歩けない人は乗せれません! 2回目
~ バニラ航空 奄美路線での出来事 ~
2017年6月3日(土) バニラ航空、関空-奄美 チェックインカウンター。階段の搭乗タラップの写真を見せられ、歩けますか?と聞かれ、歩けませんと返答したら「乗れません」の一言。 昇降車などの設備がないのは理解できるが、担いだりのお手伝いはないみたい。同行者が5人いるので「同行者の手伝いのもと乗降する」というので説得して搭乗しました。奄美空港では、同行者が私の車いすを取りにいき、3人の同行者に車いすを担いでもらって階段を降りました。 完全バリアフリーの清水ヴィラに滞在し、美しい海での最高の思い出を胸に、帰路へ。2日後の奄美空港。チェックインカウンターで空港の車いすに乗り替えて欲しいと言われる。設備はないのはわかっているので、同行者に階段を担いでもらうのには自分の車いすが簡単。できるなら自分のを使いたいと返答。すると15分ぐらい待たされて、ようやく回答が。往路に車いすを担いで降りたのは違反とのこと。 飛行機に乗れないのは翌日の仕事にも差し支えるし、非常に困る。なんとか飛行機に乗らないといけない。「同行者のお手伝いのもと、階段昇降をできるなら」という条件で、ようやく搭乗が認められる。 同行者は私の足首をもってお手伝い。途中でキャビン・アテンダントが手伝うと駆け下りてきた。機内には折りたたみの小さい機内用車いすが有り。飛行機のドアの前でそれに乗り移る。その機内用車いすで座席へと移動して、なんとか大阪へ戻ることができました。 まさか、「歩けないことを理由に飛行機に乗れない」とは思っていませんでした。15年前に、ANAで搭乗を拒否され揉めたときですら、単独利用のみNGで、介護者がいればOKでしたから。障害者差別禁止法が施行されている、東京オリパラに向けてバリアフリー化を推進しようとする動きの中で、合理的配慮も何もない、こんなことがあることに驚きを隠せません。 今後のために、奄美空港の責任者に確認しました。「歩けない人単独は完全NG」。「車いすを担ぐのはNG」。「同行者のお手伝いのもと、階段昇降をできるならOK」とのこと。 このルールが認められていいんでしょうか? 周りに聞いてみると、私の知る限り、過去3名の車いす利用者が空港で搭乗拒否されています。JAL便(成田から羽田へ移動しないといけない)への変更を余儀なくされた。奄美からの帰りに乗せてもらえず鹿児島経由に買い替えた。行くのを諦めた。他に電話問い合わせをして、無下に断られたなどの泣き寝入りの事例が多数あると推測されます。 ご存知のように、私は、車いすで世界158国を訪問。200以上の空港を利用してきました(2017年6月現在)。搭乗ブリッジ、昇降車、車いす、など設備が何もないアフリカの国や、太平洋の離島、アジアの僻地などでも、誰かがお手伝いしてくれました。設備がないなら、できる範囲でお手伝い、配慮してくれたらいいのに。それすら全くなく、さらに自分達で乗るのも認めないのは、ひどいです。職員がお手伝いしてくれないことがある中国でも、流石に乗ってはいけないは言われたことはありません。バニラエアの奄美空港は人権侵害です。 ちなみに、奄美空港には、JALが小型機で鹿児島線を運行しています。こちらも階段のみですが、歩けない人でも乗れます。担ぐかお手伝いしているようです。同じ空港でも、バニラ航空だけが乗れないのが不思議です。利用者も混乱です。少なくとも、航空券の購入のとき、「この飛行機は階段昇降が出来ない人は乗れません」と書いてくれれば、余計なもめ事はなくなるのに。その記載が差別かは別として。 バニラ航空のホームページを見てみます。 設備がないことを理由にしていますが、就航して1年以上もたっている。個人経営の福祉タクシーでも、階段昇降のできる車いすを所有したりしています。(下左写真)団地などエレベーターのないところで、倒れた高齢者を病院や施設に連れていくときに必要だからです。バニラ航空の規定に合わすなら、歩行ができない人々を家から出すこともできません。。。 ノルウェーで飛行機に乗ったときは、これまた階段昇降のできる車いすでした(下右写真)。
このバニラ航空の規定がまかり通るなら、飲食店やビル、施設、住居でも、階段のあるところでは、車いすを担いで入るのは危ないからダメになります。お店の人が担ぐのではありません、自分達で担いででもダメというのですから、困ったものです。有りえない。 バニラ航空は、格安航空LCCで、とても値段が安いのは、素晴らしいと思いますが、一方で面倒な客を乗せない。 他者の感想 自分の友人や家族がこんな扱い受けたら…客として乗り合わせていて、こんな現場見たら悲しくなるよね… っていう想像力が働かないんですかね。 目の前にいる人の問題を解決するのが、商いにおいて大事なはずだし、そもそも困っている人を助けるという雰囲気があるのは、誰にとってもハッピーだし、長い目でみれば自分にも間接的に返ってくることじゃないの。 ってことは、エアポケットや乱気流で怪我人が出たら、自力で降りられる人だけ救助すんのかよ。 どこかにLCCだからコスト削減が第一主義なんだという歪曲化された解釈が起こした勘違いの最たる結果だと思う。プラス地方空港の早急なバリアフリー化も併せて行って欲しいと思う。 コスト削減するからモラル低下は話が違うよね。不必要、過剰なサービスを減らすのが正しい姿だわ。 今回の話の肝は、「権利」の問題ですよね。這って上がろうが、逆さになろうが、片足でけんけんしながら上がろうが、それぞれできる方法で乗ればいい。その上がる方法や権利まで奪う資格は誰にもない。空港や航空会社が、設備を用意するかどうかは、別問題なんですよ ・・・ 自分のことを「お手伝いが必要なお客様」だとは思っていない「ちょっと膝が痛いおばあちゃん」なんかが、この件の一番の受益者かもしれません。東京近郊の鉄道駅にエレベーターが普及したのは21世紀になってからのことで、それ以前は「車椅子をご利用の場合はできるだけ事前にご連絡ください」と言われていました。エレベーターが設置されたおかげで車椅子を利用する人はもちろん 一番の解決方法は、ボーディングランプの導入です。日本でも小型機の対応で増えてますが、大型機でも可能。購入費用はかかるけど、誰もが使える設備。電気もないので、メンテナンスも簡単です。 英国総領事館よりメールがきました。 昨年よりAviramp社というバリアフリータラップの専業メーカーをサポートしており、添付の同社機材は今年に入り鹿児島空港に配備されました。ただ、全国全ての空港にこのようなバリアフリーのタラップが配備される状況には程遠いようです。より多くの日本の空港にAvirampのタラップが配備され、利便性向上に少しでも寄与することが出来ればという思いでご連絡させて頂いた次第です。 この道具(下写真)が配備されると、昇降機や担ぐなども必要なくなり簡単な解決方法です。 よく知るインドの団体が異議申し立てをして、導入されることになった搭乗スロープ。設置にそんなにお金がかかるものでもなく、運用も簡単です。世界中で広まっているのに、日本は導入が遅れてます。 意義申し立てによる解決 まず、障害者差別禁止法に基づく、異議申し立て(相談)をしました。鹿児島県障害福祉課(障害者権利擁護センター)、大阪府福祉室障がい福祉企画課に電話。国土交通省、新聞社、テレビ局などにも報告。取材も受けました。 結果、バニラ航空は、今回の不手際を認め、早急に改善をしてくれました。1週間で対応。全てのお客さんに利用していただきたいと報告を受けました。ホームページでの記載も変更。6月14日から、きっちり対応しているとのことです。事前連絡が面倒ですけど。 奄美空港施設要件に伴い、奄美空港出発/到着時にターミナルに接続されている搭乗橋をご利用いただけない場合がございます。その際には、アシストストレッチャー(階段昇降器)をご利用いただいての階段昇降となります。事前の確認事項がございますので予約センターまでお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。 ・・・ 鹿児島県と大阪府の担当者は、互いに連携して、きっちり対応してくれました。障害者差別禁止法の違反と、その改善例として、今回の事例は参考になると思います。 ちなみに、2017年11月に、奄美空港では、2本目の搭乗ブリッジが完成予定。そうなれば、階段昇降の必要はなくなり、より簡単に乗ることができそうです。 朝日新聞の記事 反響 問題解決から2週間後、6月28日(水)朝日新聞の記事になり、ヤフートップニュースにもなり、炎上しました。テレビ局などにも多くとりあげられていますが、苦言や批判、誹謗中傷のメールや電話もたくさんあります。 その中で気になるもの。 「事前連絡しないのが悪い」 そもそも気づいてませんでした。航空券をネットでポチっと購入しただけ。いちいち他のページ見ますか? 事前連絡が義務ではないし、気にしていない。車いすだから利用制限をされるとは思っていないからです。英語やスペイン語、アラビア語、他の言語だったら、さらに気づくのは難しいです。 「車椅子利用の事前連絡を故意に怠っていたとわかってから」との記事は、誤解を生む書き方です。何かトラブルがあるかも?とは思ってました。でもその時は、同行者が担げばいいや!と気楽に考えていました。「詳しく調べることなく乗った」のは事実です。 事件後に明らかになりましたが、事前連絡したら、まず乗れなかったのですよー。設備がないことを理由に全て断っていたんです。新聞記者の取材でも明らかになっています。実際に何人か断られた方も知っています。そもそも飛行機に乗るのに、大きな手伝いは必要なく、私は事前連絡せずに乗っても問題ないと考えています。事前連絡をすると、ていよく断る、たらい回しになるといった経験は当事者なら多いと思います。 JRや新幹線でも以前は、2日前までに事前連絡しないと乗れない時代がありました。家族の訃報や突然の移動にも、事前連絡がないからという理由で利用できないこともありました。 また、階段を腕ではって上るのは、屈辱的だとは全く思いません。上らされたのではなく勝手に上ったのです。航空会社へのあてつけでも、パフォーマンスでもなく、私ができる階段を昇降する手段です。海外で、都市間移動の際に、高速バスを乗るときなど、座席まではって移動しています。高速バスなどでは、ドアに近い座席に座らせてもらう(移動が楽)配慮はしてもらっています。 ・・・ 参考までに、海外の事例。 キャセイパシフィック航空(香港)には、事前通知はなし。車いす10台以上で旅行する場合だけ、48時間前に連絡してくださいとの記載。キャセイ傘下のLCCの香港エクスプレス(乗る時も下りる時も、ほぼタラップ式)も、数日前ルールはなし。自力か介助者がいれば乗ってよいとの規定。 LCCタイガー航空(シンガポール航空傘下)では、車いす介助料金(35SQ$=2600円)と昇降車利用料金(200SQ$=16,000円)を課金している。そのことで一般客への負担を減らしています。自分の車いすの貨物料金は無し。介助費用の有料は、air
arabia (ドバイのLCC)などで経験したことあります。 ユナイテッド航空(米国)では、事前の連絡を推奨しているけれど、必須ではなし。必須としているのは、かなり特殊な条件に該当する人だけ。酸素マスクとか、電動車いすの分解が必要とか。 |
見ず知らずの人から直接届いたメッセージ(メール、フェイスブック)を、抜粋します。2017年
6月27日(火)~7月1日(土)
今回の出来事に関心を持ち、意見を表明してくださった方々に感謝します。
障害者だけでなく、高齢者や様々な個性や特徴を持つ人々が、
生きやすい世の中について考えたり、議論するキッカケになれば嬉しいです。
批判的メッセージ 128通 人間は動物と異なり、生きたくなければ自殺と言う解決法もあるぞ。オメーの非常識さは想定外(笑) ルール無視してイチャモンつけて、お金をせびるのがお仕事なんですか。いいご身分ですね。私は10年以上、旅行とかしてないですけどね。 飛行機予約で事前相談なく、デモンストレーションの様な行動をされLCCに謝罪させ 貴方はたいして考えなく行動した事が 障害者全員にかかる事を考えた事がありますか! お前が移動するだけでみんな迷惑するんじゃボケ死ね ルールを守らないで、パフォーマンスで強行突破して、飛行機に乗りたいだけ? お金を持ってるのに、わざわざ格安航空会社を使って、わざわざ設備の整ってない奄美空港を狙った。確信犯ですね。恥を知るべき。 あなたは間違っている。世の中全ての人が、障害者に寛容で無ければならない様な傲慢な態度は到底受け入れられない。 クズのクレーム人間。お願いですから地獄に落ちて下さい。 馬鹿野郎。謙虚に生きろ。図に乗るなこの野郎。邪魔、目障り。 お前って身体不自由者の立場を悪用した屑ガイジ野郎だよな 障害者だからって威張るな。障害者はしね。クレーマー 車椅子のくせになまいきなんだよ。 当方、手足が不自由な者です。あなたは非常識で、障害者の盾を不当に扱う、障害者の敵です。あなたはただのクレーマーです。最低ですね。 LCCがなんで安いのか考えてないような行動でうんざりです。障害者のイメージが悪くなるので飛行機乗らないでください。 航空会社が設備不良であったことなどは否定しませんしその通りだとは感じますが、格安航空会社ですよ。設備なんて不良で当たり前です。それでこんな風に会社側だけ責められるのはおかしいです。私はあなたの方が悪質だと考えています。 車椅子で、搭乗時に不自由が生じるなら設備の整った大手航空会社を利用すべきでは、ないのですか。それをあえて、格安を使い、自分は、こんな目にあったっとマスコミに言いふらすのは、不自由を武器に使ってないですか! 今回の朝日新聞の記事で、木島さんの記事を見て航空会社の対応に非常に幻滅してます。なぜあなたに謝罪するのか 非常に怒りを感じる。 今回の件で航空会社は階段昇降機などの設備を用意するようです。その費用は当然チケット代に反映されますよね。迷惑なのでもう旅行に行かないでください。私の家族にあなたみたいな人がいたら、他人様に迷惑をかけないようにと注意します。 航空会社は危険を避ける為にあなたのような方を遠慮していたにも関わらずその航空会社を選んだのは間違いではないかと。他に手段を探そうとは思わなかった時点で貴方は頭にも障害がありますね。笑。 同じ障害者として憤りと怒りを感じております。あなたの今回の行動で障害者に対しての風当たりは大きくなるでしょう。私は飛行機に搭乗する際に必要であれば必ず申告します。航空会社より記載があるのもさながら周りのお客様にも迷惑がかかるからです。あなたの記事は障害者という立場を使った単なるワガママに過ぎません。あなたのような障害者は周りの頑張っている障害者に悪影響を与えるので今後マスコミにでないでいただきたい。 みじめに這う姿、ぜひ拝んで笑ってやりたかったです。障害を棚に上げたクレーマーめ。害悪。世の為人の為に早く死んでください。 |
応援メッセージ 35通 「物言うマイノリティ」がバッシングされる世の中は誰にとっても息苦しく生きづらいものになってしまうという危機感を抱いております。 SNSによる炎上。不確かな情報表現が拡散される事は、非常に悲しいいことです。今後もこういった表現による攻撃は今後、どのように進んでいくのでしょう。スポーツでは、差別的言動をした場合は選手も観客も制裁されています。SNSでも何かしらの手立てが欲しいものです。 飛行機で事前に連絡しないといけないのは当たり前ではなく、健常者が安く、安全にスムーズに旅行が出来るように、障がい者に面倒な手続きをしてもらってるんです。 私には生まれつき筋肉が弱く車椅子で生活している妹がいます。なので、今の日本がどれだけ不便か、障害者に冷たいか、いつも痛感しています。 なぜ、車椅子を利用している人だけが、事前に通知しないといけないのか?そこに差別があるのだ、ということに日本人には気づいて欲しいものですね。 誰かが問題を提起しないと、いつまでも間違ったことは変わらないと思います。応援しています。負けないで頑張ってください! 特別な介助なしに飛行機に乗れる人を搭乗拒否したり、事前連絡義務を課すのは問題です。こんなことがまかり通ったら、高齢者や幼児も搭乗拒否できるのかという話になります。 私は海外で暮らしたことがあるので、海外の人々のホスピタリティの篤さはよく知っています。日本人も優しくホスピタリティもある人達が多いですが、今回、どういうわけだかバッシングをされていると知り、目を疑う思いでした。 私はどう考えても、今回の件は、サービス業者としては信じられないような判断をしたバニラ・エアの落ち度だと思っています。おっしゃる通り、差別的だし、何より「歩けない人間は搭乗しないでくれ」なんて、あり得ない。 偏狭な考え方を持つ人がなんとこの国には多いのか。私は憤りとともに、非常に失望いたしました。でも、木島さんのことを応援される人も、木島さんがおっしゃることを理解できる人も、日本にはたくさんいるはずです。 事前報告するのも本当に面倒で嫌ですね。聴覚障害者でも、コテージを予約する時に、全員が聴覚障害者である場合、火災など起きた時に対応が出来ないと言う事で宿泊拒否されたことがありました。その為、キャンプ、ホテルなど予約時は出来るだけ健常者の父母がいれば、聴覚障害者が行く事は伏せて予約の電話を頼むかメールやネットホムペで予約をし、当日聴覚障害者である事を初めて知らせる方法にしています。当日行けば、その場では拒否されることはなく、筆談で応じて頂けています。 今健常者の人たち、もし交通事故や病気で障害者になってしまった場合、色々困ったことがあっても黙って我慢していられますかって言いたいです。 車椅子利用者(私もそうです)はアッパレ!と思ったことでしょう。日本人にいちばん足りないのは人権意識だと思います。無理解や軽視に負けず、これからも社会に風穴を開けてください。応援しています。 ツイッターのタイムラインでは、どうやら朝日新聞のショッキングな見出しにハレーションを起こした読者が勝手なヒール像を作り上げ、怒りをぶつけているように見えます。機会があればメディアでどんどん生の声を伝えてください。そしてその齟齬を修正できるように。何が普通か。いろいろな暮らし方、生き方が、もっと言えば階段の登り方(笑)があるはずで、それはショッキングでもアピールでも何でもない。「普通」の意味を。
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過去何度か利用したことのある航空会社だが、そんなことを言われたのは初めて。ルールが変わった、厳格化した、担当者が柔軟でない、理由はあろうが、何だか寂しい流れ。拒否するなら、理由を書いて文書にしてくださいと頼む。バニラ航空で炎上したけど、また問題にしないといけないのか? と頭が痛い。 大連に行けないのは非常に困る。向こうでも私の到着を待っている中国のビジネスパートナーがいる。とりあえず、翌日の便は乗せて欲しいと頼む。48時間以内じゃないけど、それぐらいしてよと。あるいは代替の航空券を用意して欲しいと。「機内用の車いすが用意していないから」が理由らしいが、あれば嬉しいけど、別になくてもいい。昔は、そんなのなかったし、空港にすら車いすがない時代もあった。でも、もちろん飛行機に乗っていた。 飛行機出発30分前になって、ちゃぶ台がひっくり返り、乗れることになった。社内でも相当に揉めたようだ。機内用の車いすは必要なしとのサインをして、搭乗が認められた。 2日後、中国国際航空からメールが届く。復路便で機内用車いすを用意したから安心してください!とのこと。でも、実際は何も積まれてませんでした。空港の機内用車いすを使うだけ。事前連絡の意味なし。それが現実。機内用の車いす。安価で小さく折りたためるもの。他の航空会社のように最初から積んでおいて欲しい。 関空に帰ってきたとき、上司であろう職員さんがいたので、「事前連絡がないことを理由に搭乗拒否するのは国際的には差別に当たると思う」。「特別な準備が必要ではない限り、柔軟に対応して欲しい」とお願いした。 バニラ航空の騒動で、事前連絡をしないことを叩かれましたが、その直後に搭乗拒否されかけたのはビックリ。次回の中国国際航空を利用するときには、流石の私も事前連絡をしようと、HPを確認したら、「医師の診断書の提出」が義務とのこと。時間もお金も手間もかかる。大変だなあ。。。 別件で、中国南方航空に乗ろうかと思い、車いす搭乗を確認すると、事前連絡をしてくれとの記載あり。でも日本の連絡先はなし。やっと日本支社の電話番号を見つけて電話すると関空に電話してくださいと。飛行機に乗るだけなのに、連絡先を調べて、電話して、病院にいって診断書(5000円)作って航空会社に提出。かなり面倒です。ハードルが高い。実質の門前払いと勘ぐってしまう。医療機器を運んだり、座位姿勢が保てないとか特別な配慮を頼むわけでもないのに。 ・・・ 8月末。10月のドバイ国際会議に出席した後、スーダンを訪問することにした。インターネットで安い航空券を購入。すると、車いすの人(お手伝い必要な人)はクリックしてとのボタン。押す。数時間後、お客様の身体状況を詳しく伝えて欲しいとメールが来る。そのリクエストが確認できない限り、航空券の発券はできないとのこと。しかし、状況を伝えるべく、返信するメールアドレスは無し。電話番号も無し。どこにどうやってするの? 予約サイトの本社は英国みたい。英国に英語で電話しなきゃならんのか? クレジットカードは決済が既に完了しており、口座からお金は落ちていた。でも、航空券は無し。 3日経過しても動きがないので、クレジットカード会社に電話。取引のキャンセルを希望するが、一度決済されたものは、その取引先と交渉するしかないとのこと。あらら。 e-dreams という初めて利用する予約サイトだった。日本にもテレホンセンターがあった。長い待ち時間を経て、電話がつながった。やる気のない日本語が完璧でない外国人との会話。お客様への対応ができないので、今朝イギリスで、返金手続きが完了していますとのこと。 車いすと事前連絡をしたら、乗れないというわけ。なら決済するなよと。最初から、買えないようにして欲しい。でも障害を理由に航空券を買えないと、明らかな差別になるから、遠回しに乗れないようなシステムだった。 エリトリアという国も訪問予定で、別の予約サイトから航空券を購入していた。スーダンと同じ fly Dubai という航空う会社だが、こちらのサイトでは、事前連絡の記載なし。海外での航空券の場合、事前連絡しようにもできない。仮に事前連絡がないと乗れないというのなら、体調不良、ケガ、乳幼児が複数いる、高齢者などで、当日ヘルプを頼む人に対しても、事前連絡がないからと搭乗を拒否や、医師の診断書の提出を求めて欲しいものです。だとすれば、とても息苦しい世の中だと思います。 リンク: フライドバイでの搭乗拒否とその対応 ・・・・・ 国土交通ホットラインステーションへ、問い合わせをしたら、真摯な回答が返ってきました。 先日頂戴しておりました車椅子の事前連絡に関するご質問について、中国国際航空に事実関係の確認を致しました。中国国際航空としては、事前連絡が無かったことが搭乗をお断りする理由なのではなく、事前連絡が無いと「安全が確保できない為」ご搭乗をお断りする判断もしなければならない事がある。そのことをご理解いただけるよう真摯に業務を行っていきたい、とのことでした。 車いすのご利用については、お客様より中国国際航空あて事前連絡のうえ、安全が確保できる状態であることが前提である旨、運送約款・サービスガイド・ホームページでそれぞれ提示しているところです。また、本件8/16の関西国際空港での出来事に関しては、上記のことを踏まえたうえで出来る限りのお客様への協力が出来るように市内支店及び空港所長とも相談をし、当日のご搭乗をお受けさせて頂いた、ということが先方の認識です。 上記のように、運送約款上は、事前連絡がない場合安全上の理由から搭乗をお断りせざるを得ないことがあるようです。航空局としては、中国国際航空に対し、安全上の理由により搭乗できない場合があることも含め、事前連絡に関する自社ルールをお客様にきちんとご理解いただけるような説明をするよう申し入れてお ります。 (私の返信) ご対応と、ご回答、誠にありがとうございます。国土交通省から問い合わせが航空会社にいくだけで、先方も考えるキッカケになるので、大変ありがたいです。 安全上の理由ですが、それを理由にホテルの宿泊を断られたことがあります。一人暮らしをするのに、安全上の理由で家を貸してくれなかったことがあります。東京ディズニーランド、USJも安全上の理由で幾つかアトラクションが乗れません。でも、米国や香港では全部のアトラクションに乗れました。同じ設備でも、運用次第で対応が違います。飛行機も同じですね。全く同じ機体、空港、設備なのに。心の問題かなと個人的には感じています。 かつてシンガポールでは、安全上の理由で、 車いすでの地下鉄利用が禁止でした。そのルールも今やなくなり、全駅完全バリアフリーで、段差も隙間もなく日本より使いやすいように変化しました。 ベビーカーの電車バスの利用も、昔は安全上の理由でアウトでした。女性が通勤電車に乗るのも安全上の理由でアウトでしたが、今は皆が使えてハッピーだと思います。少しでも理解が進み、利用できるようになってほしいものです。 騒動のその後 : 「当事者がふりかえるバニラエア騒動」 2018年1月、雑誌に寄稿した記事を、添付します。こちらもご参照ください。
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