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アダプティブとは?

 「アダプティブ」とは、英語で「適応する」という意味の言葉。
米国では、障害者を表す「ディスエイブルド」に代わる言葉として使われ始めています。
適応という言葉に違和感を感じる人も多いので、調整(英語でアジャスト)と意訳するほうがいいかもしれません。

 
「ハンディキャップ」という言葉

「ハンディキャップ」は、英語を母国語とする国では、障害者や障害を指す言葉として現在ではあまり使われない表現です。物乞いをするときに差し出す帽子が語源といわれ、不利な条件を意味する否定的な表現です。「片輪(端)」という表現が直訳になるかもしれません。英語では、ディスエイブルドという言葉が障害者の意味で使われます。正確には disabled person ではなく、 person with disability が適切な表現です。 

  

アダプティブ

「アダプティブ」という言葉は、身近な日本語ではアダプターという言葉があります。機械や器具を多目的に使用するための付属品。それを取り付けるための補助具のことです。ちょっとした工夫と調整で、アダプターを使うことで、不自由さを改善できます。車いす、杖、補聴器、手話、眼鏡、パソコン、自動車、エレベーターなどのアダプターによって障害が障害でなくなり、平等に社会参加することができます。

障害のある人は、出来ない人ではありません。適切な環境があれば、能力を十分に発揮することができます。障害のある人は、自分の特性を理解し、道具や設備を整え、配慮をする達人といえます。アダプティブは、何も障害のある人だけに必要なものではありません。時と場合によっては、誰もがアダプティブが必要なこととなります。例えば、外国に行ったときなど。
よって障害のある人も特別な存在ではなく、誰もが関わる問題として捉えることができます。

 

チャレンジド

障害者という言葉。好きでない人が多く、障がい者、障碍者と表現する人もいます。ハンディキャップという言葉は英語圏では差別語なの使えません。ディスエイブルドも直訳すると「できない人」なので日本人にはピンとこないで馴染まないようです。代わりの言葉はないかと、90年代後半に日本に広まったのが「チャレンジド」。直訳すると「頑張る人」。私はこれが好きでありません。

どうして、障害者=頑張る人 なのか? 障害があるからって頑張らなければならないことはないはず。個人の問題です。確かに頑張らないと生きていけない状況はあるでしょうが、それは社会のせいです。ちなみに海外で「チャレンジド」という言葉を一度も聞いたことがありません。「フィジカリー(肉体的)チェレンジド」という表示を見たことはあります。何に頑張るかは限定されています。 

障害者に代わる言葉は、なかなか現れていません。私は障害者という言葉は使わずに、説明が必要なときは「車いすなのですが、」と言います。具体的に不自由なことを述べるわけです。自分から「障害者なのですが、」と言うことはありません。不自由なことを述べるのがいいのではないでしょうか。

障害者を一律に捉えることが日本の大きな問題だと思います。=社会的弱者であると。一時的に不自由な人(妊婦、ケガ、介 護)も含めて、一部の人だけでなく、皆が関わる問題なのだと、当事者意識を持ってくれればと思います。 

 

People with special needs 特別な配慮が必要な人

handicapped は差別用語で使われない。 disabled が正確な言葉である。 adaptive という表現があることは説明しましたが、環境によって障害が定義される、社会モデルによる障害者観が広まることにより、職場や教育現場などを中心に、 people with special needs という表現が主流になりつつあります。

飛行場で、お手伝いが必要な人へのサービスは、 special care service です。世界共通語となっています。いわゆる身体に障害のある人、妊婦、赤ちゃんのいる人、歩行不自由な高齢者、病人、怪我人、子供単独旅行などが、このサービスに該当します。