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米国留学 報告書
(13
 
2002/09 - 2003/08

Gallaudet University in Washington DC
 
ギャローデット大学


聴覚に障害のある人のための総合大学

米国の首都ワシントンDCに、聴覚に障害のある人(ろう者や難聴者など)大学、ギャローデット大学があります。大学では、先生も、職員も、警備員も、ASL(米国手話)を使います。ここでは、ASLが共通言語です。手話通訳者も必要ない。コミニケーションに不自由することなく、学問的追及が可能な環境があります。その歴史は、1864年にまで、さかのぼります。

ギャローデットの学生数は、約3000人。学部生はろう者や難聴者に限られていますが、現在、大学院には健聴者も勉強しています。ろう者コミュニケーション、教育を学ぶために、耳の障害関係なくギャローデットに勉強しにきています。もちろん、コミュニケーション手段はASLなので、ASLを使えることが大前提となります。

ギャローデットの大学院では、「ろう」に焦点をあてた教員養成、教育学、行政関係、通訳、社会福祉、心理学、言語学、などの専攻があります。また、世界でも最も多く、ろうに関する資料がそろってることでも有名です。大学図書館の地下一階資料室は壮観の一言。

ギャローデットは、米国以外の国のろう者にとっては、憧れでもあります。

大学の予算の70%は、国の補助で成り立っています。政府からの援助を受けている影響からか、留学生の比率は、15%以下に抑えられています。実際の外国人留学生比率は、10%を超えており、キャンパスでは世界各国の言葉や、手話が飛び交い、自分達の国の文化、ろう文化、経験を、共通言語のASLを通して交換しています。

ギャローデットへの入学には、数学と英語が必須になります。英語ができれば問題ないとのこと。数学は日本の中学生レベル。入学は難しくありません。日本の筑波技術短期大(世界で3番目の聴覚障害者向けの大学)も、偏差値は高くありません。やはり偏差値的には、世界で同じような傾向があるようです。

ギャローデットの優れているところは、ろうコミュニケーション、ろう教育、ろう心理学。 世界一!
それ以外の工学、法律、ビジネスなどを学びたい優秀な人は、一般の大学に進学していくようです。

ちょうど、私が訪問したときに、大学のカフェテリアで、障害を持つことを気づくフェアが行われてました。就職のこと、生活を手助けする補助技術のこと、字幕キャプション、大学には色んな資源があります。やはり、ここには、聴覚に障害のある人の情報が集まっています。

また、ギャローデット大学には、外国人ろう者向けに、英語、ASL(アメリカ手話)を学ぶ、English Learning Institute  ELI(英語学校)があります。主たる目的は、ギャローデットを含め、大学に入るために必要な英語力、ASLを身につけることです。プログラム修了後、ギャローデット大学をはじめとする大学に多くの生徒が進学しています。

現在ESIには、24名の留学生がいます。また、サマープログラム(夏期講座)も行われてます。ASLを学ぶには、他の大学や、手話学校でも可能ですが、やはりギャローデットが最も環境がいいとのことです。世界中から学生が集まり、世界中のろう者と国際交流ができる場でもあります。

ASLは、ろう者の共通言語として世界で少しずつ普及しつつあるようです。最も、その国の手話が確立していない国も多くありますが、国際コミュニケーション手段としてのASLと、ろう者文化を広めるのが、ギャローデットの国際的な目的の一つだとも感じました。

政府の保護を受けているギャローデットとはいえ、外国人が一般的に米国で何年間も留学するときには、費用が大変です。ギャローデットも、政府の交換留学も欧州からはあるようですが、南米やアラブからなど、基本的に世界のお金持ちの子女が勉強しにきます。自国での環境が悪いというのが一番の理由です。日本を除くアジアと、南米の留学生の多くは、仕事をみつけ、そのまま米国に住むつもりの覚悟です。欧州やアラブの留学生は帰国して、教職や行政関係の仕事に戻ることが多いようです。

今まで、ELIで学んだ、日本人は約30名。ギャローデット大学を卒業した日本人は6名。他国の学生に見られず、日本人学生だけの特徴として、ELIだけで、大学には進学せずに、帰国する人が多いことが挙げられます。1年間の語学留学に行くような感覚で、ELIに学びにきている方が多いようです。ASLを覚えて米国人と交流がしたい、1年の滞在費なら自分で支払えることが理由にもなっています。一方で米国に移住するまでの覚悟や、何年間も留学するお金は日本人学生にはないようです。



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