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友を訪ねて三千里
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2000/12 - 2001/01

ラマダン(断食月) / エジプト


ラマダン(断食月)とは?

イスラムには、1ヶ月間のラマダン(断食月)というものがある。宗教的な儀式は、1年365日のグレゴリオ暦より約11日短いイスラム暦を使用している。

断食期間中は、日が昇っているときに飲食、喫煙、性行為等をしてはいけない。だが、国や地域、人によって実行度、解釈はマチマチである。近代化のためラマダンをしていないところもあれば、唾さえ飲まない人がいる国、多種多様である。

また、現代においては、北から南まで世界中に10億のムスリム(イスラム教徒)が住んでいる。ラマダンもイスラム暦なので、夏に行われるときもあれば、冬に行われたりもする。例えば、フィンランドに住むムスリムが、夏の間、日が暮れない白夜にラマダンがあるとすると、一日中何も食べれなくて死んでしまう。そんなところでは、時間を決めて断食を行ったりする。子どもや、妊婦、病人、旅行者などは断食を免除されている。

ところで、どうして断食なんて習慣があるのでしょうか?食べ物の有り難さを、神に感謝するためである。同時に、宗教回帰の時期にも当たる。1年に、1ヶ月、自分を律するときがあってもいいのじゃないかという考えだと思う。

面白いことに、ラマダンのときは、人々の一日の摂取カロリーは、1年で最も高い。早朝と日没後にしか食事はできないが、そのときとばかりたくさん食べるのだ。さらに、ご馳走(肉料理など)がたくさん出るせいもあるだろう。お腹を空かして空かしてようやく食べれるのだから、豪勢に食事をするわけだ。

そして、1ヶ月のラマダンが終了したら、ラマダン明けの祭りが待っている。待ちに待った断食の終了日が来ると、日本のお正月みたいに楽しく過ごすのだ。


ホームレスに誘われて

エジプトのルクソールで、夕方、食事をしようとホテルを出たら、街は賑やかに変身していた。昼間は閉まっていたレストランも人で溢れていた。どこで食事しようかなとテケテケと歩いていると、地面に座る人から声をかけられた。

「ねぇ、あんちゃん。 ここに来て一緒に食事をしねぇか? うまいぜ」 たぶん、アラビア語でそう言った。昼間は車が通る道路にテーブルが並べられ、たくさんの人が座って食事をしている。戸惑う私に、周りの人も、手招きして来いという。

よし、こうなりゃ私も座って、一緒に食べよう!

この路上レストランは、貧しい人や家のない人、未亡人などに施しをするものだった。前にあるレストランのお恵みである。もちろん、誰でも無料で食べられる。よって、食事をしている人たちは貧しい人たち。私を呼んでくれたのも、車イスに乗るホームレスのエジプト人だった。

なすびのトマト煮込みに、サラダ、モロヘイヤのスープが本日のメニューだ。肉料理もあったが、人気ですぐなくなってしまった。昼間は車が通る路上を占拠しての大食事会。貴重な体験になった。


エジプト料理

美味しいです。野菜もたっぷり。味付けもいい。期待していなかっただけにビックリ。なすびをトマトで煮込んだ料理がおいしかった。市場には色んな野菜が並んでいます。

エジプト料理で有名なのは、鳩料理。中に詰めものをして、焼き上げます。ただ身が多くないので、おいしさはわからなかった。鳩は、地中海沿岸のフランスやイタリアでも食べたことあり。胸肉が脂っぽくなく健康的な印象あり。

上の方にある円いものは、エジプトのパン「ホブス」。あの上にオカズを盛り付ければ皿になるし、それをちぎって一緒に食べる。ホブスにオカズを包んで、弁当にもなる。ゴミゼロと環境に優しい。皿や包みが食べれるのだから。


エジプト航空

エジプトを強行軍で観光した後、イエメンに向かう飛行機を待っていた。すると飛行機の出発時間が2時間遅れると急にアナウンスが入った。あわてて飛行場に来たのに、そして、イエメン到着が深夜になって、うっとぉしいなと思った。

しかしながら、同じ飛行機に日本人の乗客がいたので待ち時間は楽しく過ごせた。その日本人は26歳。彼は、英語がまったく話せないのに世界70カ国以上旅をしている、ある面すごいつわもの。スペイン語がまったく話せないのに南米も制覇している。ある面おどろき。私もそうだが、怖さをしらない日本人だ。

彼のことを少し書くと、趣味は釣りで、旅先で、いつも釣り糸をたらして過ごしているのだそうだ。それから、ピラミッドに登るのも趣味で、夜中3時に忍び込んで登るらしい。今は、ピラミッド登頂は違反行為。警察のお世話になることは毎度らしい。掴まったときは、言葉が出来ない、事情を知らないというのを強みにしているのだろうが。。。

そんな清水くんと出国審査するときに、顔見知りになった同じ便の乗客がいた。その彼が、17時30分、ちょうど断食が終わる頃、飯を食いにいかないかと我々を誘ってくれた。私は、もしやと思い、彼の後をついていった。エレベーターに乗り上がった2階は広いレストランだった。座席には食事の用意がされている。

無料(タダ)メシだ!

エジプト航空からのお恵みだ。飛行機が遅れたのは、ひょっとして乗務員が飯を食べるため?いずれにせよ、飛行機の時間が遅れたので、エジプト航空のタダメシにありつけた。

このタダメシを誘ってくれたのは、ガザに住むパレスチナ人。彼は、イエメンに国費で留学している。 そして21歳ながら、なんと婚約者までいるのだそうだ。さらに、テーブルが4人掛けなので、もう一人、レバノン人男性が加わり、賑やかな食卓となった。 

さて、出てきた料理はというと、豪華なサラダに、リンゴに、豆のスープ。メインはヒツジのカツレツだった。ジュースと水、コーヒー、紅茶もついている。パンは食べ放題。もちろん、味は一流。ここでビックリしたことがあった。レバノン人は、出されたヒツジのカツレツを、ウェイターに差し返して、チキンを注文しなおした。

無料なのに、注文をつけるのかー。

すごいっす。施しを受ける方が、下手にでることはないようです。私と清水くんなんて、無料で貰えるなら何でもおいしい、おいしいと言っていたのに。そして、さらに驚いたのが、注文しなおしたチキンも、少しだけ食べて、ほとんどを残したこと。持ったいねぇー。もったいないお化けは出ないのかな?

ところで、ラマダン中ずっとエジプト航空が、こんな豪勢な食事を提供しているとは思わない。この日は、エジプトでは、ラマダン最後の日だったはずなので、大晦日の大サービスなのかな?いずれにせよ、ラッキー!!


お正月

イエメンでは、ラマダン明けの休み、いわば日本の正月休みににぶち当たった。街中では、女の子がひらひらとしたレースのついた衣装で着飾り、手にはヘンナをしている。男の子も背広など着ちゃってかわいい。もちろん貧しい家の子は着飾っていない。大人達が一生懸命、子どもにおべべを着せるのは日本と同じなのねん。写真は、取りづらかったけど、なんとか一枚取りました。

 

また、ラマダン最後の大晦日の夜、イエメンの首都サナーの中心街には多くの店が出ていた。明け方まで一晩中、お祭り騒ぎ(といっても人が街に出ているだけ)が続く。

その中でひときわ目立ったのが、背広屋。イエメンの首都サナーの男性のお洒落は、民族衣装の上に背広を羽織ることである。色取り取りの背広が並ぶ。値段は2000円~3000円くらいと物価にしては、なかなかの値段と思う。荷物になるから買わなかったが、なかなか物は良かった。

つづいて、同じく明け方まで開いていた屋台。お好み焼き研究家の「きーじー」としては、イエメンのお好み焼きを見たからには書かねばならぬ。ドラム缶をひっくり返したような鉄板の上で、それは焼かれていた。ナンに近い味であった。ねぎが具に入っていた。

お好み焼きというより、イエメンのファーストフードですかね。子どもが一生懸命焼いているのが印象的でした。


カイロのお姉ちゃん

イエメンを観光し、ジブチ訪問にも成功したが、トランジットでカイロに戻るはめになった。事前に購入した航空券をキャンセルするために、1週間前に訪れた旅行代理店に向かった。ところが、同じ店に戻ってきたはずなのに、受付の姉ちゃんが変わっているではないか?あれ、どういうこと? なんで、こんな派手な金髪の姉ちゃん達がいるの?ひょっとして、店を間違えたのかな?

しかし、よく見ると、同じ顔だ。1週間前に来たときは、彼女達は全身を被う黒装束に、髪をスカーフで隠して座っていたのにところがどうだ。今日は、赤い派手なジャケットに金髪。アクセサリーも派手だ。まるで別人に変わっている。

彼女達に理由を聞いてみた。

なんでも、ラマダンのときは服装を宗教的(伝統的)にするらしい。ラマダンが明けければ通常の私達よ、ということ。普段、黒装束で一見地味に見えるイスラム女性の中めちゃくちゃ派手らしいとは聞いていたが、納得。確かに、誰がこんな派手なランジェリーつけるねん!というのが多く、ウインドウに飾られていた。一生、私にはイスラム女性の服の下の真実を確かめれる機会はないだろーな。

さて、ラマダン時の黒装束のときも彼女達はすごく親切だった。私とも気が合って楽しくビジネス(チケット購入)が出来た。そのときに、美しい人達だと思ったので、写真を取らしてもらおうとお願いしようと思っていたが他のお客さんの接客に忙しくなり、さらに、私も急いでいたので、写真を取り損ねていた。しかし、まさかの再来店の機会が訪れたので、今度は写真をお願いした次第です。ラマダン時の写真がなくて残念ですが、

本当に、180度違う変わり振りでした。


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