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肺炎で入院(5)

2007/01 - 2007/02

治安の良い街マニサレス / コロンビア


貧困地域での授業

青年海外協力隊でコロンビアのマニサレスに派遣されているカオリちゃん。 過去に日本青年ボランティアでパラグアイで日本語教師をしていたので、南米生活は慣れたもの。パラグアイに派遣されていたときも訪問し、とっても楽しかった。そして今回も訪問させてもらうことにした。

カオリちゃんの仕事は、現地NGOで貧困地域の子ども達に勉強を教える先生。学校は午前中だけのため、補習として、非行防止のため、それぞれの地域で週に1回授業を行っている。貧困地域では、家族がいない子どもや、母親だけの家庭や、家庭環境が十分ではない。NGOの予算は寄付と政府からの援助。

識字率は97%と政府は発表しているが、実状は違う。カトリックの影響で中絶が禁止されており、若くして妊娠し、産まれるころには男が逃げている例が多い。男性は避妊を好まない、知識も少ない。10代前半で妊娠出産し、小学校や中学校を中退する人も多い。自分の名前は書けるが、字は読めない、そんな女性達が貧困地域には多く存在する。

若い女性の場合、手軽に売春という仕事で現金収入は得ることはできるのだが、知識がないばかりに、家庭が十分機能しないばかりに、負の連鎖が続いている。支配者層や、お金持ち、男性達は、それを必要悪と思っているのか、あまり変えようとしていない。そんな貧困地域の子ども達に少しでも教育の機会を与えようと、現地NGOが活動しているのである。

カオリちゃんの職場の同僚を撮影。コロンビアは美女世界一!の国です。ダントツの世界一です。皆がセクシー、開放的。どこもかしこも美女だらけで驚いてしまいます。男性もセクシーで格好いい人が多いです。

ちなみに美人が多い国。アジアではベトナム、欧州ではロシア、アラブではレバノン、アフリカではエチオピアかな。 


日本語教室

カオリちゃんは、無償ボランティアで日本語教師をしていました。ですが、本来の仕事ではありません。現地の人に少しでも日本に興味を持ってもらおう、日本語を勉強したい人を助けたい気持ち。貼り紙と口コミで生徒が集まっています。生徒は授業の教科書コピー代だけ支払います。教室は、大学の空き教室を夜に使用させてもらっていました。カオリ先生は素晴らしいです!

  


グループホーム 

10代後半の青少年が共同生活する場所です。貧困層で育ち、身寄りのない青少年を、大学に行かせる(自立する)まで面倒を見ます。少年院に入っていたり、マフィアに入っていたこともあったりしますが、基本的には選ばれた青少年達。個室が与えられ、ルールのある集団生活のもと、社会生活に必要な知識と経験、学力を得ます。皆、仕事をしながら学校に通っています。

ホームは国の予算で運営されており、「ドラッグの禁止」「窃盗の禁止」「酒類の内持込禁止」「門限の遵守」「留年の禁止」などいくつかの厳しい規則が定められ、それが守れない少年は退所となります。このホームに入所するということは安定した生活の保障と共に高校・大学への進学のチャンスを手にする、ということを意味し、少年院や児童養護施設、里親家庭の青少年の中には入所を希望する子は少なくありません。

運よく、定員10人のこのホームに入所できた少年は素行がいいことはもちろん、学校でのよい成績が求められ、留年するような子はホームから出して、進学の意志と能力のある別の少年にチャンスを与えるという考え方。厳しいルールのもと運営が行われています。

このグループホームは、コロンビアでも画期的な初めての試み。劣悪な環境のもと、身寄りのない子どもは施設に入れられることが多いのですが、きちんとしたケアと環境のもと自立を目指すもの。カオリちゃんは立ち上げから協力していました。

グループホームの中心人物は、上の写真右から2人目のナンシー。パワフルで肝っ玉が座っています。彼女自身、貧困地域で育ち、今では立派なソーシャルワーカーとして活躍しています。

カオリちゃんの任期は2年。その任期が終わりそうなときに私は訪問しました。任期最後の仕上げとして、カオリちゃん発案の「性教育プロジェクト」に、なぜか私も参加することになった。コロンビアの学校では性教育は行われておりません。望まない妊娠がとても多いのも事実。10代前半で妊娠したり、学校に通えなくなり貧困を誘発するなど起きています。ちなみに、グループホーム10名の青少年の平均童貞喪失年齢は12.7歳です。

性教育といっても堅苦しいものではなく、すごろく遊びをしながら、設問に答えたり、自分の意見を述べるもの。人それぞれ考え方は違いますが、こうやって話し合う機会は大切です。ソーシャルカウンセラーの勉強をしている、ナンシーの教え子も参加しました。

カオリちゃんは良き姉?として、グループホームの皆と家族になっていました。目の前で人が殺されたり、家族に捨てられたり、物心つかないときから犯罪に加担させられたり、様々な境遇を持つ青少年ですが、カオリちゃんの前では、かわいい子どもでした。


マニサレス散歩

マニサレスの産業はコーヒー。周囲の山には、ところせましとコーヒー園が並んでいます。現地で飲むコーヒーは、うーんまあまあ。良質(高価)の豆は輸出されますから。日本の喫茶店のコーヒーのほうがおいしいです。そりゃ値段が違うか。

町の中心部には、携帯電話と書いた看板をぶら下げた人が多くいます。彼らは、携帯電話を貸し出し、1分単位で通話料金を請求する。とても面白い商売です。コロンビアでは携帯電話は高価であり、金持ちしかもっていないため。
雇っているボスがいるのかもしれませんが、車イスの人にもできる商売ですね。

現地で知り合った日本人女性旅行者(コロンビアが気に入り4ヶ月以上も滞在中!)と、カオリちゃんの友達(マニサレス剣道部の主将と副主将)と一緒にランチ。

大きな魚を5人で分けて食べました。コロンビア料理の定番サンコーチョ(スープ)も一緒です。ボリュームたっぷりで大満足。地元民はさすがに美味しい店を知っていますね。レストランの店員さん。ノリが良く、魚を持ってきてくれポーズも取ってくれました。 さすがコロンビア人。陽気です。

食事の後、カオリちゃんと剣道部主将アレハンドロにマニサレス市内の観光案内をしてもらった。美しい夕日が眺めれることで有名な「チプレの丘」。町で最も高い場所で、周囲が一望できます。丘の最上部には、町を開墾した最初の家族の銅像が飾られています。

地元民の憩いの場でもある丘には、屋台やレストランがありました。OBLER(オブレア)という、炭酸煎餅みたいなものに、練乳やジャムをはさんだお菓子を食べました。甘くてとっても美味しいスイーツです。うーん感動!

フルーツ屋台では、ボロホという現地人の夜のお菓子(精力剤)フルーツも満喫。熱帯、亜熱帯、ジャングル、山間部、海岸線、豊富な種類のフルーツがあるコロンビアです。

剣道部主将アレハンドロは、カオリちゃんの彼氏とからかわれるぐらい、とても仲良し。剣道をしているだけあって日本的な性格。律儀な青年です。素敵な景色をバックに記念撮影です。


マニサレス写真館(かおりちゃん撮影)

マニサレスは、コロンビアで一番親切な人がいるところ、治安が良いところと言われます。教育水準が高いのが一つの理由です。大学の町でもあります。ぜひ観光にオススメです。友人カオリちゃんが愛するマニサレスの町。彼女が撮影した写真を紹介します。 大聖堂と広場の彫刻。ここが町の中心となります。

 

市庁舎と壁画。スペインが開拓した町であります。 

チプレの丘から見たマニサレスの町並み。


サルサ

マニサレス滞在最終日。私のたっての希望で、サルサを踊りにいきました。ちょうど剣道部の試合前夕食会が行われていたので、彼らと一緒させてもらうことに。

コロンビアはサルサが町に溢れています。タクシーに乗ってもかかる曲は半分がサルサ。商店から聞こえる音楽も半分がサルサ。こんなにサルサがかかりまくる国は初めて。ちなみに南部のカリがコロンビアサルサの本場です。

サルサを踊りたい。病み上がりの私ですが、せっかくなので少しだけ踊りました。若者が集まるエリアには、音楽が流れるカフェやバーがたくさんあります。そのうちの一軒に入店。店の奥に踊れるスペースがあり、気軽に踊ります。

コロンビアの女性と少しですが、サルサを踊ることができて満足です。カオリちゃんとも踊っちゃいました。連れていってくれた、マニサレス剣道部の皆さん、ありがとうございます。


誕生日

帰国日は、私の34回目の誕生日でした。カオリちゃんが覚えておいてくれ、彼女が一部屋借りているホストファミリーがお祝いしてくれました。ケーキを買ってきてくれてビックリです。ありがとう!

空港に送ってもらう時間は、カオリちゃんの一番弟子ジョアンの日本語レッスンと重なりました。ジョアンは飛び級して大学生になった優秀な生徒。日本語も上手です。カオリちゃんは色んな人に囲まれて、幸せなマニサレス生活でした。人懐っこいコロンビア人とぴったんこ。

ダントツ世界一の美人国、人なつっこさ、サルサが溢れる街角、新鮮なフルーツジュース、コロンビアはとっても良い国でした。ゲリラがいなければ非常に豊かで幸せなところでしょう。


ところで、肺炎は帰国後すぐに近所の病院で検査したら、完治していました。カオリちゃんには色々案内してもいましたが、マニサレスでは無理はせず、ゆっくり静養したつもりです。多くの方に迷惑をかけましたが、無事で良かったです。お騒がせしました。


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