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ルワンダ バリアフリー写真

 
国境で働く障害者たち  (2011年撮影)

コンゴ民主共和国とルワンダの国境。そこでは、障害のある人達が、運び屋として活躍しています。その数およそ150人。障害者が主役の国境なんて素敵。多様性。カオス。面白すぎ。多くがコンゴ人でした。

自動車、バイクは通行禁止なので商売独占。そのボスがこの赤シャツのおじさん。3ドル~10ドル/日 稼げるらしい。10ドルは大げさかもしれないけど。一種の福祉就労かもしれない。いわゆる福祉の概念など無い場所であるが、助け合いは存在する。

障害のある彼らは台車(3輪車イス)の運転手。他に1~2名の若い屈強な押し人がいます。運転手は小児マヒや、ポリオ、脊髄損傷、手足欠損のコンゴ、ルワンダの障害者。

女性も多く働いています。

境へと続く道沿いには、色んな工業製品や食料、素材などの倉庫や店が並びます。そこの倉庫から国境を超えて、コンゴへと運んで行くのです。大声あげて客を取り、大型車いすを操りながら、厳しい国境ゲートを我がもの顔で通り抜けていく。何でも有り。強い者が勝つだけの無秩序。混沌でのたくましさ。障害も違いの一つでしかない。

現地の一般的な車いすは3輪自転車タイプ。コンゴでも清算されており、400USドルとのこと。

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国境で働く障害者は、コンゴ共和国ブラザヴィルと首都キンシャサのコンゴ河の国境でも有名らしい。障害者政策の一つで、関税免除があること、介助者1名がついて入れることが理由らしい。なるほど。

参照: 「商売の王さま」と呼ばれる障害者集団 ― コンゴ川の国境ビジネスの展開  戸田美佳子


ブルンジ、コンゴ民主共和国の国境  (2011年撮影)

ルワンダの国境と同じように、ブルンジでも障害のある運び屋が活躍していました。

こちらでも女性が働いていました。一生懸命に働く人の姿を見るとこちらも幸せになる。笑顔がとても素敵です。笑顔は幸せの連鎖。笑顔が笑顔を呼ぶ。

この光景をみると、アフリカが貧しいとは一概に言えないと思います。貧困や飢餓のイメージが強調され「恵まれない子ども達」という表現も使われるが、勝手に不幸と決めつけているのは他国の人達であり、蔑んでいるように感じます。

活力に溢れた市場。走り回る子ども達。障害のある人も驚くほど街に出ています。車いすの人と目が合うと手を振って笑顔を交換するのが、私のアフリカ旅行の楽しみになっています。同志の連帯感というべきか。見えない振りをする日本とは対照的です。


エチオピア  (2012年 撮影)

動物園(ライオンがいるだけだが、とても賑わう)の駐車場で出会った、エチオピア人。彼の車いすは他国からの寄付。珍しい3輪タイプ。


 

援助の悲しい現実  (2012年 撮影)

エチオピアの路上でタバコやお菓子を売る雑貨屋が車いすを使っていた。何十台と見た。ベビーカーの場合もあった。車輪がついていて、移動販売しやすいからだろう。

問題なのは、その車いすが欧米からの寄付であること。この車いすはカナダから。最初は、障害のある人の元へ届けられたと信じたいが、現金欲しさに家族が車いすを売ってしまうのだろう。虚しい国際援助の現実。最後まで管理することは難しいが、安易に物をあげるだけでは良い結果にならない。