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カンボジア旅行(4)

1999/12

陸路でバンコクへ


悪路の評判

来た道をそのまま帰るのは面白くない。飛行機で来たから、帰りは陸路でバンコクに戻ろう。出発前に色々と調べたと結果、すごい噂がいっぱいあった。

 噂1: 一日に10数人しか外国人は国境越えしない。 ←   50人くらいはいるでしょう。
 噂2: でこぼこ道で前を走っているバスの車体が消える。   ←  消えることはありません。
 噂3: すごい悪路なので現地の人も乗りたがらない。   ←  本当です。
 噂4: 早朝に出発して深夜に着く。  ←  本当です。 時間がかかります。
 噂5: こんなにひどい道は世界でもそうはない。  ←   確かにそうですが耐えれないことありません。
 噂6: 雨季には通れないこともある。  ←   そう思います。雨季は道がなくなるところもありそうです。
 噂7: 落ちそうな橋がある。  ←   やばすぎる橋があります。落ちている車もあります。
 噂8: ポルポト派の残党が襲ってくる ← そんなことはありません。嘘です。

シェムリアップで情報収集をすると、みんな結構乗って来ているし(バンコクより)世界を100ヶ国以上旅しているイタリア人なんかは、「楽勝、楽勝。 車イスの君も行けるよ」と言ったので、旅行代理店でチケットを手配する。

自分で早朝、ピックアップトラックを捕まえ、乗り換えてバンコクまで行ってもよかったが、乗り換えの際に介助とか必要なので全部パックになったツアーの方がいいと判断した。値段の違いは2、3ドル。ゲストハウスまで迎えに来てくれるし、助手席もキープできるし、チケット購入を決定した。


ダンシングロード

早朝6時、時間になっても迎えのピックアップトラックは来ない。チケットも簡素なもので約束時間も記入していないので、だまされたかと思って焦るが、そんなことはない。ただの遅刻だった。結局、6時30分に出発。

何でも自分で手配してしまう私だが、ゲストハウス「タケオ」の女主人「マム」さんは、何で私に相談してくれないの!もうちょっと安くて確実に手配してあげるのに!と怒られた。

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早朝の出発前、マムさんと、前のカフェで働く姪と、おっちゃんと記念撮影。

遅れてきたピックアップトラックは、俺を拾った後は、他の乗客を迎えに行き、更に荷台に余裕があるので、バスターミナルの辺りをうろつき他に乗る人がいないか探して、結局8時くらいにやっと出発した。

ダンシングロードと呼ばれるところは、かつては舗装されていただろう道が風雨のために、道路のあちらこちらに穴が開き、舗装がはがれ、その土をえぐりファミコンソフト「エキサイトバイク」に出てくる道のようになっている。1m、2mの穴だらけである。もともと雑な作りであったのと、通る道がポルポト派が以前に拠点にしていた地域なので補修が全くなされずにいたのであろう。

現在は、ポルポト派は壊滅し、通行も安全である。

また、タイから工業品を運ぶ馬鹿でかいトラックも通行する。人を運ぶ四輪駆動のピックアップトラックも通行する。よってさらに道がえぐれる。そして、2時間は舗装が完全にはがれた道を進む。お尻が浮くことはしょっちゅう。後ろに乗っていた人は気分が悪くなって倒れる。私もずっと夢心地。上下の揺れならいいけど、左右前後の揺れだもんな。シートベルトをしていないと跳ね飛ばされる。必死にしがみつく。そんなことが、永遠に続くような気がした。 しばらく進むと、大渋滞にぶつかった。

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遅々として進まないので、他の乗客が見に行くと、橋を渡るのに渋滞しているらしい。トラックも橋から落ちているらしい。渡れなかったら、帰れないぞ。かろうじて橋はあるみたいだが、渡るのが大変みたいとのこと。自転車やモータバイクは、道の土手から降りて、自転車、モータバイクを担いで川を渡っている。ここぞとばかりお菓子やジュースを売る物売りまで出現して大繁盛。 のんびり待ちますか。

待つこと一時間半。ようやく順番が廻ってきた。俺の車の運転手は乱暴もので、横入りしまくって順番をかせいだが、本来ならもっと時間がかかった。

橋の両方から車が来ているので、渡った後も横入りの車が道路にはみでており、通行にも苦労する。互いの側から渡り合い、お見合いして渡れなかったり、ルールもくそもなく、無秩序な効率の悪い、強者のヤクザものだけが通れる橋の通行。

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橋を渡り終えて、シソフォンという街についたら、14時くらいだった。シソフォンでピックアップトラックの乗り換えだ。

お腹も空いたし、のども渇くし、飯が食いたいが、乗り換えの時間は5分もない。飯ぐらい食わせてよ。食堂もたくさんあるのにと思っても、運転手は早く出発したがって、せかされる。車には執拗なまでに、物売りの子ども達が寄ってくる。窓は開けられない。パンとバナナとコーラしか買えなかった。

この後もシェイクする道が続くので、気分が悪くなるといけないので控えめにしようと思うが、食欲があったので、たくさん食ってしまう。2時間強揺られながら、ようやく国境の街につくと、歩いて国境を越える。国境地帯は一大ビジネス拠点で商人が行き来していて賑やかだ。そして、タイの国境の街アランヤプラテートで、バンコク行きのワンボックスに乗り換える。

ところで、国境を越えてタイに入ると、どでかい市場があった。国境を超えただけで、売っているものもぜんぜん違う。商品の数は100倍以上だ。カンボジアとの違いを痛感する。バンコクへのワンボックス車は、他の乗客を待って、17時過ぎに出発。バンコクに着いたのは、22時前だった。常宿まで送ってもらった。ラッキー。

結局、16時間の長旅であった。 ほとんど車内で乗りっぱなしであった。。。

そして、長い間、車の中でシェイクされたので、内臓も同様にシェイクされていた。お腹が痛くなってきた。ホテルに入ると、トイレで格闘であった。ぎりぎり間に合ったからよかったけど、もう一歩の違いで漏れそうだった。笑い事ではなかった。腰も痛かった。助手席という一等席でもきつかった。無理して体を痛め、寿命が縮まった。

もうひとつ、車イスはずっと荷台に詰まれていた。乾季だったので砂が舞い込んでくる。青色の車イスが、茶色になっていた。雨季だと、びしょびしょになるだろう。かばんは荷台の客の座席になるので。つぶされます。根性試しの陸路越えでした。


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