イタリア プチ留学 (1)
1995/07 - 09
「フランダースの犬」巡礼 / ベルギー
「フランダースの犬」とルーベンス 名作アニメ「フランダースの犬」は、中世栄えたギルドの街、ベルギーのアントワーペンが舞台である。最終回、主人公「ネロ」と愛犬「パトラッシュ」が、ルーベンスの絵の前で天国に行くシーンは有名だ。 アニメの主人公「ネロ」と犬の「パトラッシュ」はとても貧乏だった。悪い親分に厳しく働かされていて、パトラッシュはいつもムチで叩かれていた。貧困の中、彼らが夢見ていたこと。大聖堂のルーベンスの絵を見ること。最終回、精も根も尽き果て、空腹の中、ルーベンスの絵の前で死んでいくのであった。小さいとき、こんなに悲しいことがあってよいものかと、泣きまくりました。 ちっちゃい小便小僧 ベルギーの首都ブリュッセルの観光名所といえば、小便小僧。ここが元祖。行ってみると、きれいな衣装はしているが、ただの小便小僧。そしてとても小さい。コペンハーゲンの人魚姫もそうだが、こんなもので観光客を呼ぶなんて! 商売が上手い。 戦勝国 ベルギーでミイラを見るとは思ってもいなかった。国立博物館だったか、訪れたときに、ミイラがたくさん飾ってあった。なぜ、エジプトでもないのに、こんなにミイラがあるのか考えた。 ずばり、戦利品か。大英博物館でも、エジプトコレクションが素晴らしいと聞く。戦勝国、植民地化した土地の秘宝、財産をごっそりいただくとは、それが歴史なのだろうか。そういや同じくブリュッセルのベルギー軍事博物館では、戦争の勝利を大きく展示していました。 複雑な気持ちで鑑賞したミイラだけど、生々しく、気持ち悪く、亡霊が出てきそうだった。なんか「俺を本当の埋葬地(エジプト)に返せ」と言っているようにも思えた。 怖い!怖い! イギリス人サイクリングスト 公園で涼んでいるとき、出会った人。彼は、自転車でヨォロッパを何ヶ月も旅している。楽しく話しているうちに、アジア人とヨォロッパ人の民族性の話題になった。 彼いわく、「ヨォロッパの人間は働かない。怠け者さ」。 彼は、「もちろん、暇な仕事さ」 日本人だと、同じ給料だと、暇でもてあそぶより、忙し方がいと答える人が多いと思う。私も、忙しい方が退屈しないしいいと思ってたが、色んな考え方があるもんだと思った。 同じ質問を、ほとんど誰も利用者がいない、ローマで一路線の車イスが乗れるバスの運転手に聞いたら、彼も、暇な方がいいに決まってる。お客さんが多いより、誰もいないバスの方が楽だよ。今の仕事は気楽だと答えた。 徒然草じゃないけど、私は、暇を持て余すのが苦手だ。ぼーっとすることに慣れていない。ヨォロッパを旅行して、現地の人に触れることにより、何もしない楽しさを教えてもらった。旅行に行って、ガツガツ観光地ばかりを廻るだけが旅じゃない。 自分を見つめなおすゆとりのある時間を得るのも旅なのだ。 おまけ ベルギーは、世界でも有数のグルメ国です。フレンチが基本ですが、チョコレート、ビール、煮込み料理、ワッフルなど、うまいものばかり。ブリュッセルで食べた「ムール貝」は、私が旅した中で一番感動した食べ物です。 |