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ブラジル コンフェデレーション杯(4)

2013/06

革新的な街「メデジン」


ホステル カオリ

麻薬マフィアで悪名を轟かせたコロンビア第二の都会メデジン。友人のかおりちゃんが大学で日本語教師として働いており、とっても楽しそうな様子が報告されていた。治安の悪さが対外的に強調されるが、人々の陽気さ、明るさ、セクシーさは世界指折りのところ。メデジンは、2012年「世界で最も革新的な街」として表彰もされている。実際のところは、どうなのか興味があった?

かおりちゃんの家に泊まりたかったが、残念ながら階段しかない4階。安いホステルも紹介してもらったが、1階にある大家さんが泊めてくれる(1泊1500円)とのこと。

大家さんの一人娘ダニエラと、かおりちゃんと一緒に。私とかおりちゃんは最初に会った10年前のパラグアイから比べると二人とも横に大きくなっています(笑)。

ダニエラは高校生。日本と違って、お色気たっぷり。流石コロンビア。日本だと、かなり問題となる肉付きの良さですが、こちらの人はあまり気にしません。むしろガリガリで痩せているより、出るところが出る方がスタイルがいいとされています。同い年のダニエラの彼氏は、細身のガリガリ。日本の高校生では、あまり見ない凸凹のカップル。

このダニエラの部屋で寝ることになりました。女子高生なので、ぬいぐるみがあるかわいい部屋でした。お母さんは、離婚してシングルマザー。同じアパートにお母さんのお兄さんも同居する3人家族。驚いたのが、夜に寝るとき、部屋のドアを閉めないこと。全部の寝室が開けっぱなし。クーラーはなく、心地よい自然の風を取り入れるのが理由ですが、なんとも開放的。文化の違いですね。

品のある中流階級が住むエリアにある、大きな敷地内にアパートの建物が何棟も立ち並ぶ住宅地。その敷地は、緑の葉っぱで覆われた塀によって囲まれており、外部からの侵入はできない。入口の門にはガードマン。きちんとセキュリティが常駐しているので、その中は安心というわけ。

ベランダ越しに隣人と会話したり、台所の窓から友人と立ち話したり、近所付き合いも豊富で開放的。暮らし易そうな空間でした。その分、家賃や光熱費も高いのだろうけど。


メデジン日本語クラブ

かおりちゃんが主催の日本語サークル。別名、演劇クラブとも。コロンビアと日本の文化交流、友好のかけ橋として活躍中。仕事とは別のボランティア活動です。理系の人(電化製品が好きなど)、オタク(アニメ、ゲーム)など、日本が好きなコロンビア人が集まっていた。

会場は、公共の図書館にあるセミナールーム。毎月第2と第4土曜日に開催。メデジンには図書館がたくさんあり、それは貧困エリア対策の一つでもあった。平和な場所づくり。本を読むだけではなく、同時にコミュニティスペースも作り、人が集える場所に。いわゆる公民館や児童施設も兼用。素晴らしい考えだと思う。

日本語クラブが行われているのはベレン図書館。その設計デザインは日本の東京大学が担当。素晴らしい設計と施設だが、外国だけじゃなくて、日本でも作って欲しいなあ。写真なくてスイマセン(カメラ紛失)。

私が参加した日本語クラブ。前半のテーマは遊び。「だるまさんが転んだ」を教えてました。メデジン滞在中の日本人旅行者も参加してくれました。安宿の主人が、「土曜に日本語クラブあるから行ったら?」と教えてくれたそうです。

後半は、私の講演「空飛ぶ車イス」。日本語で話し、コロンビア人がスペイン語に通訳。といっても専門家でないので、通訳は一苦労。

1時間の講演を終えて、日本が大好きなコロンビア人と記念写真。

女の子とも記念写真。

夜は、かおりちゃん家でパーティ。いつもの流れだそうです。深夜12時でも玄関ドアは空けっぱなし。隣人もいるけど気にしない開放的な土地柄。人と人との距離が近い。自然な風が入ってきて、気持ちいいですね。

皆が集まっては、旅行者が日本料理を作って、コロンビア人が食べて、喋って、騒ぐ。時には街に出てサルサを踊りに行く。かおりちゃんのアパートは、私が訪問する半年前から、日本人バックパッカーが長期滞在する場所に。大きな1部屋のアパート。敷居はなし。温暖な気候なのでマットで就寝。男女関係なし。学生や日本語倶楽部の人も、頻繁に遊びにくる賑やかな家。皆が大きなファミリー。最高な空間。

ホステルかおりは無料だけど、料理を作ることが求められる。かおりちゃんは料理がまったくできない。でも食いしん坊。甘えん坊。お寝坊。朝が苦手で遅刻魔のかおりちゃんを起こしたり、身の回りのお世話が必要。かわいい男子は執事と呼ばれます。掃除と洗濯は、週1回お手伝いさんが来る(月3000円)ので、そのときにまとめてしていた。

※リンク メデジン日本語俱楽部


彫刻家 ボテロ

メデジン出身の芸術家。フェルナンド・ボテロ。私が最初に見たのはスペインのマドリッド空港かな? メキシコシティのフリーダ・カーロ美術館の展示会?一度見たら忘れない非常に特徴のある彫刻。丸い。かわいい。ぼてっとしている。

名前までは記憶していなかったが、ええ作品やなあと思っていたら、メデジンにボテロの彫刻が並ぶ公園があるという。メデジン観光の目玉。ダウンタウンの中心にあるので、治安は良くないけど昼間は大丈夫。

高校生のダニエラと、その彼氏と一緒に。

こんな感じです。体型が丸い私は、この彫刻が大好き。ファッション誌やテレビでは、痩せていることが美徳なような風潮があるけど、ボテロは、太っていることを肯定してくれているような気がする。自然でもある。包み込むかわいさ。

街の中心の公園なので、色んな人がいます。することない高齢者がぼーっと散歩していたり、おしゃべりを続ける集団、コカイン中毒でよだれを垂らす人も。

無料で見れるのが最高ですね。これだけ集中して集まっていると見ごたえもある。素晴らしい彫刻家ですね。

ボテロの彫刻が並ぶ素敵な広場があるメデジンのダウンタウンは、薬物中毒者、泥棒市の露天、売春宿モーテルが目立った。一方で、素敵なチョコレートカフェがある、表参道みたいな通りも街の別の場所にある。

貧富の差は深刻ではあるが、コロンビア人は陽気で最高


メトロカブレ

コロンビアに限らず、世界中どこでも貧困問題は根強い。革新的な都市に選ばれたメデジンの対策の柱が、公共交通の整備があげられる。首都ボゴタにもないメトロ(電車)が走っている。市民の誇り。駅には、バリアフリー設備として階段に昇降機が一応は整備されている。日本のように完璧ではない。

エレベーターや昇降機の操作は、機関銃を持った兵士(ガードマン)がすることが通常であるが、屋外であれば、自分で階段についてある昇降機のボタンを押して、操作して乗りこんだりした。日本だと「危険だから」と、絶対に操作はさせてくれないだろうけど、コロンビアの緩さ、柔軟さはとても新鮮。

山肌に無秩序にトタン屋根が広がるスラム地域は、道も狭く入り組み、坂もきついため、バス運行が難しい。そこにメトロ駅から直通のロープウェイ(メトロカブレ)を作っていた。

ロープウェイは観光用に作られることが普通であるが、公共交通にする斬新なアイデア。面白かった。料金はメトロと同じの均一料金。距離制ではない。よって安い。

ロープウェイの終点は、山の頂上にある巨大な市民公園。よって貧困地区の住民だけでなく、他の市民も多く利用する。上から眺めるスラム。街の中で住民の接点(見れる、知れる、聞こえる)があるのは良いこと。

コロンビアには、エストラートという階級がある。市内地図で線引きがされ家賃も決まる。6つの階級に分かれていて 数が大きくなるにつれて裕福層になり、住み分けがされている。メトロカブレの下にあるトタン屋根のエリアなどは、エストラート1や2などのエリア。生活水準は低く、銃や麻薬など犯罪も多い。

一方で、エストラートが低い地域に住む人々は、光熱費、学費、医療費が安くなっている。公衆電話も1分間まで無料らしい。もちろん物価も安い。かおりちゃんが住むエリアは、5なので、光熱費や物価が高い。どのエストラートに住むかは自由。民族や属性によって居住強制などはない。

ロープウェイを降りて、スペイン図書館へ。貧困エリアだけあって、物価が安い。活気がある。子ども達が走り回っていた。

デジカメを紛失したため、メトロカブレの写真は、一緒に訪問した、侍バーテンダー「えびさん」のブログより拝借しました。


チョコレートカフェ

コロンビアの産業で有名なのは、コーヒー豆。他に、エメラルド、花(カーネーション)、などもあるが、カカオ豆(チョコ―レート)の産地でもある。メデジンのお洒落エリアに、有名なチョコレートカフェがあり、甘いもの大好きなカオリちゃんとお茶へ。冷たいホワイトチョコのドリンクと、ガトーショコラ(チョコケーキ)のダブル責め。生涯一番のチョコレートでした。ホクホク。レベル高いです。

カオリちゃんも、ホットチョコレートと、ナッツとチョコのケーキを注文。甘いものを食べると、ご機嫌最高で丸くなる。カオリさん。

甘いものが美味しいメデジン。チョコレートカフェ、コーヒーが最高っす。でも、麻薬はダメっすよ。


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