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手軽に秘境 パプアニューギニア(1)

2013/12

裸族はもういない/マウント・ハーゲン


成田から直行便

パプア・ニューギニア。ナタで襲われた。いきなり殴られ強奪された。ケガをした。訪問したことのある人からは、治安の悪さばかりが耳に入っていた。見所は裸族。近代化されていない人々。テレビとかでたまに体験取材とかやっているもの。そんな秘境も、成田から週1便、エアーニューギニアが直行便を飛ばしている。東京出張のついでに、成田から1週間のパプア旅行をすることにした。

飛行機は、オンボロ。ガラガラだった。空席は歓迎。3席を使えたので、横になれて快適なフライト。首都ポートモレスビーで、国内線に乗り換えれば、ジャングルの山奥にある町へ簡単に行ける。

ポートモレスビーで国内線に乗り換え。国際線と国内線は、ターミナルが別。国内線は小さい飛行機ばかりで、搭乗ブリッジはなし。空港の売店なのに、鉄格子があるのには笑ってしまった。そんなに治安が悪いの?

飛行機へは階段ですが、親切な空港職員が、お手伝いしてくれるので、快適に乗れました。面白かったのが、機内の座席配列が、2列-3列 だったこと。日本だと3列-3列。身体が大きいからでしょう。南太平洋の人々は、縦も横も大きい。

マウントハーゲンという町に到着。空港にタクシーがいないのにはビビった。そもそも田舎町にはタクシーすらない。ただ人が集まっていて市場などはあり、町に出る乗合バスは走っていたので、それに乗りこむ。

そのミニバスに2名分の料金(約50円×2)を支払って、ホテルを紹介してもらう。つまり私が最後の客となり、運転手に紹介してもらったホテルの前で降ろしてもらう。賢いでしょ。だから簡単にホテルを見つけることができてチェックイン。荷物を置いたら、町を散歩。

周囲の村から裸に民族衣装の人が買い物とかに来ているかな?と思ったら、そんな人は全然いない。シャツに短パンである。ただ裸足の人は多い。祭り(シンシン)のときしか、民族衣装は着ないらしい。テレビ局や団体ツアー客が来たときは、彼らは着替えてショーをする。

人々はとても人懐っこい。車いすに乗っている私が珍しいのか、どこでも注目を集める。町を歩いていると、人々から握手を求められる。1日に100人以上。目の合った人のほとんどが律儀に挨拶をしてくるので、手をあげて笑顔で返す。珍しいだけなのか、敬意を払ってくれているのか、ご利益でもあるのか、理由はわからないが、天皇陛下になったような気分。

現地人。基本は自給自足の暮らし。芋や果実が主食。ブッシュ(森、林、茂み)の中に家があり、日が昇ると町に出てきて、露天で物を売る。日が暮れると家に帰る。365日、同じ繰り返し。シンプルライフ。娯楽という言葉はあるのだろうか?

街を歩いていると、おっちゃんに捕まった。なぜだか一緒に歩くことに。小腹が減ったので食堂へ。

街のあちこちで、ビートルナッツ(檳榔)という木の実が売っている。マスタードの葉とライムパウダーを一緒に噛むと、少し覚醒作用がある。嗜好品。これこそパプアの娯楽か。口が真っ赤になり、痰を吐き出す。台湾にも似たようなものがあります。

現地人にもらって、ビートルナッツを噛んでみる。癖になりそう。悪くない。何より、口を真っ赤にすると、現地の人が喜ぶ。お前も好きなのか!パプア人だなと!襲われないため、安全のため、国際交流のためにも、現地化するのは良いこと。

口が真っ赤になりました。貴重品はぶら下げた財布のみ。襲われても小銭にしか、盗まれるものなし。手ぶらが一番。お気楽な旅人です。

人懐っこい。笑顔を送ると、笑顔が返ってくる。

ビートルナッツを、もう1つ。ゾンビになったような口ですね。そして、道路に赤い痰を吐き出すんですよ。だからパプアの道は赤い斑点だらけ。

初日の散策は終了。ゲストハウスで、夕食。チキンスープなり。不味くはないけど、美味しいともいえない。これで約500円。

パプアは物価が高い。輸入品ばかりと豪州の影響か。コーラが150円。水が100円。キャベツが200円。ゲストハウスも6,000円。卵12個500円。牛乳500円。食堂のフライドチキン定食1000円。ハイエースが600万円。

肉の値段が高い。乳製品も。養鶏や酪農はされてないのか。産業はプランテーションで搾取されているので、輸入に頼らず、自国で経済を少しでも廻せるようにならないと。

一方で、バナナ10本50円。マンゴー1個10円。その場で取れるものは安い。ジュースや水は輸入品で高いので、バスの中とか現地人は、水分補給のためにキュウリや果物を食べていた。


裸族を探して

ホテルの警備員が自分の村を案内してくれることになった。もちろん最後に謝礼が必要。といっても町から30分も歩かない。舗装されていないジャングルの道を少し入れば、彼の住んでいる地区。

警備員の友達と子ども。彼は妻が2人いた。警備員は妻は1人。パプアは一夫多妻制。資産やお金があれば、養えるのなら、何人でも妻を持てる。

ちょっと裏に入ると、こんな悪路。車いすで進むのはとても大変。手も車輪も泥だらけ。穴ぼこは、雨が降って、また掘られて、さらに悪路になる悪循環。マウントハーゲンを走っている自動車は、四輪駆動車だけだった。

少し大きな、それらしい集落を見学。基本一つの家族が一緒に暮らしている。お父さんは同じらしい。一夫多妻。金持ちの家。親戚や兄弟家族も同居かもしれませんが、長は一人。

木や草、天然素材100%の昔ながらの家。

家の前にある広場。要望があれば、民族衣装に着替えて、シンシン(踊り)をするとも。もちろん、事前準備やお金が必要ですけど。

集落の男性たち。仕事がないのか、いつもなのか、トランプで賭けをして遊んでいました。腹が減ったら、果実や芋などが周囲にあるので、現金が必要ないなら、自給自足が可能なところ。

村の人々。きれいにとれた写真。表情がいいですね!

集落からの帰り道。川で洗濯するお母さんと、風呂に入る子ども。

集落の入口にある売店。 コーラの看板。値段が330mlで2.7キナ(140円)、500mlで5キナ(250円)。物価が高いでしょ! それでも現地人はコーラを飲むんです。美味しいから。

町や村を半日案内してくれた警備員のラファエル。

さつまいもを売るおばちゃん。商品を側溝のドブ川で洗っています。うーん日本じゃ考えられない。

ビートルナッツを売る人たち。毎日365日。こうやって店を出しているんでしょう。商品に大きな違いがあるわけでもなく、個人商売のみの経済。

マウントハーゲンを歩いていると、車いすの人がいるので紹介されました。3輪の少し変わった形の車いす。オーストラリアに行って手術すると言ってました。彼の家は、葬儀の棺桶屋さんと売店でした。

お腹が減ったので、昼食と夕食を兼ねて、大きなごはん。牛肉炒めのぶっかけ飯。大盛りすぎて完食はできませんでした。値段は、23キナ+3キナ(ジュース)=26キナ(1200円)と安くありません。

こんな食堂です。これでも町にある立派なレストラン。ちょっと高級店。最高級はホテルの中。そもそもレストランを探すのも大変です。食べられる店があるだけ良し。

店を出るときのメッセージ。こんな看板が高級店の証拠!?「ご来店ありがとうございます。我々は、あなたがここでの食事や飲物を楽しんだと願っております。また会いましょう。素敵な1日を!」

場所は変わって、中央市場。個人商店の集合体。おばちゃんが風呂敷を広げて店を出しています。

人の集まりバス乗り場。キリストを信じろ!神は偉大だと、演説をする男性。皆、暇なので何となく見ています。

裸族を見に、山岳地域まで飛んだのですが、一人も出会わず。警備員のラファエルによると、毎年10月には、各民族がマウントハーゲンに集まる祭り(ショー)がある。それに来るのが手っ取り早いと。地元民ですらもう祭りでしか裸にならないと。

未だに野生的な生活をしている人を探すなら、交通の便が悪い、ここから丸一日バスに乗っていく「タリ」という町まで行ったら見れるかもしれないって。それは無理っす!そこまでの情熱はないです。ごめんなさい。


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