カスピ海油田のオイルマネーで潤うアゼルバイジャン。旧ソ連の国。宗教はイスラム。バリアフリーは遅れているが、改善しようという取組が見られる。驚いたのは、首都バクー市内に、ロンドンタクシーが多く走っていたこと。お金あるなあ。2015年に欧州ゲームという国際大会の開催地であるため、格好いい街にしたいからというのが理由だと思う。 ロンドンタクシーとは、ロンドンで走っているレトロデザインのタクシーのこと。ユニバーサルデザインとしても有名で、扉からスロープが出てきて、車いすのまま乗降できる。中も広いので、車いすのまま座ったり、ベビーカーが置けたり、大きな荷物がそのまま積むことができる。 美術館に行くのに、乗ってみることにしました。スロープは出してくれるのか心配でしたが、パタンと広げてくれました。ただし短いので道路からだと傾斜が急です。降りるときは、タクシーを歩道に幅寄せをして、歩道にかかるようにしてくれました。
バクー観光の一つ。へイダル・アリエフ文化センター。第3代大統領の名を冠した博物館&美術館です。現代建築が、イスラムの街に強烈な個性を出しています。凄いです。建築は、ザハ・ ハディド。日本でも有名ですね。新国立競技場の設計者。東京五輪のメインスタジアムが成功するのかどうかはわかりませんが、このバクーでの建築は大好きです。圧倒されました。芸術作品として。お金は膨大にかかっているのでしょうけど。 中には、5つの美術館、博物館が入っています。すべてをみると料金が高いです。仕切りはなく、警備員がチケットをチェックするだけなので、一番奥にある展示場を見るのがいいかも。内部を歩けるから。新しい国際的な建築。内部は、もちろん完全バリアフリーです。
トイレも、おしゃれでした。車いす用もきちんとあり。ただし鍵がかかりません。従業員のサボり防止かな。車いすトイレの利用者はかなり少ないと思います。実際に街中でも車いすの人は見ることがありませんから。
歩道の高さが気になりました。開発途上国では一般的にとても高くなる傾向があります。10~15センチとか。カーブカット(段差解消)も行われているのですが、それでも5センチは段差が残っているのに茫然。意味がない。実際、街中では車いすはいません。ベビーカーは豊かになったアゼルバイジャンでは多く見ました。 高齢者のためですかね。きちんと段差解消して欲しいものです。中途半端すぎる。ちなみに日本も2センチとか残ることが多く、欧米の車いすから見るとダメで、危ないと感じる人が多いです。 市民の憩い。30分間のクルーズ。切符を買おうとすると、車いすは無料でいいよと言われました。船着場へは4段の階段。スロープがないから、乗るのもいいかなと思っていると、船員達が寄ってきて、担ぐよと。とても親切です。でも介助されるより、設備があるほうが嬉しいなあ。船への乗り込みもギリギリ車いすが通ったので、押してもらって。
バクーのランドマーク、3本のフレームタワーが見えます。燃える炎(ガス田)。近代建築。発展の象徴。夜にはライトアップされ、壁面をスクリーンとして映像が流れます。 空港も新しくて度胆を抜かれました。近未来風で格好いい。こちらも施設内はバリアフリー完璧。別世界。車いすトイレもあります。鍵をかけることができました。一安心。
トビリシ-バクー 夜行列車 (2014年 撮影) アゼルバイジャンの隣国グルジアの首都トビリシの駅です。道路の横断は地下道のみ。横断歩道がないので車いすには大変です。 駅舎はショッピングセンターも兼ねたビル。ホームへは階段で降ります。エレベーターもありましたが、壊れている模様。
バクーへと向かう夜行列車に乗るためにホームへ移動。ホームの端がスロープになっていました。踏切はありません。通路もホームもガタガタです。
ホームから車両、40センチぐらいの段差があります。各車両に、女性乗務員がいるのえすが(検札、お茶、シーツ配布などのサービス)、「あなた、どうやって乗るの? 乗れないわよ。どうするのよ!」と、彼女は介助を拒否。まあそんなものです。想定内。 駅員もいないので、周りの乗客に声をかけて、担いでもらうことにしました。車両の通路は狭く、幅56センチの車いすはギリギリで通過。2等車のコンパートメントは定員4名。同室の人と話したり、食事をしたりして過ごします。夜は座席に横になり寝ます。 翌朝、バクー駅に到着。ここは終着駅なので、ホームに階段はありません。 |