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道後温泉

2009年

松山出張の際、仕事仲間と一緒に、ホテルから路面電車に乗って道後温泉へ行きました。電停にはスロープあり。ただし行きの電車は約60センチの段差。ノンステップの車両も走っているそうですが、時間がないので、来た電車に乗ることに。

私の付添人は1名。もう1名の介助が必要なため、車内にいる人に「すいませーん、手を貸していただけますか?」とお願いする。誰も反応しないので、冷たいなあと思っていると、運転手が後ろに駆け寄ってきました。お手伝いしますと、自然に親切に手を貸してくれた。「この車両は設備がないから乗れません」と言わないのが素晴らしい。ちなみに帰りは、ノンステップの新型車両で快適に乗れました。新型車両がドンドン増えて欲しいですね。

駅前のカラクリ時計を通り過ぎ、商店街を抜けると「道後温泉本館」。日本書紀に登場する日本最古の温泉です。明治27年に建築された三層楼の風格ある建物。飲み会の時間が迫っていたので、デジカメで撮影する余裕はなし。下写真は、松山市のホームページから拝借したもの。

付添人が切符を2枚買おうとすると、1枚ですか?と聞き直された。傍らにいる車いすの私は眼中にないようだ。嫌な予感。

入口も2つの段差があった。スロープは無し(横手に段差の小さい入口あり)。車いすを押してもらって入場。靴を脱いで、番台に行くと、「こちらの車いすに乗り換えていただきます」との指示。規則なので従うが、乗り換えた車いすがとんでもない代物。病院にあるような大きな介護者用の車いすは仕方がない。問題なのは、タイヤの空気が抜けていること。まともにこげない。メンテナンスが全くされていないことの証明。いかにも壊れかけ。

男子の脱衣場までは段差なしだが、風呂へは段差がたくさんありました。掘りこみ式の構造。周りのお客さんにも声をかけて車いすを担いでもらう。湯船は小さく、混雑していた。泉質は良いとはいえず、こちらも期待外れ。

日本を代表する温泉。歴史ある建物。無理にバリアフリー設備をつけることはないが、露骨に嫌な態度をとられるのは残念です。