧に扱って欲しい。

ちなみに、EUでは格安航空会社の、歩けない人の搭乗人数制限や対応が問題となったことがある。現在は、もちろん搭乗拒否はできないし、人数制限もなくなった。いまだ日本は拒否や人数制限が存在するのとは違い、進歩しています。

バリアフリーの意識も浸透が進み、バスはノンステップ。2階建てバスも段差なしで嬉しい。ちなみに電車は、2段の段差。欧州大陸と違ってホームが底上げされているのでギャップは小さい。

市内には新しいLRT(低床トラム)も走っていた。欧州各都市で急速にトラムが復活しているが、ダブリンにも走っているとは、驚き。 UDにバンザイ!

歩道のカーブカット(段差解消)が完璧にスムーズ(完全ゼロ)なのが多かった。車いすの私は快適に動けた街。振動もなく気持ちがいい。日本だと縁石があり1センチの段がある。

8月末の訪問。既に秋の気配か。夏と思ったら寒かった。気温が20度以下。タートルネックにウィンドブレーカーを装備。やっぱり天候はよくない。どんよりとした雲。イギリスやアイルランドの気候ですね。

アイルランドといえばパブ。テンプルバーにある賑やかな店。

街を東から西へと横断するように歩いて観光。派手さのない重厚な教会。

  

歩いて、歩いて、やっとこそ目当てのギネスビール博物館に到着。入場料は、14ユーロ!(2400円)! 見ごたえ充分、バリアフリー完璧なのだが、ユーロは高いよ。最上階の展望室で、1杯無料で飲める工場直営のギネスビールは、イマイチ。期待が強かったせいもあるが、パブで飲む、ぬるい泡のギネスの方が美味しいとの印象。 

ユーロ高。とりわけ食事に困った。あまり美味しくないのに、軽く2000円は超えてしまう。サンドウィッチも、5ユーロとか。 1ユーロ=100円なら、いいのだけれど。 日本円の弱さを痛感。アイルランドの2006年1人当たり国民総生産(GDP)は、5万1421ドルで、世界4位。落ちぶれた日本は、3万4252ドルと世界18位に。ユーロ高の影響もありますが、あまりの差。日本よりずっと給料がいいんですね。そりゃ物価も高いはずです。

経済絶好調のアイルランド。ロンドンのように多くの人種であふれる街。活気があった。中国、韓国、ベトナム、アフリカ、ムスリム、インド・パキスタン、東欧、移民は20%以上いた印象。かつて移民を送り出していた国が、いまや移民を受け入れる側とは、時代の変化。

経済成功の背景として、積極的な外資誘致と大量の外国人労働者の受け入れが上げられる。外国人比率は調べると、14%とのこと。 私がダブリンで抱いた20%の印象は的を得ていた。ライアンエアーの影響もあるのだろうか、ポーランドなど東欧からの流入が多いらしい。

90年代に同国初の女性大統領となった、メアリー・ロビンソン氏は、日経新聞の取材にこう応えている。「異なる言語や文化背景を持つ移民は、社会に多様性とエネルギーをもたらす」「グローバル化は21世紀の国家のあり方を規定する現象で、移民は人間の顔をしたグローバル化である」「グローバル化を進めるには共通の価値観が必要だ。『倫理的』とは、多くの宗教に共通して存在するもの。つまり人権重視だ。倫理を欠き、最貧国の人々を置き去りにしたグローバル化は抵抗に遭う」。

貧しいイメージのあったアイルランドが、日本より経済的に豊かになっていることに衝撃を受けた。


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