2011年に開通したエルサレムのLRTです。世界で最も古い街の一つ。街一番のメインストリートを歩行者天国にして、そこにLRTを走らせるというもの。画期的です。LRTは、車いすに、お年寄りに、ベビーカーに、誰にでも優しい公共交通です。
ホームは路上なので、段差なし。エレベーターの設置も必要なし。ホームと車両の隙間も1~2センチとほぼ皆無。高さのギャップももちろん無し。 改札は無いので、自分で切符を買ったり、非接触カードにチャージをしたりして乗ります。頻繁に検札があるため、無賃乗車は厳しく罰せられます。
ユダヤ、キリスト、イスラム3宗教の聖地エルサレム。丘の上にあるため坂道ばかりです。旧市街は、上記3つに加えてアルメニア地区と4つに区切られます。イスラム地区、北側のダマスカス門から、車いす観光客は入るのが良いです。下りの坂道。もちろん各信者の人達は、それぞれ決められた門から入ります。 ダマスカス門。階段なのですが、横にスロープがありました。荷物を運ぶ台車や搬入の自動車が通る場所でもあります。
かなり急な斜面です。旧市街は坂だらけ。古い石畳の階段の端がスロープに。荷物運びや、ベビーカーが通ります。ガタガタで急なので、車いすには相当キツイです。
坂のない場所もありますが、基本は坂道ばかり。そして石畳。 旧市街にある教会の一つ。スロープがありました。有り難い。 階段ばかりの旧市街。狭い道を、荷物運びの電気自動車が走っていました。その自動車が通るためにスロープ有り。車いすは通れませんでした。 キリスト教地区、アルメニア教徒地区。階段が多くて、車いすで通行不可な路地ばかりでした。
イスラム地区から、ユダヤ地区へ。セキュリティチェックを受け、トンネルを抜けると嘆きの壁。ユダヤ教の聖地です。このユダヤ地区が最も低い場所にあります。 嘆きの壁。現地では west wall (西の壁)と呼んでいました。段差なしでアクセス可能。スロープも作られていました。
嘆きの壁は室内にも続いており、かなりの大きさです。祈りをささげる人がたくさんいます。車いすの人もいました。ユダヤ人達は、南側の門から入ってきます。ちょっと上り坂ですが、嘆きの壁のすぐ前までバスやタクシーが来る道路があるため、車いすでもアクセスは容易です。そりゃそうです。聖地ですから、全ての人がアクセスしやすいようになっています。 エルサレムは坂の町。手動車いすで歩くのは、ほぼ不可能。腕力の強い私でも歩き回るのは無理。よって電動車いす(ハンドル型タイプ)に乗っている人を多く見ました。地元民ならそうでしょう。サイズも大きく、一つの乗り物みたいでした。環境が変われば、車いすも変わる、一つの例です。 エルサレムの繁華街。歩道の底上げがされていました。歩行者優先。自動車は減速。
美術館の駐車場。車いす利用者の駐車スペースに、停まっていた自動車は、天井に車いすを積み込むタイプ。リフトで自動に上がっていく装置ですが、こちらはイスラエルの会社の製品。本場で見れてうれしかったです。
階段の多い街ですが、バリアフリーは進んでいるため、スロープも整備されています。看板がかわいかったので撮影しました。 パレスチナ (2013年 撮影) イスラエルの隣国。高い壁に囲まれて隔離されている国。領土、政治、自治、宗教、あらゆる問題が山積。経済的に豊かなイスラエルと、壁を越えたパレスチナの貧困さは、バリアフリーにも見てとれます。ノンステップバスが走るイスラエルと、階段しかないパレスチナのバス(アラブバス)。
パレスチナ側から、イスラエルへ陸路(徒歩)で、国境を超える場合、動物園の出口みたいな鉄格子をくぐります。もちろん車いすNG。通れないのでとっても困ります。兵士に声をかけ、別の入口を開けてもらうしかなし。その交渉や、許可を得るのは大変。別の入口もなく、自動車が通る道まで行かなければいけないことも有り。
通行量が多い国境のゲート。車いすを下りて這って通りました。車いすは分解して、パレスチナ人に運んでもらいました。うーんバリアフル。 パレスチナ最大の観光地は、ベツレヘムにあるキリスト生誕教会。イエス・キリストが生まれた場所に教会が建っています。
その場所は階段の下。教会の警備員が車いすを担ぐよと言ってくれました。2人で狭い階段を車いすを担ぎ下ろしてくれました。そしてキリスト生誕の場所を拝み、触ってきました。心のバリアフリーですね。良かったら寄付をというので、手助けの謝礼代わりに5ドルを渡しました。歴史ある場所。スロープやエレベーターをつけるような改築ができるわけもなく、人での対応が最適。
首都テルアビブ空港 車いすトイレ (2013年 撮影) 空港の車いすトイレ。米国型のゆったりトイレではなく、欧州や日本のような専用トイレでした。ごちゃ混ぜの時もありますが、バリアフリー整備は欧州に寄っています。
ヨルダン側アカバと、イスラエル側エイラートの国境。
エイラートの長距離バス乗り場。公共施設には、車いす対応トイレがあります。でも施錠されていた。車いすトイレの前にある売店に、鍵があるので、そこで借りて使うことになります。中は電気もなく暗かった。エルサレムの巨大バスターミナルのビルの中の車いすトイレも施錠されていました。どこで鍵をもらえるかわからず入れませんでした。不便ですが、不正利用防止の策なのでしょう。
市内バスは全てノンステップバスです西欧と何ら変わらない風景。一方で、パレスチナに行くバスで、ユダヤ人は利用しないアラブバスは階段のみ。貧富の差がバリアフリーにも現れます。 ちなみに長距離バスは、日本でいうリムジンバスで、階段のみです。 イスラエルで計6回、ノンステップの市内バスを利用しました。そのうち5回が乗客がスロープを出してくれました。ちなみに車いすは中央部から乗り降りします。手動でパタンとスロープを出します。日本だと必ずバス運転手がするのに、常識が違うのです。乗客が手助けする方が早いですしね。その乗客も4人が普通のおばさん。ジェンダー(社会的性差)の強い日本では、まずおばさんが肉体労働はしませんが、イスラエルは女性も徴兵制で1年半、軍隊に行くので、たくましいのでしょう。気軽な助け合い。イスラエルに学ぶことは多いです。 鉄道駅の点字ブロック。誘導ブロック。日本のタイルと違って滑らないのが特徴。日本だと点字ブロックの部分が滑ることが多いが、イスラエルは逆で摩擦が多い。靴を履いていても触覚で分かりやすい。突起型の日本と違って、滑らないザラザラ感が特徴。車いす利用者にはイスラエルの点字ブロックの方がストレスが少ない。
イスラエルの鉄道。基本ほとんどの駅がバリアフリー化。lこれは空港の駅。ばかでかいエレベーターがありました。
ホームと車両の高さが違う場合があり、その高さ解消をする手動式スロープ。欧州でよく見る機械です。大がかりです。駅員に頼んで動かしてもらいます。
車いすマークのある車両なのに、なぜか段差あり。 ここに先ほどのスロープをつけて乗り込みます。 車いすマークの理由は、車いすスペースが有るとのことでした。 自転車置き場も兼ねています。
帰りに乗った電車は、新型車両で段差なしでした。欧州でも増えているパターン。デンマークで同じような車両を見たことあり。鉄道車両から、渡し板が出てくるのが特徴です。面白いです。ちょっと段差が残るのが不満だけど。 テルアビブ市内の大きな駅。入場の際、飛行機のように荷物チェックがあります。退場もゲートがあったりと、テロ対策のためのセキュリティがとても厳しいです。
切符の券売機。 大人、学生、子供(5歳~10歳)、障害者、年金生活者、若者と、種類があります。割引を受けようと思うと、証明書を機械に入れて確認してもらうことになります。障害者割引も、券売機に証明書を入れないと購入することはできませんので、車いすの私は買うことができず、普通料金。購入履歴も確認できますし、不正防止にとても良い制度ですね。
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