2015年 2015年8月、フランス人の電動車いす、その家族の東京旅行を手伝った。ちょうど東京出張が重なり、1日は私がガイドとして、葛西臨海公園、お台場、ゆりかもめと案内。ホテルは銀座だったので、帰りにメトロ東銀座駅前の歌舞伎座へと立ち寄った。 歌舞伎座は2013年に改築され、車いす席が2つできたのは知っていた。ホームページの座席図にも、車いす席のマークがある! チケットに空きがあればフランス人に薦めるつもりであった。
歌舞伎座の地下にあるチケット売り場で聞いてみた。「車いす席の空き状況、その値段が知りたいんです」。 ちょっと待ってくださいと1分ほど待たされる。そして返ってきたのが、「車いす席は電話予約のみとなっています」との返事。劇場のチケット売り場なのに、購入できないとは驚いた。空き状況も、値段もわからないという。電話だと、日本語が話せない外国人はまず買えない。見れない。せっかくの機会。日本文化を知るのに、見たいという人もいるだろうに。 もちろんホームページの情報から、車いす席は電話予約で購入することは知っていた。しかし値段も空き状況もわからない。フランス人の予定も予算もわからない。歌舞伎を知らないかもしれない。現場で聞いて確認するのがいいやと思っていたがが、それができないことは予想外。 しぶしぶ劇場下のチケット売り場の前から携帯で指定の番号に電話してみた。そこでも空き状況は分らず、折り返しの電話待ち。何なの? 呆れてしまう。ここで買う気は失せる。 20分後、劇場を出た後に着信。希望日に空きがあるという。値段は1万2000円。気軽に見られる価格ではなかった。予算オーバーなので、フランス人は見ないと言う。最初から価格と、空き状況ぐらいネットで公開してくれたら、こんな手間が省けるのに。アホくさい。バリアフリーになったから、NPOのページでも歌舞伎座を紹介していたけど、これじゃ紹介はできないので項目を削除した。
せっかく車いす席を2つ作ったのに、この券売システムじゃ見る人は少ないだろう。かなり面倒くさい。劇場でチケットが買えない。面倒な電話予約のみって、ひどいじゃないの。せめて券売所の人が、係に電話して確認するとか、してくれたらいいのに。冷たい「電話予約のみです」の一言。設備はあるけど、ソフトがない典型。2020年オリパラに向けて、これが東京の現状です。 |