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長野県長野市 りんごの湯

2018年

車いすに優しい、お薦めの日帰り温泉を紹介します。

長野でのスキー帰りに偶然、立ち寄ったところ。受付の2階へはエレベーター。玄関、脱衣場、浴室へは段差ゼロ。眺めの良い露天風呂へも段差がなく、スロープがあるのには驚きました。洗い場にもシャワー椅子あり。泉質も良い。サウナもある。清掃もバッチリ。スタッフの接客も自然。多目的トイレも有り。土産や売店も充実。畳のレストランもテーブル席があり、メニュー豊富で美味しい。近所にあったら冬の寒い季節は常連確実。

駐車場の障害者スペースは入口に一番近いため、関係ない人が停めていたが、りんご畑の中にある温泉。広大な駐車場があり、車いすで乗降する広い駐車場所に困ることなし。

訪問して大正解。入湯料も410円と安い。りんごソフトは美味。車いすに不親切な温泉(後述)もありますが、車いすに優しい温泉も沢山あるものです。実際に行ってみないとわからないのが難点ですけど。
  


車いすで温泉に入ってはダメなの?

子ども2人と年始スキーの帰り。長野県のへそ、諏訪大社の隣にある有名な公衆温泉へ。浴室に入って体を洗っていると「車いすで入ってはダメ」「出てください」とマネージャーの男性が、かなりの剣幕で怒ってきた。汚れるからダメな規則らしい。日本中ほとんどの温泉で、普通に車いすで利用しているが、ここのルールは知らない。それならそれと番台で言えよと。もう裸じゃないか。

車いすは外に出しますと強引に持ち出そうとするが、それじゃ私は動けなくなるので、慌てて引き止める。今更、服を着て出るわけにもいかない。もう二度と来ないから、今だけは入れてと説得する。車いすダメなら、杖はどうなんだ?と尋ねると、杖も玄関に置いてもらってます!との返答。身体の不自由な人を排斥している公衆浴場だった。温泉の街なのに、地元の市民は何も言わないんすね。お年寄りばかりなのに。誰もが温泉を楽しみたい、それを出来る範囲で受け入れてくれたらいいのに。

玄関にスロープない、靴脱ぎ場に段差があり、車いすは歓迎されていない感じはした。それを強引に乗り越えて中に入っているわけなんですが、自分で解決しているので、施設側に何ら負担は求めていません。大人220円、子ども110円。入湯料が安いので贅沢は言えませんけど、中に入って、怒られて追い出さられるのはショック。入口に「車いす、杖での入場お断り」と書いてくれれば、流石に私も中には入らず、余計なトラブルは避けられるのに。その表示が人権侵害かはともかく。

大浴場のあるビジネスホテルによく泊まります。サイクリング、スキーのときも、日帰り温泉によく入ります。合計すると全国200以上の温泉や浴場に入っていると思いますが、過去4度、車いすでの入場を拒否されたことがあります。タイヤを雑巾やタオルで拭けばいいだけのことなのに、排斥は悲しいです。ごく一部なんですけどね。

・・・・・

この1週間後、またもや悲しい出来事が発生。いつもスキーをしている長野北部、戸狩温泉スキー場。泊まるのはゲレンデ横の寺。お風呂はゲレンデ下の日帰り温泉へ行く。楽しいスキーを終えて、脱衣場で温泉に入ろうと服を脱ごうとすると、白髪の爺ちゃんが「若いのに車いすで可哀想だね」と、同行者(70代の元気スキーヤー)に話しかけてきた。隣にいる私を無視して。

車いすってのは、可哀想じゃないですよ。私のハゲと変わらないよ。単なる違いの一つですよと同行者は優しく諭すが、お爺ちゃんは「車いすは可哀想だよ。若いのに」と引かない。堪らず私も横から「あんたの頭が可哀想だよ」と言い返す。

思っていても口に出すなよ。黒人に「肌の色が黒くて可哀想」。容姿の悪い人に「ブスで可哀想」と面前で言っていいのかよ。このような差別意識が、車いすで温泉に入るなに繋がるのかもしれません。