中米6ヶ国巡り (7)
2009/12 - 2010/01
進んだバリアフリー / コスタリカ
中米の優等生 国境審査が厳しい。出稼ぎだろうか、ニカラグア人が多い。経済格差のある証拠。ニカラグア側の出国窓口に段差があったので、誰か手助けを呼ぼうかと思ったら、声をかけてくれる人がいた。出入国の手伝いなのか、両替屋なのか、職業はわからないが、手続きを代行してくれ、コスタリカ側の国境まで案内してくれた。非常に助かる。お礼にと余ったニカラグアの小銭を渡した。 コスタリカは中米の優等生。政治も経済も観光も、他の中米諸国より数段進歩している。足を踏み入れた瞬間から、それが感じ取れる。道路もきれい。秩序だっている。街へと移動するバスに時刻表がある。切符がある。降車ボタンもある。これまでの5カ国にはそんなのなかった。
なにより最初の衝撃は、来たバスの正面に車いすマークがあること!バリアフリーに関する取り組みを見せられると、民主的で、近代的。隣国との違いを見せつけられる。
バスの後ろにはリフトがついていた。でも、壊れていた。やっぱり。運転手は、次のバスに乗ってと言われたが、次も壊れている可能性が高いので強引に乗ることにした。リフトのある場所は広いので、車いすのまま容易に持ち上げてもらえる。車内にも車いすスペースがあり。こりゃすごい。快適です。 国境のペーニャブランカスから、リベリアという町までの公共路線バスは、1200コロン(2ドル)。ニカラグアは平坦な乾燥した土地であったが、コスタリカに入ると密林の山道に。空気が濃い。2時間弱で、リベリアに到着した。
リベリアのバスターミナル。スロープあがる。公衆電話の高さが違う。赤い車はタクシーだが、その1台に車いすマークがあった。リフトはついていないのになぜか。通常はセダンだが、この車はバンだからマークがあるのかもしれない。天井の荷台も大きいし。
バスターミナルで昼食。何軒か食堂もあるが、一番繁盛している店に入り、ランチセットを注文。2000コロン(350円)と、ニカラグアの倍ほどの物価になるが、美味しかった。豆と御飯、ステーキ、サラダ。翌日の朝食もこの店でとった(右写真)。典型的な朝食。ピント(赤飯)と卵。カフェオレ。
コスタリカの街中にはスロープがばっちり。リベリアで泊まったホテルも、バッチリ。
ニカラグアで紛失したクッション。ホテルに荷物を置いたら、早速、代わりを探した。幸運なことに、ホテルの前にホームセンターがあった。そこで、ソファーのクッションを購入。紺色で色も合う。サイズもピッタリ。座り心地は良好。800円なり。雨が降れば濡れてしまうが、これで旅が続けられる。ちなみに、右写真は別の大型スーパー。バリアフリーされています。すごいでしょ。 首都サンホセ リベリアから、首都サンホセへの移動は長距離バス。もちろん切符がある。事前予約も可能。バス乗場に大きな垂れ幕があった。バリアフリー推進のシンボルか。嬉しくなる。
秩序だったバス乗場。一番最初に乗せて欲しいとお願いすると、すぐに理解してくれ、15分前に優先搭乗。中に入って驚いた。最前列が優先席。障害者、高齢者、妊婦、赤ちゃんなどのため。電車では、日本で見かけるけど、バスで初めて見た。素晴らしいアイデア、取り組み。私の隣には、赤ちゃん連れの女性が座った。
首都サンホセで泊まった中級ホテルには、広いバスルームの車いす対応部屋が2つもあった。最上階のレストランのトイレも一つが広くなっており、車いす対応。感動です!
サンホセ中心部。歩行者のみの道路がたくさんある。その周囲に、各町へ行くバスターミナルが点在する。商店やカフェ、レストラン、オフィスなどが、町の中心街に集まり、活気がある。
サンホセは山に囲まれた盆地。起伏の多い町。車いすでは歩きにくい。地理的制限はあるが、段差解消や歩行者専用道路など、車いすに優しい町づくりがされていた。中米のフライドチキン屋さん、ファーストフードの店にも、車いす用トイレがあるのは驚いた。
こちらは、市場の中にある、地元の食堂街。海のスープを注文。ボリュームたっぷりです。主食のライスも付いてきます。
コスタリカの、2000コロン紙幣の裏面には、シュモクザメ(英名:ハンマーヘッド・シャーク)とイルカ。太平洋の沖には、映画ジュラシックパークの舞台でも有名なココ島があります。
コスタリカは、エコツーリズムで非常に有名です。熱帯雨林のジャングルウォークが目玉。トルトゥゲーロ国立公園や、モンテベルデ自然保護区などがありますが、私は行きませんでした。車いす一人では大変なこと、物価が高いことが理由ですが、面白そうです。再訪の機会があれば是非に。
車いすのクッション紛失というトラブルはあったものの、無事に中米6カ国を訪問。最後のコスタリカは、発展途上国のバリアフリーの見本となるような整備状況でした。素晴らしい国。サンホセ空港では、米国人の脊髄損傷らしき車いす旅行者を2名、見ました。日本人にとっての東南アジア、タイみたいな位置づけの観光目的地だと感じました。 |