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西アフリカ 修練の旅 (10)

2009/01 - 2009/02

99ヶ国目 / ガーナ


飛行機 日程変更

アクラでのミッションはただ一つ。飛行機の日程を変えて、日本へ帰国すること。飛行場には残念ながらエジプト航空のオフィスはなく変更不可。到着日は日曜なので、街にあるオフィスも休みのため、ホテルで休息して翌日に訪問することに。

エジプト航空のオフィスがあるOSUというエリアにホテルをとりたかったが、空港で手配してもらったホテルは、市内中心部から、かなり離れていた。タクシーに乗ること50分。市内に入る渋滞を抜けてOSUに到着。タクシー料金は8セディ(7US$)と安い。

航空会社のオフィスを探して、看板を見つけるが、ビルの2階だった。しかも、階段までも段差のある通路。ため息を飲み込み、通行人に声をかけて職員を呼んできてもらう。職員が降りてきて、「システムダウンでダメ。30分後に出直してきて」と言う。意味が分からないが、とりあえず時間をつぶしてから、出直すことにした。ところが待っている間に腹痛が襲う。 アカン!と思ったら出ていた。ほとんど液体。

ホテルに戻って、着替えたいところだが、空港で紹介されたホテルは市内の外れ。タクシーで1時間かかるので、遠すぎるし、お尻が汚くてタクシーにも乗れない。それに明日の便に変更したい。

人の少ない路上で応急処置をすることにした。パンツを脱ぎ捨て、ズボンやクッション、車いすや衣服に砂をかけて汚れや臭いを消す。路上に腰かけて、車いすと衣服を、日光にあてて乾燥させる。

30分後、また通行人に頼んで職員を呼んでもらうが、システムダウンで作業無理との返事。1時間後、ビルの下にいては様子がわからない。隣の銀行の警備員達に担いでもらう。歩ければ簡単に様子を確認できすが、何人にも頼んで担いでもらうのは本当に大変。航空会社のオフィスに入って、やっと彼らの言い訳が理解できた。インターネットが不通で予約発券作業が出来なくなっていた。

外で1時間半。中で3時間半、汚れたお尻でじっと待ったが状況は変わらず。合計5時間待っても、事態は変わらない。時刻は、14時30分になっていた。

見かねた職員の一人が「システムが復旧したら、すぐに変更してあげる。電話するわ」と助け舟。ホテルの電話番号と、私のメールアドレスを伝えて、航空会社のオフィスを出ることにする。出るのも階段なため、職員に頼んで降ろしてもらうが、エリート意識があるのか肉体労働は嫌がっていた。

あー! アフリカ! 何なんだ!

飛行機の日程を変更して、すぐ帰国できると思ったら、システムダウンとは。代替手段はないのか?うんちを漏らして、腹も壊すし、参った。1995年のチュニジア旅行以来、2回目の意気消沈。精神的に参ってしまい、やる気がなくなった。早く帰りたい!

腹がピーピーとはいえ、お腹はぺこぺこなので、露天で小腹を満たし、OSUを散歩。土産物屋を見て、床屋で髪を切ってから、タクシーでホテルへ帰ったが、なんと2時間かかった。ガーナの交通渋滞はひどく、環状道路から郊外に出る交差点が動かない。7セディ(6US$)の契約だったが、渋滞に巻き込まれて申し訳ないので、1セディを上乗せしたら、運転手は喜んでくれた。タクシー料金がとても安いのがせめてもの救いである。

エジプト航空から、ホテルへは電話はかかっていなかった。メールもきてなかった。翌朝、電話してみると、今日の便に、変更OKとのこと。夜の便なため、ゆっくりホテルで過ごして、午後にチケットを取りにいって、そのまま空港へ行くことにした。ガーナは、英語圏なので、有りがたい。これがフランス語圏なら、電話は無理だから。

午後2時、エジプト航空でチケット変更。またもや通行人を3名捕まえ、階段を担いでもらって航空会社へ。車いす一人旅。ちょっとした用事でも大変です。ときどき嫌になってしまう。

電話では、変更料75ドルと言われていたが、航空券には「変更料は60ドル」との記載がある。現場でも、75ドルと言われたが、私は70ドルしか持ってないため、現地通貨で払うと伝えた。すると職員が、ドルに両替するという。それも極端に悪いレート(1ドル=1.4セディ)で。職員も70ドルしか持っていないため、70×1.4=98セディで、OKとなった。

話がおかしいので、改めて、60ドルじゃないか?と主張した。航空券に書いているよとも。すると、あっけなく手のひらを返して、60ドルでいいことになった。

なんのことはない、初めから、職員は15ドルを抜こうとしていたのだ。エジプト航空の正規オフィスである。日本では有り得ない話。信じられない勤務態度である。主張したおかげで、余分な金を払わずに済んだ。


アクラ国際空港のカフェ

現地通貨が余った。空港には両替所はなかった。外にいって、立っている男性に闇両替してもらうことは可能だろうが、少額なので使いきることに。

空港に1つだけのカフェ。メニューを確認して店に入る。コーラは、1.20セディ(約1ドル)と書かれていた。それも汚いシールが貼られており、元の値段は1セディ(通常のレストラン価格)であったと推測された。コーラを注文し、2セディを支払うと、お釣りが、50セントしか返ってこなかった。

問い詰めると、やる気のない若い女性店員は「値段変更したのよ」と言う。なら、ちゃんと書いてよ! 私が注文したときに言えよ! アホか!

値段が高いのは構わないが、メニューで書かれている値段で請求してほしい。「変更したの」、「今度、書き換える」、ってなんやねん!そんなのが、まかり通るなら、なんでも値段請求できるやん。何をもって信用できるねん。お金は支払うが、店員に対して、めちゃくちゃ怒った。不誠実だ。不真面目だ。悪人だとも。

若い女性店員は、注文も取りにこなかった。メニューを持ってこなかったので、持ってきてと言った。腐った人間。働く気がない。無気力。接客せずにテレビばかり見ていた。小銭をちょろまかす最低の人間。国際空港やで。メニューがあるねんで。たまげるわ。西アフリカで最も近代化・民主化に成功したガーナの首都アクラでも、腐った人間はいる。これこそアフリカの病巣である。


ガーナ

たった3日間、首都だけの滞在。腹を壊し、チケット変更だけで、ほとんど観光せず。それでも感じたことがあるので、書きます。

ガーナの女性は直毛パーマが多かった。服装も西欧風で、旅行者の私には面白くない。イスラム地域のカラフルな衣装の方が面白い。

アクラ名物の交通渋滞。市内の西側にはいかない方がいいと思う。渋滞の合間に、路上の売子がたくさんいる。なんでも売っているのには驚いた。飲料、食料、新聞雑誌、雑貨はわかるが、衣類、日用品までなんでも。

西アフリカでは、ビニールパックの 500cc水が、あちらこちらで売っている。蒸留水かな?ペットボトルに入ったミネラルウォーターは、ジュースと同じ値段(50円ほど)だが、パック水は10円以下。でもカルキ臭くて、日本の水道水より美味しくないと思う。水道水が路上で売っている感覚かな。

アクラでは、車いすの人をほとんど見なかった。今回の西アフリカ旅行、他の国ではたくさん見たのに。交通量が多く、道が危ないアクラだからかもしれない。理由はわからない。

ガーナといえば、カカオの産地。ホテルの朝食には、ミロが出てきました。味は同じです。美味しかったですよ。


脱出

ちなみに、5週間の西アフリカ旅行、アクラ空港で初めて、車いす用トイレを見た。チェックインカウンターの横にあるトイレに設置されていた。英国風のバリアフリー設備。清潔で使いやすく、物置にもなっていなかった。鍵もかかっておらず嬉しい限り。身体の不自由な乗客は多くないため、空港職員がよく利用していた。

アクラから、カイロへの飛行機。搭乗率は10%以下で、ガラガラであった。座席3つを使って余裕の横寝。週5便飛ばしているが、経営は大丈夫なのか?心配してしまう。新しい機体で、安全ビデオが、手話つきの映像であった。エジプト航空のバリアフリーは良いね!字幕の方がより多くの人に便益があると思うが、少しでも配慮を考えていることは素晴らしい。


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