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イギリス、ベルギー、オランダ (2)

2012/06

足で歩かないと飛行機に乗れない / シティジェット


本当の搭乗拒否

オリエンテーリングの世界大会を終え、小さなダンディ空港から、ロンドン中心部のシティ空港へ飛ぶことにした。エジンバラへの移動は面倒だし、お金もかかる。ロンドンのヒースローやガトウィック空港も遠いから。宿舎からダンディ空港は1キロで、歩いていける距離。小さな飛行機を使うニッチな路線。32人乗りの小さな飛行機。機体から階段が出てきて乗ることになり、設備がないだろうから、階段を自分で這って乗降すればいいと考えていた。

午後2時の出発。ゆっくり宿舎を出発して、空港近くにある植物園を見学。小さいながらも流石にガーデニングの国。素晴らしい庭園。併設のカフェで、温かいコーヒーもいただく。

歩いて空港に到着。とても小さく。1日に2〜3便しか飛んでいない。運行は「シティ・ジェット」。エールフランス系の会社。チェックインの時、希望として、ドアに近い席に座らせて欲しいとお願いした。

優先搭乗で最初に案内された。滑走路を歩き飛行機へ。案の定、搭乗スロープや昇降機はないため、階段にに座り、一段ずつお尻を上げていく。

客室乗務員が怪訝そうな顔をする。「あなたは乗せられない」「歩けない人はダメ」と言う。なんなんだそれ。困った。手で歩くからいいだろと主張するが、「安全上の理由でダメだ」の一点張り。同行者3名いるから大丈夫だろうとも思うが、単独歩行が条件らしい。

自分で乗り下りするんだから問題ないだろう。乗務員の言葉を無視して、後ろの座席まで一人で移動した。座席に座っていても、乗務員は私を乗せられない。降りてくださいと説得する。冷たい顔をして。

ロンドンのシティ空港では、日本から途中合流する2名と待ち合わせをしていた。私がロンドンに飛べないのは困る。今回だけは勘弁してくれと頭を下げたが、ダメ。融通がまったく利かない。議論しても仕方ない。また這って階段を降りて、外へ出た。客室乗務員は一切、私の体に触れなかった。

この路線はニッチなもの。他の空港で代替は可能だが、これしか路線がないなら問題だ。例えば日本なら沖縄の離島とかの路線。同じような飛行機が飛んでいる。安全上を理由にするなら、言葉が分からない人、妊婦とか、高齢者、子どもはどうなる?手伝いができないというのは分かる。自分で勝手に乗って、降りるのに何が悪い?空港には車いすトイレがあったが、意味ないじゃん。歩けない人は乗せられない飛行機しか飛ばないんだから。

同行の3名はそのまま乗って、ロンドンに行ってもらおうかとも考えたがが辞めた。一緒の行動がいい。すぐにエジンバラから、ヒースローやガトウィックに飛べば、日本からの待ち合わせに間に合わないことはない。しかし、係員はすぐに別の航空券を手配してくれなかった。

翌日にエジンバラから飛べと言われるが、何としても今日中に移動したい。しかし、日曜の午後。ロンドンに戻る人でどの便も満席で代替便を手配できないらしい。困った。どうせ今日の宿代も出してくれないだろう。ロンドンの予約したホテルも無駄になる。

機転を利かし、アバディーン(別の都市)からはないのか、自腹でもいいと提案したら、ようやく見つけてくれた。11年前に、アバディーン空港を利用したことがあり、格安航空LCCなどもたくさん飛んでいた。それでも職員のとろいこと。代替の航空券を貰うのに、1時間20分も待った。貴重な時間を浪費した。

アバディーンからの英国航空の航空券は変更として貰えたが、空港への移動は自腹。支払ってくれない。110キロの距離も飛行場との契約でタクシーは100ポンド(1万3000円)と、高くないのは救い。ただ1人だったら高い。4名いるからいいけど。ちなみに英国のタクシー。車いすのまま乗ることが出来る。そのタイプがほとんど。快適でした。

アバディーン空港に到着。ダンディーから90分。飛行機の出発時間にも何とか間に合った。

この20年間、世界中の飛行場、飛行機を利用してきたが、初めての搭乗拒否。設備のない所も多かったが、工夫次第で乗ることができる。本当に乗れなかったことは、今回が初めて。自分で乗りこんでいるのに有り得ない。これがパラリンピックを開く国なのか。歩けない(障害)を理由に、飛行機に乗れないなんて。完全なる差別

ロンドンのホテルに着いたのは、22時。ヒースロー空港からホテルへもタクシーに乗った。どれも横からスロープが出てくる車いすでそのまま乗れるタクシーばかり。これは最高。といっても故障しているとかで、車いすはちょっと乗れないというタクシーも多いです。

ところで、ロンドンで合流する女性2名は、自力でホテルに着いていた。最悪の事態に備え、空港で私が迎えに来ていない場合は、タクシーでホテルへ移動してねと伝えていた。携帯電話も持っていないし、連絡もできなかったので、不安だったと思うが、対応してくれて有難い。

予約していたホテルのフロントには、ダンディー空港から電話で連絡していた。日本人女性2名来たらヨロシク、先に部屋に案内しておいてくださいと、伝言していた。空港に迎えにいけず本当にごめんなさい。合流できてホッとしました。


私が搭乗拒否にあった2カ月後に開催のロンドン・パラリンピック。現地の新聞によると、パラリンピックの放送時間が、20年間で100倍になったと報道されていた。社会の変化。

  1992年 バルセロナ パラリンピック  1.5 時間
  2012年 ロンドン   パラリンピック  150 時間

注目もわかるのですが、飛行機の搭乗拒否(単独歩行できない人は乗れない)をしていることは矛盾する。説得力ないなあ。やっぱり英国はバリアフリーが良いとは感じない。設備は随分とよくなったけど。障害者を特別視する部分があり、目に見えない壁を感じる。日本の方がバリアフリーや社会統合は進んでいると個人的に思う。


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