旅グルメ レジャー情報 搭乗拒否問題 リンク集 問い合わせ

Travel for All トップページ

旅コラム バリアフリー安宿情報 世界のバリアフリー事情 世界のカミキリ コカ・コーラ 旅のランキング

 
歩けない人は乗せれません! 2回目

~ バニラ航空 奄美路線での出来事 ~

 
2002年 全日空での事例はこちら


2017年6月3日(土) バニラ航空、関空-奄美 チェックインカウンター。
階段の搭乗タラップの写真を見せられ、歩けますか?と聞かれ、歩けませんと返答したら「乗れません」の一言。

昇降車などの設備がないのは理解できるが、担いだりのお手伝いはないみたい。
同行者が5人いるので「同行者の手伝いのもと乗降する」というので説得して搭乗しました。
奄美空港では、同行者が私の車いすを取りにいき、3人の同行者に車いすを担いでもらって階段を降りました。

完全バリアフリーの清水ヴィラに滞在し、美しい海での最高の思い出を胸に、帰路へ。
2日後の奄美空港。チェックインカウンターで空港の車いすに乗り替えて欲しいと言われる。

設備はないのはわかっているので、同行者に階段を担いでもらうのには自分の車いすが簡単。
できるなら自分のを使いたいと返答。すると15分ぐらい待たされて、ようやく回答が。
往路に車いすを担いで降りたのは違反とのこと。

飛行機に乗れないのは翌日の仕事にも差し支えるし、非常に困る。なんとか飛行機に乗らないといけない。
「同行者のお手伝いのもと、階段昇降をできるなら」という条件で、ようやく搭乗が認められる。

搭乗タラップの前、同行者が車いすを持ちあげて乗ろうとしたら、ダメ!と静止。
仕方ないので、階段に座って、一段一段、這って登ろうとすると、それもダメだと言ってくる。
無視して上っていくしかない。でないと大阪へ戻れない。

同行者は私の足首をもってお手伝い。途中でキャビン・アテンダントが手伝うと駆け下りてきた。
機内には折りたたみの小さい機内用車いすが有り。飛行機のドアの前でそれに乗り移る。
その機内用車いすで座席へと移動して、なんとか大阪へ戻ることができました。

まさか、「歩けないことを理由に飛行機に乗れない」とは思っていませんでした。
15年前に、ANAで搭乗を拒否され揉めたときですら、単独利用のみNGで、介護者がいればOKでしたから。

障害者差別禁止法が施行されている、東京オリパラに向けてバリアフリー化を推進しようとする動きの中で、
合理的配慮も何もない、こんなことがあることに驚きを隠せません。

今後のために、奄美空港の責任者に確認しました。
「歩けない人単独は完全NG」。「車いすを担ぐのはNG」。
「同行者のお手伝いのもと、階段昇降をできるならOK」とのこと。 このルールが認められていいんでしょうか?

周りに聞いてみると、私の知る限り、過去3名の車いす利用者が空港で搭乗拒否されています。
JAL便(成田から羽田へ移動しないといけない)への変更を余儀なくされた。
奄美からの帰りに乗せてもらえず鹿児島経由に買い替えた。行くのを諦めた。
他に電話問い合わせをして、無下に断られたなどの泣き寝入りの事例が多数あると推測されます。

ご存知のように、私は、車いすで世界158国を訪問。200以上の空港を利用してきました(2017年6月現在)。
搭乗ブリッジ、昇降車、車いす、など設備が何もないアフリカの国や、太平洋の離島、アジアの僻地などでも、
誰かがお手伝いしてくれました。設備がないなら、できる範囲でお手伝い、配慮してくれたらいいのに。
それすら全くなく、さらに自分達で乗るのも認めないのは、ひどいです。

職員がお手伝いしてくれないことがある中国でも、流石に乗ってはいけないは言われたことはありません。
バニラエアの奄美空港は人権侵害です。

ちなみに、奄美空港には、JALが小型機で鹿児島線を運行しています。
こちらも階段のみですが、歩けない人でも乗れます。担ぐかお手伝いしているようです。

同じ空港でも、バニラ航空だけが乗れないのが不思議です。利用者も混乱です。
少なくとも、航空券の購入のとき、「この飛行機は階段昇降が出来ない人は乗れません」と書いてくれれば、
余計なもめ事はなくなるのに。その記載が差別かは別として。

・・・・・

バニラ航空のホームページを見てみます。 

奄美空港施設要件にともない、おからだが不自由なお客様/車椅子ご希望のお客様の安全確保およびSTEP利用時の不意の事故を未然に防ぐために、お客様ご自身またはお連れのお客様の補助を得てSTEPを昇降いただけるかの事前確認が必要となります。


上記記載によると、奄美空港だけが問題のようです。
成田、那覇、ハワイなど、階段だけの搭乗タラップの路線は他にも多数あり、そちらでは問題ないようです。
おそらく昇降車が空港にあり、それを使っているのでしょう。それだけは、ホッとしました。

設備がないことを理由にしていますが、就航して1年以上もたっている。
個人経営の福祉タクシーでも、階段昇降のできる車いすを所有したりしています。(下左写真)
団地などエレベーターのないところで、倒れた高齢者を病院や施設に連れていくときに必要だからです。
バニラ航空の規定に合わすなら、歩行ができない人々を家から出すこともできません。。。
ノルウェーで飛行機に乗ったときは、これまた階段昇降のできる車いすでした(下右写真)。

このバニラ航空の規定がまかり通るなら、飲食店やビル、施設、住居でも、階段のあるところでは、
車いすを担いで入るのは危ないからダメになります。
お店の人が担ぐのではありません、自分達で担いででもダメというのですから、困ったものです。有りえない。

バニラ航空は、格安航空LCCで、とても値段が安いのは、素晴らしいと思いますが、一方で面倒な客を乗せない。
できる範囲で、合理的配慮をするべきです。
歩けないことを理由に搭乗拒否をするのは、障害者差別禁止法に違反します。

国交省、鹿児島県、新聞社などに、この状況を報告しました。
設備をつけろ!とはいいません。できる範囲で配慮をする。搭乗を断るのだけは止めて欲しいです。


他者の感想

自分の友人や家族がこんな扱い受けたら…
客として乗り合わせていて、こんな現場見たら悲しくなるよね… っていう想像力が働かないんですかね。

目の前にいる人の問題を解決するのが、商いにおいて大事なはずだし、
そもそも困っている人を助けるという雰囲気があるのは、誰にとってもハッピーだし、
長い目でみれば自分にも間接的に返ってくることじゃないの。

ってことは、エアポケットや乱気流で怪我人が出たら、自力で降りられる人だけ救助すんのかよ。

どこかにLCCだからコスト削減が第一主義なんだ
という歪曲化された解釈が起こした勘違いの最たる結果だと思う。
プラス地方空港の早急なバリアフリー化も併せて行って欲しいと思う。

コスト削減するからモラル低下は話が違うよね。不必要、過剰なサービスを減らすのが正しい姿だわ。

鹿児島県民として、恥ずかしい。


一番の解決方法は、ボーディングランプの導入です。日本でも小型機の対応で増えてますが、大型機でも可能。
購入費用はかかるけど、誰もが使える設備。電気もないので、メンテナンスも簡単です。


意義申し立てによる解決

まず、障害者差別禁止法に基づく、異議申し立て(相談)をしました。
鹿児島県障害福祉課(障害者権利擁護センター)、大阪府福祉室障がい福祉企画課に電話。
国土交通省、新聞社、テレビ局などにも報告。取材も受けました。

結果、バニラ航空は、今回の不手際を認め、早急に改善をしてくれました。
全てのお客さんに利用していただきたいと報告を受けました。ホームページでの記載も変更。
6月14日から、きっちり対応しているとのことです。事前連絡が面倒ですけど。
https://www.vanilla-air.com/jp/guide/special-assistance

奄美空港施設要件に伴い、奄美空港出発/到着時にターミナルに接続されている搭乗橋をご利用いただけない場合がございます。その際には、アシストストレッチャー(階段昇降器)をご利用いただいての階段昇降となります。事前の確認事項がございますので予約センターまでお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

・・・

鹿児島県と大阪府の担当者は、互いに連携して、きっちり対応してくれました。
障害者差別禁止法の違反と、その
改善例として、今回の事例は参考になると思います。

ちなみに、2017年11月に、奄美空港では、2本目の搭乗ブリッジが完成予定。
そうなれば、階段昇降の必要はなくなり、より簡単に乗ることができそうです。


Travel for All トップページ