3A サクラメント リバーキャッツ
2003/05
ラリー・フィールド
米国でスポーツの仕事に関わる友人が、メジャーリーグよりマイナーリーグのほうが面白い。観客サービスがいいと強調していた。日本では、マイナーリーグの情報なんてないので、半信半疑で訪れた。 カリフォルニア州の州都サクラメント。サンフランシスコから車で2時間。最近は、NBAの強豪キングスの本拠地で有名。サクラメントには、川沿いに片道40キロのサイクリングコース(信号なし!)があり、ハンドサイクルのトレーニングをした後に、球場に立ち寄ってみた。 駐車場に人が多い。かなり人気が高いようだ。正面ゲートも、なかなかのデザイン。興奮してくる。8ドルの車イス席の当日券を購入して入る。この球場は、座席の最後部が全て車イス席になっていて、どこのエリアにも座れる。車イスで座れる座席の数は、300ぐらいか。車イスでなくても、一般の人も座れる。米国の多くの球場では、全く不自由がないので、車イス割引はない。同じ値段。ライトスタンドの向こうには、サクラメント名物の黄色い橋がある。ピッツバーグの新球場と似ている。芝もきれいだし、中も最高の雰囲気。 飲食売場のデザインも土地柄が出ている。ワインの産地ナパバレーが近いこともあり、グルメな雰囲気。 この球場は、2000年にオープンした新しい球場だった。色んな工夫があるのもうなづける。その一つが、地元の子ども達が作ったタイル。アートと地元意識が、この球場にはあります。それが家庭的な雰囲気を醸しだしている。 ライト側の外野席は、値段の安い芝生席で、みんながピクニック状態。平日、金曜日の夜のナイター(サマータイムで日没が遅い)なのに、球場は、ほぼ満員。 ライトのポール際には、子ども達の遊戯施設がある。野球観戦は、家族みなのレジャー、娯楽で、子ども達は試合そっちのけで遊んでいた。マイナーリーグでは、その特性から、試合以外のサービスが多く、だいたいどの球場でも、お子さまと、その家族を呼ぶために、遊戯施設を充実している。 外野席での、キャラクターとの微笑ましい写真撮影。 とにかく、サービス精神旺盛です。 キャラクターが相手チームの三塁手にちょっかいをかけているところ。音楽にあわせて踊らせる。その隙に、キャラクターは三塁手のグローブを盗んだ。そして、なんとカートに乗って外野に移動。外野の場外にグローブを放り投げた。なんてこったい。
次に、キャラクターの子分が登場し、主審をからかう。そして主審を音楽にあわせて踊らせる。また主審も踊りが上手いからビックリ。主審が踊り終わって、さんざん持ち上げたところで、キャラクターの子分は、主審にオナラをプー!と吐き出す。信じられない面白さ。場内は大爆笑!! こちらは、なんと4つめのキャラクター。一つの球団で4つもキャラクターがいるなんて!ボールの格好をして、口から球を吐き出して、選手とキャッチボールしています。あげくは、ごろごろ転がって、選手に激突。過激です。 他にも、キャラクターが、リッキ-・マーチンのリビング・ダ・ロッカの曲にあわせて。ホットドッグをガンで観客席に放り投げていた。Tシャツはよく見かけるけど、食べ物を観客席に放り投げるなんて、腰が砕けた この日の観客数は、12,005人。情報公開がきっちりされています。審判の数は、3Aは3名。審判の配置が状況によって変わるのを見るのも面白い。グランド整備は、5回の裏に1度だけ。メジャーは、2回やるところがほとんどです。グランド整備が1回だけなのは、マイナーリーグに共通するところ。 また、観客が早くに帰宅するのもマイナーリーグの特徴。小さい子どもが多く見に来ることや、試合の勝敗にメジャーほどこだわらないのが理由。野球に興味がない人でも、楽しみやすいのがマイナーリーグ。娯楽としてのスポーツ観戦が、米国では都市から田舎まで、非常に充実しております。 とにかく、野球場にきて、こんなに笑い転げたのは初めて。キャラクター・ショーかよと思ってしまうほど、ファンサービスが充実。メジャー8球場、マイナー6球場を観戦しましたが、サクラメントがダントツで一番面白い野球場でした! 皆さんも体験あれ! |