スペインでは、観光バリアフリーへの取組が活発になってきました。UNWTO(国連世界観光機構)の国際会議で、テーマの1つが、バリアフリー観光でした。スピーカーで呼ばれて現地へ。空港からの送迎は、スロープがでてくる福祉タクシーでした。
日本は公衆トイレの数が圧倒的に世界一多いです。それに付随して多目的トイレも整備されているので、トイレに関しては、世界で一番バリアフリーかもしれません。公衆トイレが少ない(ない)欧州。スペインでは、どうやらレストランに多目的トイレの整備を義務化しているようです。偶然ですが、入った2件の個人経営のレストランに、両方とも大きな多目的トイレがありました。逆に日本ではレストランの中に、多目的トイレがあることは稀ですから(ファミリーレストランなどの巨大飲食店はのぞく)。
昼飯を食べたレストラン・カフェ。1つしかないトイレが大きくて、車いす利用可能。
アクセシブルルーム (2007年、2017年 撮影) マドリッド空港にある、フランス系大手ホテルチェーン「イビス」のアクセシブルルーム(車いす対応客室)です。バスルームのデザインが素敵でした。病院や施設の雰囲気はなく、自然なデザインがとても良いですね。
南スペイン、ムルシアの地元資本4つ星ホテル。日本と違って、複数の車いす対応部屋があります。高級ホテルなので、シャワーとバスタブ付き。
車いす対応部屋の洋服ダンス。ハンガーに取っ手があり、車いすでも高い棒にかけることができます。初めて見ました。スペインならではのアイデアかも。棒を低くするより、友好的なアイデアですね!
町にもよりますが、大都市の場合、歩道と車道の境目のスロープに警告ブロックが敷かれていることがありました。あくまで警告ブロックであり、誘導ブロックはありません。右写真も手前が横断歩道になっています。車道がある、横断歩道があるというために、点字ブロックが敷かれていました。誘導に使うと大変です。途切れ途切れ。
別の町の点字ブロック。やはり横断歩道の前だけ警告ブロックがあります。車いすなどに配慮してか、突起が大きくありません。町によってデザインがバラバラです。それぞれに考えて施行している様子。
これまた違う町の警告ブロック。千差万別ですが、注意喚起という点では共通しています。ちなみに誘導ブロックはありません。 バリアフリーの進む南スペインのムルシア。少し工夫された誘導ブロックがありました。 南スペイン、ムルシア駅。ホームにエレベーター有り。車両とホームの段差は大きいです。車いすで利用する場合は、駅員に手助けを頼むことになります。その事務所も有り。
有名な大聖堂です。裏から廻ると車いすの入口があります。景観を壊さないように上手にスロープを作っていました。
レストランが上にありましたが、階段の横にジグザグのスロープがありました。いいデザインですね。手すりをつけると景観が崩れます。手すりをつけるようなことは少ないです。レストランにあった車いす対応トイレは、タイルが素敵なデザイン。しかし、トイレットペーパーの位置が後ろで高い。。。
英国の建築家ノーマン・フォスターの優れたデザイン。1995年開業。斬新すぎます。近代的で機能的。1つの大きな穴で、コンコースとホームが同居。コンコースを掘る手間がない。グッゲンハイム美術館と共に、アートの街を演出しています。バリアフリーで全駅でエレベーターがあり、車いすで利用できますが改札ば別となります。そこだけは不満。
地下鉄の入口です。秀逸なデザイン。格好いいですね。エレベーターは別のところにあります。 こちらが地下鉄に行く、エレベーター。丸いデザイン。扉の前には点字ブロック。大きさの違う丸突起です。
衰退していた鉄鋼の町を、この美術館の建設により、観光都市/デザインの町へと変貌させました。箱物一つで町を変えるパワー。世界中から観光客が訪れます。すごい美術館です。内部はもちろん完全バリアフリー。6人の車いす観光客を美術館内部で見ました。いやーすごい。すごい。 グッゲンハイム美術館のトイレは、個性的でした。通常のスペインでは車いす専用別離トイレですが、米国のように普通のトイレの中に車いすでも使えるトイレがありました。グッゲンハイムの本拠はニューヨークですから、バリアフリーも米国式ということです。
欧州各地で続々導入のLRT。ビルバオにもありました。さすがデザイン都市。格好いいです。グッゲンハイム美術館前の駅付近は、芝生軌道。おしゃれです。環境に優しいです。道路ではできないこと。ちなみに狭い道路もあり、複線だけでなく単線軌道の部分もありました。 もちろん簡潔バリアフリー。最高です!
切符販売機も、位置が低くなっていました。液晶も見にくいことなく、車いすでも買いやすくかったです。LRTへの乗り込み、問題なく一人でひょいと乗れました。
Vitoria/Gasteiz スペイン語でビトリア、バスク語でガステイスという町。サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼道の一つ。小さいながらも雰囲気のある町。中心部は丘のため、上り専用のエスカレーターが設置されていた。デザインが格好いいですね!思わず撮影。
牛追い祭りで有名なパンプローナ。広場に続く階段の横にスロープ設置。日本の法律でいくと急なスロープで厳密にいえばNGですが、ないよりはあるほうがずっと便利です。増えて欲しいもの。 市内の歩道のカーブカット。完全段差解消。車いすにはスムーズで最高に嬉しい配慮です。
1994年に訪問したときは地下鉄にエレベーターはありませんでしたが、2007年現在、多くの駅でエレベーターが設置。新路線はもちろん完全バリアフリー。スペインでも急速にバリアフリー化が進んだ証拠です。外国人観光客にもわかりやすいメトロの表示。 市内バスもほとんど全てがノンステップに変わっていました。
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