コーカサス地方 (5)
2014/07
モスクワ / ロシア
モスクワ1日目 18年前に訪問の機会があったが、空港で車いすが紛失し(4時間後に発見)、深夜となり入国できなかった。ビザの取得が面倒、ホテル高い、バリアフリー最低と敬遠していたが、念願のモスクワ訪問。 シェルメチボ空港から市内へ特急列車が開通。バリアフリーだと期待したら、その通りで安心。電車は入れ替え制で乗降する。車いすの私は優先乗車で最初に乗せてもらう。
車両から手動でパタンと渡し板を出してもらって乗る。ウィリーしても乗れる。座席2つを取ったのが車いすスペース。
広い車いすトイレもあったが、扉の敷居が残り完全バリアフリーとはいかないのは、ロシア仕様。 市内の到着駅は、ホームに屋根がなかった。これにも驚く。冬は寒いだろう。雨のときは濡れるだろう。
小腹を満たすため、ロシアの名物料理でもあるブリヌイ(クレープ)を食べる。プレーンから、クリーム、チョコ、と色んな種類があるが、値段の一番高いイクラを注文。美味しかったです!ピロシキも路上で食べたが、具はミンチだと思ったらモツだった。これまた美味しい。お腹が満たされれば幸せ。バリアフルな道路も我慢できる。
ホテルにチェックインして、昼寝をしてから、夕方、ニクーリン・サーカスを見に行った。ミンスクと同様に、事前にインターネットでチケット購入はできなかったので、現場に行っての当日券。ホテルから2~3キロと徒歩圏内で、タクシーに乗る必要もないのは計画通り。
劇場の正面玄関は、おおきな階段。この裏にチケット売り場がありそうな雰囲気。少し段差のある通路を、売店の人に押してもらいながら中へ。そこにはスロープのあるチケット売り場。外もスロープにして欲しいけど。 座席表を見ても、車いすマークなし。どの席なのと聞かれて、下から2番目に安い席を購入。チケット売り場の横にある扉から、警備員の案内で中へ。エレベーターでホワイエへ移動。ホワイエは、売店、動物との写真撮影など、賑やか。
演者が通る通路の横、最前列の特等席に案内された。やっぱり車いす席はなかったので適当に座らせてくれるのだった。チケットさえ持っていればOK。一番安い席を買っても良かったが、一番高い席に座ると予想もされたので、安い方から2番目(600ルーブル=1800円)にしたのでした。
サーカスは素晴らしい。生演奏も良い。ダンサーのレベルの高さにもうっとり。1幕の最後に、アシカショーがあるのはたまげた。シートを張って滑ってくる。ここは水族館じゃないぞ!アシカのダンスと、ボールリフティングに歓声。 2幕の最初は、猛獣ショー。虎4頭、ヒョウ2頭、ジャガー2頭。二足歩行する。動物愛護がちらりと頭をかすめるが、ショーを楽しむしかない。空中ブランコもあり。楽しい2時間の演目でした。 モスクワ2日目 ロシアのバリアフリーは遅れている。共産主義時代、肉体労働ができない障害者は二級市民の扱い。その名残。モスクワ市内の幹線道路。片側5車線は当たり前。歩行者は地下道で横断する。信号や横断歩道がないから、車いすの私は、道路の向こうに行くのに四苦八苦。危ないけど、車の列に突っ込みながら、横断することもしばしば。
モスクワの街にたくさんある地下道。メトロの駅とつながっていることも多い。搬入用か階段の横にスロープあったりするけど。傾斜は20度くらい。車いすは通れない。
モスクワのメトロ(地下鉄)は路線が多く便利で市民の足。だけど階段のみ。新しい路線はエレベーターをつけているらしいが、中心部は古い駅ばかり。よって、ひたすら歩く。 ボリショイ劇場を通り、いよいよ赤の広場へ。大きな石畳で、車いすで進むとガタガタ。歴史ある場所、仕方ありません。
レーニン廊と、後ろはクレムリン。そして、赤の広場。
テトリスでもおなじみの、聖ワシリー寺院。
聖ワシリー寺院の中を見学できるが、階段だけなので、車いすの私は一周して観光。秀逸なデザインですね。
赤の広場に面する、グム百貨店。ランチを食べにいく。 採光豊かな、気持ちの良い贅沢な空間。花もたくさん。
エレベーターが一か所だけ、店舗の中に作ってある。それを見つけて3階へ。
グム百貨店の有名食堂「57」。ベタですが、手ごろな料金で食べれます。
冷たいスープ、サバのホイル焼き、黒パン、ベリーのジュース。
クレムリンを車いす単独で見学するのは大変そうなので、モスクワを代表する美術館プーシキンへ。ところが、入口は階段のみ。スロープなし。おおー。そうなのか。。。
中も階段だけだった。警備員が親切にも車いすを担いでくれて有り難いが、エレベーター欲しいなあ。世界的な観光地がバリアフリーでないことは非常に珍しい。 プーシキン美術館の斜め前にある、救世主ハリストス大聖堂。車いすマークのゲートがありましたが、入口には大階段。端っこに昇降機があったけど、係員を呼ぶ必要あり。教会にもスロープが無いなんて。バリアフリー遅れているなあ。やっつけの設備だなあ。
地下鉄はダメ。建物もダメ。救いはバス。多くがノンステップで、車いすでも乗ることができる。東欧の定番ロータリーバスもノンステップ。ただし、バス停に路線図は無し。表示もロシア語。一見の旅行者には利用するハードルが高い。
歩行者天国のアルバート通り。大衆的な土産物屋さん、カフェが並びます。自動車がいないと本当に歩きやすい。 喉が乾いたら、やっぱりクワス。ノンアルコールビールのような味といえば良いかな。健康そうな麦芽ジュースです。 片側5車線以上ある環状道路を走るバス。キリル文字で、行先はわからないけど、環状道路をしばらく走るだろうから、乗ってみる。乗務員は親切。車いすはお金も要らないって。うまくホテルの近くで降りることができました。 お洒落なカフェで夕食。日本だと繁盛しそうな雰囲気なのに、客が少ないのは、値段が高いからとメニューを広げてわかった(笑)。
オーガニック野菜が中心のヘルシーメニュー。ビーツのスープ。天然酵母のパンが激ウマ。 美味しかったので、チキンカレーサンドウィッチも追加。食い過ぎました。インスタ映えしそうな今どきの盛り付け。消化のためにコーヒー(小)を頼んだら、なんとまあカフェオレ・ボウルで出てきたのは驚き。普通でいいのに。お金持ちも多いモスクワ。国際ビジネスマンも多く、金融センターでもあるモスクワ。 お洒落なカフェもたくさんあるんですね。
モスクワ3日目 帰りの飛行機は夜の出発。それまで市内観光。ホテルの近くにあるエカテリニンスキー公園へ。ビキニで日光浴をするお姉さんを横目に散歩。夏ですね。朝昼兼用にと、クレープ生地に、マッシュポテトの入ったホットドックを食べて、私も昼寝。 そして、公園の北にある軍事博物館を訪問。これまた階段しかなかった。軍服を来た警備員か、スタッフかが、その階段を担いでくれて、中へと入る。
軍事国家。ソ連の様子。戦争の展示。生々しいです。
併設のカフェが面白かった。秘密基地穴倉風。
海軍セット、陸軍セットなる、軍隊の現場食事を再現したものが人気でした。ランチを済ませていたので注文できずに残念。ここに来るならお腹を空かしてくるべし。同席だったロシア人が注文していたので、撮影させてもらいました。
再び、ベラルースキー駅より、空港へ移動。駅舎はロシア風。美しいですが、後付けのスロープが無粋。
切符を買って、駅舎からホームへ出る。スロープがとても急だった。中途半端なバリアフリー。まあ設備があるだけマシです。大都会モスクワ、さようなら。
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