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コロンビア バリアフリー写真

 
トランス・ミレニオ  (2007年 撮影)

コロンビアの首都ボゴタ。人口700万人を超える大都会。
赤道に近いが、標高2650メートルあるため穏やかな天候。新大陸。計画されて作られた街並み。
自転車に乗る人が多く、自転車道がかなり整備され、幅広い道がたくさんある。

ボゴタでは交通渋滞、公共交通の欠如が社会問題であったが、2000年末に「トランス・ミレニオ」と呼ばれるBRTが開業した。
BRTとは、バス・ラピッド・トランジットの略のこと。既存の道路の一部をバス専用レーンにして走るもの。

富山ライトレールの成功で、日本では最近LRT(ライト・レール・トランジット)が注目され始めていますが、
BRTは既存道路にバス専用レーンを設けるだけなので、設備投資が少なく、導入が容易で迅速あることが特徴です。
もし、ディーゼルエンジンではなく、環境配慮されたバスなら、線路の設置が必要なLRTは、もはや出番なしかもしれません。
頻繁にバスが走行しているので、輸送力も地下鉄に全く劣りません。

嬉しいことに、全ての駅(バス停)がバリアフリーでありました。
車いす、ベビーカー、お年寄り、荷物のある人、誰もが駅にアクセス可能。素晴らしい!

バスは低床ではなく通常の高床。でも出入口に段差がなくなるように駅の床面を底上げしている。
出入口に段差がないことは、乗客の乗り降りがスムーズに行える。早くなることで運行本数や所要時間の短縮につながる。

「トランス・ミレニオ」は、大きな道路の一番内側(中央分離帯側)を専用レーンで走ります。
全ての駅は、いわゆる島式になっており、統一デザインの駅(バス停)が道路中央部にあります。
バスなのですが、改札があり、切符を買って入場します。ちゃんと車いすでも通れる入場口も用意されています。

 

コロンビアらしい特徴としては、治安の維持、ゲリラの警戒があげられます。
安全な走行、犯罪防止のため、各駅には、銃を持った警官がいます。
必ず警官がいるので、何か困ったことがあれば彼らが助けてくれます。私も車いすを押してもらったりしました。

バス専用レーンは中心路線では、2車線設けられており、各駅停車ではないので非常に早い運行です。
色んな番号のバスや、路線が組み合わされており、行き先によって乗場が違います。
複数の路線のバスが停車できるように、駅は細長く設計されています。

「トランス・ミレニオ」は、郊外に出ると何車線もの道路の間を走るので、歩道橋を利用して駅にアクセスします。
その歩道橋もバリアフリー設計です。段差のないようにスロープが設置されています。ごく稀にエレベーターもあります。
恐竜の背骨みたいな、スケルトンなシンプルな構造も、コストがかかっておりません。

 

南米のコロンビアで、まさか完全バリアフリーの公共交通が誕生しているとは驚きでした。
調べると、JICAが1995年にマスタープラン作成を手伝っています。日本も関係しているとは。。。

評判はとても良いようで利用者も一日100万人近い人が利用しているとのこと。
しかし、あまりに混雑しすぎてしまうのが最近の問題だとか。確かに混雑していました。バスの定員は200名ほどです。

ボゴタに来る1ヶ月前に、インドネシアの首都ジャカルタを訪問しましたが、そこでもBRTが活躍していました。
名前は 「トランス・ジャカルタ」。 全く同じでビックリしました!

これは、どこかにモデルとなるものがあるのでは? ひょっとしたら南米なのではないかと?と調べましたら、
ブラジルのクリチバがモデルなようです。ライトレール(LRT)は欧州中心ですが、BRTは新しい世界での拡がりです。
クリチバは、チューブ型のバス停で有名です。(バリアフリーといってますが単独では乗降できません)
1996年第2回国連人間居住会議において、「世界一革新的な都市」として表彰を受けています。
クリチバ市は地下鉄を建設する十分な資金がなかったため、地上を走る地下鉄としてのバスを作りました。定員約300名。

ボゴタ「トランス・ミレニオ」の成功も、各地に影響を与えることでしょう。
メキシコシティが2005年にメトロバスを、地下鉄やライトレールの補完として導入しています。
中国の北京でも2006年末にBRTが導入されました。上海、重慶、瀋陽など国内20以上の都市で導入予定だとか。

  参考: 海外LRTニュース・ひろい読み

建設費が格段に安く、設計から完成までも短期間なため、途上国の大都市を中心にBRTは急速に広まるでしょう。
そのときに、バリアフリー設計、ユニバーサルデザインであることを願います。

   
ボゴタのバリアフリー  (2007年 撮影)

病み上がりのため贅沢に4つ星ホテルに滞在したら、バスルームが素晴らしかったです。十分鋭気を養えました。
ユニバーサルデザインの見本となると思います。車いすでもアプローチがとてもしやすい。

ホテルの隣にあった24時間営業のスーパーです。
ちゃんとスロープが設置されていました。諸所でバリアフリーな配慮が見受けられます。

 
車いす対応トイレ  (2007年 撮影)

コロンビアの車いす対応トイレは、いわゆる米国型です。一般のトイレの中にスペースの大きいものが設置されています。
いずれも空港(国内線と国際線)の一般男子トイレの写真です。車いすが中に入れるように扉は外開きです。
もちろん車いす専用ではなく、誰もが利用しています。

 

右上写真のトイレは狭いので、車いすが入ると扉は閉まりません。車いすの手すりも利用しにくいもの。形だけ。
ちなみに使用後の紙は流さず、ゴミ箱に捨てます。 完璧ではありませんが、配慮されていることは嬉しいことです。
中南米では、米国の影響が強いのか、車いす対応トイレのデザインが米国と同じものが多いです。