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マレーシア バリアフリー写真

 
三輪バイク  (2011年、2014年 撮影)

マレーシアの障害者が集まりイベントを開催。その会場に、三輪バイクで来る人がたくさんいました。世界各地の主に途上国で、障害のある人も乗れる改造バイクを見ることができますが、サイドカーの取り付けは初めて。おそらくマレーシアだけかもしれない。隣国インドネシア、タイとかにもあるかもしれないが。いいアイデアだと思います。車いすをそのまま積み込めるのが最大の特徴です。

乗るところを見せてもらいました。二人乗りする人もいました。車いすは紐で固定します。荷物運搬用で使われているサイドカー付き原付バイクを街で見ましたが、それを肢体不自由者も運用したのかと推測します。


観光バリアフリー国際会議  (2011年、2014年 撮影)

マレーシアでは初となる観光バリアフリーの国際会議が、2011年クアラルンプールで開かれました。日本のJICAも協力。スピーカーの一人として招待されました。世界で取り組みが始まっているのは嬉しいことです。

国際会議2日目は、コンボイ(行進)。障害者の自立、生活環境改善を目指して。街の中心部ではなく、サンウェイリゾートという巨大ショッピングセンターの廻りを歩くのが残念でしたが、何でも実践。デモ行進は禁止されているため、看板を持ったり、主張をすることはできません。政府の規制が厳しいマレーシアです。青年海外協力隊員も参加。一緒に歩きました。

黒いシャツが、今回の主催者団体のエレーナ。車いすダンスをしていて、現在は2人目の子どもを妊娠中。ピンクと黄色いシャツは、シンガポールからの参加者。いずれも友人。アジアにおけるバリアフリー推進のキーパーソンです。

会議3日目は、外国人参加者達による市内ツアー。リフト付き観光バス(マレーシアにはまだ1台だけらしい)に乗って、新首都プトラジャへ。整備された街並みでした。

こちらは2014年の国際会議。3年前より参加者が大幅に増えていました。

同じく街の行進。500人。

 
市民ホール  (2014年 撮影)

プトラジャヤというクアラルンプール郊外の街。その市民会館。スロープの色がカラフル。面白いですね。公園みたい。南国の香りがします。

劇場の男性トイレ。車いすの人が使えるように、おまるをつけたプラスチック椅子が置いてありました。バリアフリーにするための苦肉の策であるが、こんなの見たことない!使う人はいるのだろうか?便座のドアが狭いので、下痢など緊急時には、この簡易おまる椅子を使わないといけないけど、使わずに済みました(笑)。これとは別にホールの方に一応、車いすトイレが1つだけありました。

海外では、車いす対応の部屋のバスルームはシャワー椅子が基本。プラスチックの椅子が置いてあった。シャワーは洗面台の水道栓に取り付けて、排水はきっちりしています。初めて見たアイデアで驚きました。

バスタブもあり、乗り移りできたので、私は椅子でシャワーはせず、バスタブでのお風呂となりました。過去、安ホテルなど、便座に座って水浴びしたことあり。暑い国ではゲストハウスの中庭に椅子を置いてもらって、水着で座ってホースでシャワーなんてこともあり。

 
KLCC  (2009年 撮影)

観光名所でもある、ペトロナス・ツインタワー。再開発された周辺は街並みが整備されています。RAPID KL という新しい都市交通が、KLLCの地下を走っているので、チャイナタウンまで乗ることにしました。

駅舎にエレベーターがあるのですが、導線に問題がありました。エスカレーターしかない部分があるのです。点でなく、線でバリアフリーを整備するまでは至ってないようです。点字ブロックもありました。床と同系色で彫りこみが浅くなっています。

駅舎は、シンガポールのメトロにそっくりです。ホームが広くゆったりしています。改札も、車いす用の出口がありました。証明書があれば障害者(地元民)は無料なようです。切符を買って乗ったのですが、乗るときも、降りるときも、検札はされませんでした。有人別改札でなく、幅の広い自動改札を用意してほしいものです。無料である必要もありません。

KLメトロのホーム。シンガポールのLRTにそっくりです。車両も2つだけで小さいです。ホームと車両の段差は皆無で、隙間もほとんどありません。日本も真似てほしいものです。

 
KLモノレール  (2014年 撮影)

空港エクスプレスが到着するセントラル駅に新しいショッピングビルが完成。その2階と連結して、モノレールの駅がありました。もともとの駅は階段だけだったが、ホームと同じ高さでバリアフリー。車いす利用者用の切符売場もあり。

ホームと車両の段差は無し。隙間も無し。車いす単独搭乗が容易である。日本も真似て欲しいなあ。

会議参加の仲間3人と、杖1名、車いす3名で乗り込む。最初は気になったのか警備員が付き添ってきたが、大丈夫そうだとわかって降りていった。

駅員が言ったように、すべての駅でエレベーターがなかった。昇降機みたいなのが階段についているのもあったが、カバーがかけられ使われない無駄な設備に。ブキビンタンという繁華街があるのに、その駅にもエレベーターがないのが残念。そもそも車両も小さく、路線も曲がりくねってスピードは遅いし、利用価値の少ない交通機関。バリアフリーも建設当時は全く無視され、残念です。KLセントラル昔の駅も、やっぱり階段でした。KLモノレールはバリアフリーが考慮されていない残念さんです。車いすでの利用は諦めましょう。

メトロ新路線 9号線  (2018年 撮影)

クアラルンプールMRT (2017年完成 9号線)は、完全バリアフリー! ブキビンタン駅の車寄せ。車いす利用者を想定し段差解消。エレベーターは雨が多い地域ならでは、道路より高くなっています。タイのバンコクと同じですね。案内表示もバッチリ!

日曜だったこともあり、車社会であることもあり、乗客は少ないです。これから増えていくでしょう。広いホーム、ホームドア、隣国シンガポールの地下鉄と似ています。

ホームと車両に、段差隙間なし。ごてごてした点字ブロックはなく、注意喚起に、青いライトが光る。格好いい!

エレベーターは、24人乗り。とても広い。新しく作るなら、大きい方が良いです。

地下を走るのは中心部のみ。郊外では高速道路の上を走ります。とても景色が良いので、観光でぶらりと乗るのもお薦め。KLセントラル駅とも歩道橋でつながっており、段差もなく、乗換も可能です。

駅のトイレ。車いす対応もあり。バスへの乗換も濡れることなく、シームレスで可能。低床バスでした。ただ公共交通を利用する人が少ないので、せっかくのバリアフリーも宝の持ち腐れ。駅の外、道路や歩道は車いすで歩きにくいので、駅から目的地までが問題として大きくあります。これから改善されていくことを期待しています。


 
空港エクスプレス  (2014年 撮影)

モノレール、地下鉄、鉄道と、バリアが目立つが、2002年開業の空港エクスプレスは、バリアフリーだった。やればできるのに。ローカル交通もバリアフリーにして欲しい。

幅広の改札は、車いす用というより、大きな荷物対応。ホームへのエレベーターはもちろん有り。ホームドアもあって、段差も隙間もなく快適。

ただし、車内に車いすスペースは無かった。あるのかもしれなけいど見つけれなかった。通常、空港特急は大きな荷物スペースがあるのだが、それがドア付近ではなく、ドアとドアの間の設計。ドア付近の方がいいと思う。乗客は通路に置いたりしたり不便そうだった。車いす利用者にとっても、ドア付近が広いとそこに座ることができるので嬉しい。

 
車寄せ  (2014年 撮影)

新しいショッピングセンターのタクシー寄せ。歩道と車道の段差なし。敷居は柱で。世界的な流れですね。

 
車いすトイレ  (2014年 撮影)

空港エクスプレスの駅。公衆トイレはきれいだけど有料。車いす用もありました。水ホースがあるのはイスラム国ならでは。自動扉もありました。ボタンがわかりやすい。日本では開閉という漢字なので外国人には理解不能ですから。個人的には自動ドアは誤作動や使用間違いのリスクがあるので、手動の軽いドアが良いです。


手動装置  (2017年 撮影)

マレーシアの車いす友人の、自家用車。手で運転する、手動装置をつけています。日本と同じ右ハンドルですが、手動装置は日本では左手で操作するのに、こちらでは右手。国によって事情や道具が違いますねー。

大規模駐車場には、車いす用駐車スペースがあります。不正駐車を防ぐために、空港では罰金100リンギット(3000円)と規定されていました。警察ではなく施設独自のルール。罰則がなければ不正利用が増えるため。日本でも、車いすや移動障害でもないのに、駐車する人が多いので(関係のない障害者など)困ることが多いのですが、施設独自でルールを作り、利用をしやすくしているのは日本も見習ってほしいもの。

手動車いす2台で、マレーシアを旅行。私が友人の車イスをトランクに積んでから、助手席に座って、自分の車いすを後部座席に積むことにしていましたが、警備員などがいるときは声をかけて、車いすを積み下ろしてしてもらいました。親切なマレーシア人です。セルフのガソリンスタンドでは、マレーシアの友人は、係員や他の客に声をかけてガソリンを入れてもらってました。気軽に手助けを頼めるのは、うらやましいです。

クアラルンプールの繁華街ブキビンタンにある屋台村。車いすにカラオケとスピーカーを積んで歌う人が何人かいました。チップをもらって稼いでいるのですが、日本では見ない光景、職業です。中国でも、よく全盲の人が地下街などで歌ってますね。

ゲンティング  (2017年 撮影)

クアラルンプールから車で1時間半。山の頂上にある観光都市ゲンティング。カジノ、ショッピングモールがあり、多くの観光客が訪れます。山の中腹と、頂上を結ぶロープウェイは、完全バリアフリー。椅子を上げて車いすを乗れるようにスペースを作ってくれます。世界最大の客室数7000を超える部屋があるホテルに宿泊しました。アジアの発展には驚かされます。

 
エア・アジア  (2017年 撮影)

アジアを代表するLCCエア・アジア。格安でありながら、サービスも良いです。以前は歩けない乗客に対しては面倒なことも多かったのですが、現在は素晴らしい対応に変化。インターネットでチケット購入の際に、必要な配慮をワンクリックするのみ。事前連絡は必要なし。クアラルンプール空港第2ターミナルでは、専用窓口もあるので、対応になれた係員がいます。空いていたら、通路そばの座席などに変更してくれます。手続きも3分ぐらいで終了。搭乗口も自分で移動して、ハイ終わり。実に簡単。

空港の車いすトイレ。かなりの数があります。水でお尻を流す文化圏のため、たまに床が水で汚れていることがあります。

 

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