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イスラームの世界へ (11

2012/09

格安航空のサービスチャージ / イラン、パキスタン


イランの地方空港にて

イラン南部シラーズから、シャルジャ(UAE)経由デリー行き「エア・アラビア」という格安航空を利用した。1万8000円と破格の値段。シラーズ空港で搭乗するとき、スペシャルアテンダント(介助)サービス利用料を支払ってくださいと言われた。昇降車の利用など飛行場に支払いが発生するので、その負担は乗客にという考え。50ドル。ちなみに荷物を預けると格安航空なので料金発生するが、車いすの預け代は無料。

航空券の元値が安いので、追加サービス代の支払いは構わないが、イランの国内線が40ドルで乗れるのに、国際線とはいえ、航空券の代金より高いのは、なんだかなあ。せめて20ドルぐらいなら納得なのだけど。

お金を払いたくない! 介助は要らない! と主張していたら、どうなるだろうか一瞬、考えた。50ドルの節約になるなら、階段だけど、這って乗る、周りに担いでもらうことも選択ではあるが、搭乗拒否されるのが怖い。このとき私に同行者がいたら、50ドルの支払いを拒否していたかもしれない。

でも、結局は支払うことに。

シラーズ空港のトイレ。一般的にはアラブ式。ぼっとんです。

新しい空港なためか、一番奥に、車いす対応の洋式トイレがありました。まあこんな感じです。

 

空港の売店で売っていた「チョコパイ」もどき。ロッテではなくオリオン。はい、パクリ品です。味は日本で食べるものと少し違ってましたが、大筋で似通っていました。規制や制裁があり、外国製品がとても高いイランでは、コカコーラのパクリとか色んな類似品があります。

出発のシラーズ空港では、昇降車を使っての搭乗。到着のシャルジャー空港では、ブリッジがついたので簡単に降りれた。

UAEのシャルジャー空港では一旦外に出て、ドバイの街へ出た。そして、デリー行きのチケットカウンターでは再び、手続き。イランでは、シャルジャー空港でもスペシャルアテンダントのサービス料の請求があると言われていた。しかし、何も追加請求が無くてホッとした。ただし、車いすをビニールで包む料金(20AED=450円)を請求された。安全に輸送する経費と思うしかない。日本の航空会社だと、専用の大きなビニール袋に包んで車いすを輸送してくれます。もちろん無料。

ところで、UAEの格安航空「エア・アラビア」。経費削減のためか客室乗務員は2名のみ。男性と女性のペア。車いすが機側まで届けられるまで待っているときに、20代の若い男性乗務員と雑談をした。アルメニア人。アルメニア語、トルコ語、アラビア語、英語、スペイン語、少なくとも5ヶ国語を話すマルチリンガル。キリスト教徒でしょ?イスラム社会で働いて大丈夫なの?と聞いたら、その通りと回答。

仕事のためならイスラム世界で生活するのは仕方ないこと。敢えて自分がキリスト教徒とは言わないらしい。余計な摩擦になるから。仕事には関係のないこと。イスラム一色というわけではない国際的な都市に発展したドバイや、UAEですね。


パキスタンの空港にて

ラホールからドバイへの移動は、「エアー・ブルー」というパキスタンの格安航空を利用した。これまた現地の空港、搭乗カウンターで介助費を請求された。40ドル相当の現地通貨。厳しいセキュリティを通過したのに、また外に出て事務所で支払う必要があった。それにしても高いなあ~

ちなみに、ラホール空港は完全バリアフリーだった。もちろんマイルストーンの尽力。

搭乗ブリッジもあるし一人で飛行機へと向かう。座席は最前列にしてくれる配慮があった。よって、自分の車いすから座席へは介助なしに簡単に移動。なんのための40ドル?何も手伝ってもらってない。

目的地のドバイ空港に到着。車いすを機側まで持ってきてくれたので、これまた自力で降りた。しかし、スペシャルアテンダントの係員が来ない。扉の外で15分待っても来ない。しびれを切らし、一人でエスカレーターに乗って移動することに。40ドルのサービス料を支払っているのに、サービスが来ないとは問題である。もちろん返金は無し。

障害者へのサービス料を考えてみる。

他の乗客の料金で補填することに同意は得られるのか?空港税や保険料のように「障害者へのサービス料として200円徴収します」。10万円の航空券だったら割合は低いので、理解は得られるかもしれないが、5000円の航空券だと同意を得るのは無理だろう。

日本でも世界でも、格安航空の障害者(歩行困難者や電動車いす)の搭乗拒否が起きている。ブリッジがなく昇降車での介助なら、1回20ドルぐらいの請求はあってもいいと私は思う。乗れることが最優先だから。それによって搭乗拒否をしないのなら。全員が乗れるのであれば良い。

具体的な解決方法としては、設備の工夫がある。階段でなく搭乗スロープを設置するのが最善の策。タイのバンコクで私が発表した資料があります。英語ですが簡単ですので、ご覧ください。

 ※関連資料  http://www.kijikiji.com/consultant/ronbun/lcc.pdf


現地の格安航空利用には不安がありましたが、何とかなりました。きちんとした大手航空を利用するのが安心なんですが、便の乗継が格安航空が良かったので、選択したのです。ともあれ、事故もなく、お腹を壊すこともなく、3週間の旅は無事終了。めでたし。めでたし。


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