2011年 日本を代表する温泉地「城崎」。冬の日本海の味覚、蟹を食べに行くことが、関西地方ではステータスになっている。雪がなくなった3月中旬、鳥取出張の際に立ち寄りました。蟹は食べない。宿泊もしないのだけど。 城崎は、小さな温泉旅館が多い印象。電車でも来れるので、卒業旅行らしき若い女性もたくさん。魅力の一つは、宿泊客は、7つある外湯を巡れるパスポートを貰えること。色んな湯めぐりを楽しめるというわけ。宿泊しない観光客も、パスポート(1000円)を買えば湯めぐりが可能です。もちろん一つだけ、単独の入浴も可能。自動車で来るなら、公営駐車場に駐車です。 事前に、車いすで入れる外湯があるのか、インターネットで調べましたが、公式サイトには何も言及なし。残念。車いす利用者のレポートもありませんでした。よって、グーグルの画像検索をフル活用し、7つある外湯の外観をチェック。「一の湯」を第一候補としました。建物が新しそうだから。入口に段差がないから。目立つ場所にあり大きいから。この3つが選定理由。 旅人の勘は当たりました。玄関にスロープ有り。段差ゼロ。脱衣場から浴室までも段差ゼロ。完璧です。それも自然な形なので、とってつけたような設備ではありません。 お風呂には手すりがついているので、支えにすることができます。車いすから浴槽へと降りて、たっぷりと温泉を楽しめました。残念ながらシャワー椅子は置いていなかったです。
車いすトイレは無いのかと思っていたら、女性浴室の入口横にありました。もし利用するなら、車いすが置いてあるため、従業員を呼び出す必要が有ります。エレベーターもありました。これで2階の休憩室と家族風呂へと自由に行くことができます。
いわゆる温泉のバリアフリーは、家族風呂を作ることと考えている場合があります。特別な施設を作ることが、バリアフリーだとは思いません。できる限り、皆が同じように利用できることが大切。大浴場へも入れること。段差を極力なくすこと。利用者が自由に選択できることが、豊かなことだと思います。 「一の湯」は完全バリアフリー。何の問題もなく車いすで利用できました。シャワー椅子や、浴槽用の車いすはありませんが、それはあれば嬉しい設備。重要ではありません。必要なら自分で用意すべし。 これだけバリアフリーなのに、一切の情報発信が無いことが非常に残念です。せっかくのバリアフリーがもったいない。城崎温泉の外湯を車いすでも利用できるということがわかれば、来たいと思う人もいるだろう。 なぜ設備が整っているのに情報発信をしないのか、これには障害当事者側の問題があります。バリアフリーと言ってしまうと利用者から「こんなのバリアフリーじゃない」と苦情が来るからです。いわゆるクレーム。リフトが欲しい。車いすのまま入りたい。介助して欲しい。などなど。福祉施設ではないのに。 温泉につかった後は、駅前にある「おけしょう鮮魚」で海鮮丼。1890円。ちょっとリッチに舌鼓。大繁盛のこの店は、1階が海鮮土産物屋さん。2階、3階が、食事スペース。座席数100以上。団体も可能。嬉しいことにエレベーターが設置され、車いすでも利用可能です。トイレのドアも広く車いすで入れました(扉は閉まらないけど)。 |