講演案内 旅グルメ レジャー情報 搭乗拒否問題 リンク集 問い合わせ

Travel for All トップページ目指せ100ヵ国!車イスでの世界旅行in English

旅コラム バリアフリー安宿情報 世界のバリアフリー事情 世界のカミキリ コカ・コーラ 旅のランキング

 
カーニバルへの道(5)

2003/2 - 2003/3

カーニバル本番 / トリニダード・トバゴ


かわいい仮装

カーニバルは実質4日間行われる。

 1日目 ジュニア・カーニバル と パノラマ・ファイナル(スチールパン全国大会)
 2日目 マス・キャンプ(仮装コンテスト) と ディマンシュグラ(トリニダードの紅白歌合戦)
 3日目 朝4時からジュベ(泥かけワインダンス祭り) と パレード本番
 4日目 パレード本番(ひたすら踊って歩きまわる)

とはいえ、1ヶ月ぐらい前から、コンテスト予選やイベントが続き、カーニバル一色になっている。数ヶ月前からは、スチールパンの練習をしているし、本番後のアフターイベントもたくさんある。トリニダードについて早速、一番の目的 パノラマ・ファイナルのチケット、ディマンシュグラのチケットを購入しにいくと、その会場付近では、子どもがカーニバルの準備をしていた。パチリ!最高の席を購入できたし、気分はウキウキ

赤装束のチームが歩いています。カーニバル気分が盛り上がってきます。この先にメインスタンドがあり、そこで踊ったり、歩いたりして、審査を受けます。その出番待ち。歩いています。歩いています。重たい衣装を背負って。未来の仮装女王様の気分。

もちろん音楽はガンガン! でっかいでっかいスピーカーを積んだトレーラーが大音量で走ってます。時には、その上で歌手が歌っています。その振動で心臓がバクバク。うーん寿命が縮まる。

 

メインスタンドのある、サバンナ公園の外周道路の裏側には、スチールパンのトレーラーが駐車。今晩、行われる最大のイベント「パノラマ・ファイナル」の準備がすでに始まっていた。その迫力を想像すると、もう私の体は興奮しきっていた。


パノラマ・ファイナル

カーニバル初日の夜。スチールパン全国大会の決勝。スチールパンの聖地。その頂点でございます。夜7時30分にスタートした。13チームが登場し、演奏して競うので、夜中遅くまで、ずーと続く。会場には、車イス観戦スペースも用意されていて、ど真ん中。小さいけど、車イス用トイレもあり。安いチケットを買えば、端で見ないといけないけど、この場所で見れるなんて最高でやんす。

前半、演奏に感動したのは上のカラフルなチーム 「Solo Pan Knights パン・ナイト」。美しいメロディが印象的でした。順位も高く、5位に入った。スポンサーの清涼飲料水がカラフルな衣装を演出。私がサポーターの 「Trinidad All Stars オールスターズ」。前年の優勝チームです。静かながら調和のとれたメロディライン。派手さはないけど技術力の高さは流石です。

もう、オールスターズの演奏にメロメロ。夢心地です。10音階、100のスチールパンが、息を合わせて同時に演奏する迫力。あまりに広い音階のためCDでは現場の音が拾えません。生音ならではの快感。

準決勝を、1位で通過した 「Phase II Pan Groove フェイズⅡ」 ちょっと空回りしていました。演奏が終わった段階で、会場の雰囲気も優勝は無理だなという感じ。会場の盛り上がりも審査に影響します。結果は、3位でした。

日本でも有名な、「BP Renegades レネゲイズ」。常に上位に入る人気の実力チーム。4位に入りましたが、無難にまとめてました。

見た目がきれいな 「Bird Song バードソング」。ビジュアルや、演出が上手で、楽しく鑑賞。技術は他と比べると低いけど、それでも凄すぎる。海外で演奏などしたら、大拍手喝采のパフォーマンスになるだろうに。ここでは、ブービー賞。このチームは、まだスポンサーはついていないのかもしれないが、期待大。

2003年の優勝は、「Exodus エグゾダス」

演奏は最後で、それで得した感もあります。翌日の新聞批評では、2位オールスターズとは僅差。オールスターズは、「上手だけど去年と変わりなかった」と、それで負けちゃった。エグゾダス。おめでとうございます。

長かったパノラマ・ファイナルが終わったのは、夜中の2時30分。7時間もの長丁場でした。演奏は5分なのに、チームの入れ替えにとても時間がかかります。というのも、楽器をセッティングする位置がきっちり定められ、そこにピッタリ合わせるから。また、音の調整にも、とても慎重になるから、30分ほどかかる。鑑賞にも体力が必要です。チキンを食って、ビール飲んで、のんびり過ごしましょう。

ただ、音を純粋に楽しもうと思うと、パンヤードの方がいい。というのもスタンドがとても大きいので、めちゃくちゃいい席じゃないと、いい音が拾えない。審査員の席は、そりゃ天国ですが、端っこならつらい。とはいえ、真剣に演奏する風景、応援する人々、会場のノリは面白い。


昼は、まったり

街が盛り上がるのは夜。ソカのライブ、パーティイベント、スチールパンの練習、一晩中うるさく騒いでいる。お昼、ダウンタウンでチケット事務所を探しているときに、道を教えてくれた人と意気投合。カナダ人だが両親はトリニダードで、レストランバーを経営している。カーニバルシーズンは、もちろん故郷に帰ってきて遊び、そして家の商売を手伝う。そのレストランで食事をした後、トリニダードを案内してくれるというので、ビーチに行くことにした。

島の北側には、美しいビーチがたくさんある。車イスで砂浜は大変なので、海に入らなかったが、ビーチでのんびりする地元民を見るだけで楽しい。このビーチは、カーニバルが終わった翌日に、余韻を楽しむパーティがあることで有名。


爺ちゃんも、婆ちゃんも、カーニバル!

地元民が、市内で仮装コンテスト「マスキャンプ」があるよと教えてくれた。早速、足を運ぶことに。ファンキーなお爺ちゃんが、出番を待っていた。パイプを加えて、音楽にあわせて、ステップ、ステップ、踊っています。

道路には、他にも仮装した人たち。彼らは出番を待っているんです。この先のスタンドで、仮装コンテストの審査が行われているんです。暑い気温なのに、大きな仮装をして、お爺ちゃん、お婆ちゃん、根性あります。

こちらは、迫力満点。格好いい。でも、頭が重たそう。

おらおら、カーニバルだぜ! 美川憲一か、小林幸子か、あんたら何者なんだい?

審査員の前で、踊りまくる仮装コンテスト出場者たち。この沢田研二「TOKIO]みたいな衣装をつけた、おじちゃんは腰を振ってノリノリ。会場も大拍手!高齢者も仮装で楽しむなんて、とってもステキなトリニダード!


なまはげ

怖い集団が来襲。全身を青色のペンキで塗って、バケツを使ったドラムのリズムに合わせて、観客を襲う。悪魔の集団なのかな。それも半端じゃない怖さ。顔は真剣。笑いもしない。紐をつけて、後ろで悪魔をコントロールしているし。リズムも怖い。

 

ときには、悲鳴もあがります。いきなり観客を襲って、口から、真っ赤な液体をドボドボだしたり。

子どもは怖くて直視できないでしょうね。悪いことをしたら、親に悪魔が襲ってさらわれるぞと、脅かされたりしていることでしょう。めちゃくちゃ面白いパフォーマンスなんだが、彼らは小銭を集めていた。うーん貧しいのかな。簡単な仮装だし、お恵みをたくさん稼いでいた。観客は魔よけもあって小銭を入れるのかな。 とにかく、怖かった。

こちらは、毛むくじゃらの集団。地面をはいつくばって、四つんばいで歩いたり、転がったり、回ったり、襲ってくる。私も襲われて、道路につれていかれ踊らされた。あー怖い。怖い。なまはげです。


ディマンシュグラ

カーニバル2日目、ディマンシュグラという、これまたメインスタンドでイベント。メインは仮装コンテストのキング&クィーン。カリプソ(音楽歌手)のキング&クィーンを決めること。それぞれ予選があり、それを勝ち抜いて残った猛者たちである。

その前に、やっぱりスチールパンの演奏。4チームが参加。今回は舞台交換が早かった。真剣勝負じゃないのでチューニングが簡単なのだ。下写真は、きれいなチームカラーと演奏の パン・ナイト です。 またもや美しい音色にメロメロ。

さて、歌謡コンテストの始まり。カリプソ。トリニダード演歌みたい。こぶしが利きまくり。女性陣の独唱からです。こちらも決勝大会の予選で、8名×8名ほどの熱唱パフォーマンス。

続いて、待ってました。キング&クィーン仮装コンテスト。決勝に勝ち残った男女6名ずつの登場。この写真は、ハートマークがテーマ。みんなハッピーになろうね。

こちらは、なんだか、キリギリスの巣みたい。きらびやかなネオンが、夜のステージに映えてました。

今年のクィーンは、こちら。衣装を引いて背負っていながらも、踊る、踊る。踊る。パフォーマンスが凄かった。とってもセクシーで、ダントツのクィーンでした。

続いて、男性部門。鶴みたいな人が登場。男性はさらに動きが大きくなります。

今年のキングに選ばれた人。衣装はたいしたことないが、パフォーマンスが大喝采。真っ暗な中、おでこにビームをつけて、ロボット音楽の中、登場して、ビーム光線。徐々に、衣装に明かりがともって、フルビートで踊りだす。凄い! 宇宙人みたい。

派手な衣装は、まだまだ続きます。とっても大きくて、どうやってこんなの作るのか? 小林幸子なんて目じゃないっす。

仮装コンテストの熱気もなんのその。紅白歌合戦は、まだまだ続く。カリプソの準決勝。いろんなショーアップがある。テレビで生中継されているからね。

地元民は、好きな歌手など思い入れがあるだろうが、観光客の私は疲れた。仮装コンテストを見終えたら、帰る人もちらほら。私たちも、準決勝でギブアップ。このあと、4時からカーニバルだしね。1時ぐらいにホテルに戻って休息しました。ホテルに帰ってもテレビでコンテストは続いていた。いったい何時間続くのだろう。ディマンシュグラは、トリニダード版の紅白歌合戦でした。


NEXT / 目次 / 旅コラム

Travel for All トップページ