極北の旅 (3)
2010/08
レンタカーで一周 / アイスランド
レンタカー オスロからレイキャビクへ飛んで、空港で車いすの友人キーヤンと合流。二人でオートマチックのレンタカーを借りて、丸4日間のアイスランド一周旅行をする。 お互いの到着が午後11時。そのまま空港で寝て、早朝に出発することにした。横になれるベンチが空港内に3つしかないため、冷たいけれど、床で寝ることにした。私たちと同様に、空港で朝まで過ごす人は10名ほどいた。全員がサイクリストで段ボールや寝袋を広げていた。アイスランド一周サイクリングは人気なようだ。この後、ドライブ中に多くのサイクリストを見ることになる。寒い。雨が多い。交通量は少ないが道は大きくない。結構大変だと思います。上級者コース。 さて、空港の床で眠りに入ったとき、午前12時を過ぎたころ、警備員が大声で注意しにきた。「床で寝るな!」。深夜は誰もいない。誰にも迷惑をかけていない。朝になれば起きるので問題ないのに、口うるさい。他の寝ている人達とも顔を合わせて、仕方ないため、ベンチで座って寝ることにした。寝ている様子は、キーヤンに撮影してもらいました。37歳になっても貧乏くさい行動。汚くてスイマセン。 ところで、私は前夜もトロンハイム空港で野宿をしていた。オスロへの格安航空の便は、早朝が最も値段が安かったのが理由の一つです。オリエンテーリングの宿舎から空港まで、バスで行けるだろうと思ったが甘かった。間に合うかギリギリ。階段しかない小さな飛行機だろうし、搭乗時間直前に空港に着くのは非常にギャンブル。それにリムジンバスは階段である。慎重を期して、夜11時、最終電車で空港に行っていた。 2夜続けての空港野宿。節約できたのはよいが、体力が落ちてきた。さすがにしんどい。疲れの取れていない身体。眠気とも闘いながら、運転することになった。
ゴールデンサークル 空港からレイキャビクを通過し、シンクベトリルという、大地の裂け目を見にいったが、早朝のため誰もおらず。車いすで歩くのは不可能な場所でもあったため、そそくさと見学を切り上げ、ゲイシールへと移動した。 数分毎に30メートルほど大地から吹き上がる間欠泉。硫黄の匂いが漂う。アイスランドで最も有名な観光地。米国イエローストーン国立公園で見たので感動は少ない。とりあえず記念撮影。
グドルフォスの滝。溶岩台地に氷河から流れる巨大な滝。圧倒される大きさ。下の駐車場からだと車いすで近くにアクセス可能。屈強な介助者がいれば、滝横へと続く道も車いす可能。ぬかるんだ道。車いすだけ2名。無理して見るまではないと判断。それでも充分に眺めることができました。
アイスランドには幾つもの滝があります。氷河からの豊富な水。溶岩地形による段差。幾つもあるため、見慣れると飽きてくる。素晴らしいのだけれど。日本だと、どれもが名所になるだろう。旅のしすぎか、年齢なのか、感動は少なくなっているは、寂しい。 この下の写真は、北アイスランド ゴーザフォスの滝。散策路が整備されています。段差もなく路面状態も良かったので、車いすでも少し近づけました。溶岩が固まったガタガタ道を歩いていけば、滝のすぐ横まで行くことができます。転倒に注意しましょう。 フーサヴィーク 鯨ツアー 2日目。北アイスランド。北極海へと鯨ウォッチングのツアーに参加しました。 49ユーロ。所要3時間。乗り降りは、親切な船員達が車いすを担いでくれた。有難い。
出発時間は限られるが、大きな船に乗るのがいい。なぜなら波に揺られにくいから。寒い風雨をしのぐ屋根があるから。完全防寒で参加してください。 ときおりの小雨で、体感は5度くらい。8月中旬です。日本は猛暑なのに、こちらは寒い。人がいない大自然。静かな海です。 鯨は、ほぼ確実に見ることができます。大きさは小さいです。息継ぎのため、浮上するときに、黒い背中がくるりと見えるのです。何十回と見ることができました。
同行のキーヤンは高性能カメラを持参。100枚以上撮影し、1枚だけ鯨が写っていました。その貴重な写真です。ありがとう、キーヤン。 約3時間のツアーを終えて、港に戻ってきました。小さな港町です。風にあたり、空気を感じ、大自然に触れるのは良いものです。生の体験に優るものは無し。最高でした。 余談ですが、首都レイキャビクでは、鯨料理を提供するレストランもありました。メニューが記載された看板を撮影。時間がなかったため食事することはできませんでした。非常に残念。アイスランド人に聞くと、鯨は一般的にはあまり食べないようです。高いからか。あまり取っていないからか。牛肉、羊肉の方が美味しいからか、理由はわかりません。 ミーヴァトン湖 フーサヴィークの鯨ツアーを終えて、ミーヴァトン湖へ。ディムボルギルという、溶岩地形の場所を観光。売店の近くに展望台があったので写真を撮る。散策コースがたくさんあり、人が歩いている。段差がなさそうなので、車いすで突入することにした。何かあっても人がいるから、助けてもらおうと楽観的に考えた。 予想通り、車いすで降りることができました。中央部の一部の道だけ段差がないため、車いすでアクセス可能。しかし帰りは、上り道。ダートだし、車いすは大変。周りの人に後を押してもらい脱出しました。
ディムボルギルの売店。一つしかないトイレが、車いすでも利用可能な、ゆったりトイレ。ユニバーサルデザインですね。アイスランドは、このゆったりトイレの整備が非常に高く、快適でした。
夕食は併設のレストランで、名産でもある鱒(マス)を食べました。たんぱくな味で、日本で食べる紅鮭やサーモンの方が美味しいです。調理方法もイマイチでした。 ミーヴァトン湖周辺は温泉の宝庫。大地からグツグツと温泉が湧き出ています。日本の温泉地で見なれた光景ですね。
8月中旬とはいえ、日は長い。夜11時ぐらいまで明るい。これが6月下旬なら、ほぼ24時間明るい。長い一日、最後の締めは、温泉へ。ゆっくりと日が暮れるまで入りました。源泉かけ流し。ぬるぬるのお湯。場所によって温度が違う。露天で水着は着用です。
温泉に入った後、そのまま広い駐車場の隅に自動車を停めて野宿。夜は気温が下がるのですが、温泉の近くなら暖かいのも、この場所に決めた理由です。純粋に野宿の理由は、お金の節約。ミーヴァトン湖周辺は安宿がなく、一人1万円以上するからです。それにレンタカー料金がとても高いので、宿代を節約しないといけません。 シーフード堪能 3日目。南東部へ移動。フィヨルド地形の谷をくねくねと運転して、ヘフンという漁業の町に到着。遅めの昼食は、手長エビ&ザリガニなり。 それぞれ、5,950 アイスランドクローネ (4500円)。高級ですが、めちゃ美味しい。価値ある出費。 節約のため、前菜や飲料を頼まなかった。でも大丈夫。水がとってもとっても美味しいアイスランド。日本のように水は無料でもってきてくれます。
この高級レストランにも、車いす対応トイレがあったのには驚きました。男女一つずつあるトイレの女性用トイレが、広くなっていました。掃除道具置き場も兼ねていましたが。バリアフリーが進んでいるひとに、嬉しくなりました。
氷河ツアー 斜面を利用した乗場は、段差なし。天候は晴れ。神秘的な青白い輝き。数千年前の氷の味は、どこまでも透明でした!!!
映画の撮影も良く行われています。 「007 ダイアナザーデイ」、「トゥームレイダー」など。他の映画でも、ここの氷河が撮影され、CG加工されているなというのは、多々あります。それだけ美しい氷河。
湖の深さは、300メートルとのこと。我々の目で見えている氷は全体の10%。残り90%は海底の中。よって氷塊はとても大きいとのこと。理科で習いましたねー。タイタニック沈没とか。また、すぐ先は海なので、海水が混じっているとのこと。
約40分。 3000 クローネ or 20 ユーロ。乗場にスロープあり。車いすでの乗船可能。必見のツアーです。 南アイスランド
温泉プール
レンタカーの傷 お金をケチって、4WDではなく普通車を借りたのに、内陸部のダート道へ。想像以上に荒れた道。穴ぼこや岩にぶつけてパンクしないか恐怖。心臓に悪い。過去にアフリカで2回パンクを経験しているため、その苦い過去が蘇る。氷河や火山、雄大な景色を楽しむ余裕はなく、疲れました。中央部縦断はしないほうがいいです。
空港でレンタカーを返却するとき、傷がついていると指摘をされた。運転中に何かをこすったり、ぶつけた記憶はない。内陸のダートで岩が当たったのかもしれないが、わからない。借りたときから傷があったのかもしれない。深夜に借りたので、暗くてこんな傷までわからない。これぐらい小さい傷といったが、AVISレンタカー会社は、保証をしろと請求する。5万円の追加出費。参った。いくらなんでも高すぎる。もっと安くしろと言ったが、無意味。規則の一点張り。もう AVIS は借りたくない。ちなみに、借りる際に保険には加入していなかった。保険代でも3万円はするから。
5泊12日 今回、12日間の旅行でしたが、ホテルに泊まったのは(ベッドで寝たのは)、5夜だけでした。残り6泊が、空港ロビーの長椅子であったり、自動車の中であったり、飛行機の座席であったり。。。物価の高い国々。少しでも節約をと無理して、半分以上が野宿という日程に。情けないやら、逞しいやら。 |