最初がなければ、二番目もない 「とにかくやってみなはれ、やる前から諦める奴は一番つまらん人間だ」 初代南極越冬隊長 西堀栄三郎の言葉です。物事には必ず一度は最初というのがあります。最初のないものというのは世の中にありません。 お役所仕事に代表されるように「前例がない」という理由で事が進まないことが多々あります。障害のある人や、マイノリティの人が、何かをしようとするたびに「前例がない」と断られます。前例がないから出来ない。こんなことでは、いつまでたっても進歩しません。 事故があったら困る 前例がないと、過去にやった人がいないと、「事故があったら困る」といわれます。受入側は、実情をしらないのに、ただ漠然とした不安があるだけで、当人に何もさせてはくれません。無知が招く不幸(罪)であり、受入側が聞く耳をもち、前向きに行動を取ることは稀です。 論より証拠。実際にできることを見せて、一つずつ事例を作っていくしかないのが現状です。障害があっても使えるのか確認するより、利用者は行動をして、できることを見せるしかありません。 多用なやり方 手が不自由で字を書くことができない人が、とある福祉大学を受験したときのこと。筆記ができないので、口頭試問での回答、パソコンを使っての回答用紙の作成を希望しましたが、筆記ができなければ答案用紙と認められないと拒否されたことがありました。もちろん前例がないことですが、やり方が違っても、得られる成果が同じならいいじゃないか?一つの物差しでなく、いくつも物差しがあってもいいのではないでしょうか。 人と同じこと同質性を求めた時代は終わり、日本の高度成長期モデルは過去のものです。一つのやり方が成功したとはいえ、それが永遠に成功するやり方とは限りません。いろいろなやり方があってもいいじゃないか。多用なやり方があってもいいと思います。バリアフリーの方法も複数あってしかるべきです。何が最善かというのは人や場所、時期によって違ってきます。これが最善だと決め付けないで、柔軟に対応できること、選択肢が多いことが大切です。 障害者差別解消法 障害者差別解消法は、罰則を与えるものではありません。共生社会の実現に向けた「共通ルール」を明確にして、機能させるものです。その折り合いが合理的配慮で、双方の対話がキーワードです。その配慮の線引きは時代や環境によって変化します。障害当事者自身の意識改革も必要です。 |