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白夜(2)

2006/07

湖水地方ヨエンスー / フィンランド


トレイルオリエンテーリング世界選手権 

森と湖の国フィンランド。まさにその言葉がピッタリのカレリア地方のヨエンスー。最高の場所と時期に大会が開催されました。成績は、パラリンピッククラスで第5位。森を散策するのは楽しいの一言。

私が大会に出場している間、同行のおばさま7名は自由行動。宿舎の周りの森や湖を散策したり、サイクリングしたり、湖をクルージングしたり。森の中には、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどが実っており、思わずいっぱい食べてしまったと語る、童心に帰ったようなおばさま達の笑顔は素敵でした。

宿泊は郊外にある地域のリハビリテーションセンター&スポーツセンター。夏場は学生がいないので、その空いている宿舎を使わせてもらいました。周りには森と湖。

7月上旬のフィンランドは、ベストシーズン。気候がいいこと、環境がいいこと、それだけでワクワクします。モデルイベント(練習会場)への送迎は、リフト付きバスにて。
運転手の機敏な対応には驚き。慣れた手つきで、日本より倍以上早い。丁寧すぎないのが良い。

トレイルオリエンテーリングは、このような森の中を地図を見ながら、ポイントに行き、そこにある何本かの旗のうち、地図に記載されているものはどれかを回答し、その回答数で順位を競います。タイムでは競わないので、移動に障害があっても不利にはなりません。

今回は、マウンテンバイク・オリエンテーリング世界選手権も同時開催。左側の黄色いTシャツは、マウンテンバイクの日本チーム。右側はトレイルオリエンテーリング。

開会式の入場。ヨエンスー市の中央広場が会場です。小さな田舎町。アットホームに式が開催。ほのぼのしていて楽しかったです。

宿舎にて、リトアニアとロシアの選手と交流。ロシアの女性は、昨年、日本で開催された世界選手権で、我家に8泊もしていきました。ロシアチーム(4名)が宿探しに困っていたので、自宅を提供したわけです。見事、再会。

世界選手権は、「フィン5」という地元の大きなオリエンテーリング大会と併設。ゴール地点は同じです。レーンは違います。千人以上が参加するので、大会会場は賑やか。

競技終了後、地元の新聞社に取材される日本チームの蓮本選手。アジア人が珍しいのか、翌日の新聞のトップで紹介されました。スゴイ!

私の成績は6位。途中経過のボードでは5位に入っていますね。初日は、日本チームは絶好調。オープンクラスでも上位に入ってきていました。

2日目の会場は、クロスカントリー、バイアスロンの競技が開かれる本格的なコース。会場の脇には、標的が並んでいました。

仮説公衆トイレも、車イス対応のものがきっちりと用意されています。段差もなく快適。中はシンプルな構造です。これで十分です。

 

2日目が終わっての順位発表。表彰式は別途、市内の広場で行われます。フィンランドの森でとっても良い空気が吸えました。


湖畔のリゾート地 サヴォンリンナ

オリエンテーリングの大会を終えて、次なる目的地は、北欧のリゾート地サヴォンリンナ。静かな湖畔に高級アパートが並ぶ。夏場には、湖に浮かぶ古城(ドラゴンクエストのモデルだと言われる城)の中庭にて、オペラフェスティバルが開かれるため、世界中から観光客が来る。よってホテルを取るのが大変。しかも料金が高い。仕方のないこと。

訪れた7月は、イチゴの季節。マーケットには、美味しそうなイチゴがたくさーん並んでいます。

さて、オペラの会場へ。市内中心部から湖畔を歩いていく。風景はバッチリ。白夜なので夜でも明るい。

歴史的建造物なため、残念ながらバリアばかり。橋にも階段。入口から会場までも階段ばかり。スタッフに手伝ってもらう。車イス席は用意はされているが、実際に使えるものではなく、車イスのお客さんを想定していなかった。フィンランドといえども、このようにバリアフリーが遅れているところもある。車イス用の座席は、インターネットでどうやって買うのか記載されていなかった。介助も必要なところだから電話予約なのだろう。仕方ないので、通路沿いの席をゲット。しかも前から2列目。張り込んで買いました。

 

古城の中庭といっても、照明や演出、雨予防のため屋根がかけられている。露天のほうが雰囲気あるのに、そこは非常に残念。ただ座席数も少ないので、どこに座っても非常に見やすい。安い席でもOK。演目は「タンホイザー」。ワーグナーの城が舞台のオペラ。舞台幅が狭く、演出が難しいため、映像など使って苦肉の策。音はいいけど、演出はイマイチ。とはいえ、2列目でめちゃ近かったので、とても迫力ありました。写真は第2幕の歌合戦の様子です。

サヴォンリンナから、首都ヘルシンキへ行く高速バスの風景。運転手が、業務時間の運転中に何度も携帯電話で話をしていました。ビックリしました。携帯電話先進国のフィンランドですが、運転中の通話はOKなようです。自動車は少ないですからね。


フィンランド データ (フィンランド航空機内誌より抜粋)

福祉国家として有名な北欧。 2005年の統計データを紹介します。人口520万人。 平均世帯人数2.2人。 平均寿命 男性75.3歳、女性82.3歳。

 ・ 25歳~54歳 外で働く女性の割合は86%  (失業率7.5%)
 ・ 平均月給 男性 2777ユーロ (約40万円)、 女性 2241ユーロ (約33万円)

女性の社会進出が進んでいることを示していますね。ちなみに、国連開発計画(UNDP)2004年「人間開発報告書」によると、日本の賃金男女比はカボベルデに次ぐ100位(女性の賃金が男性の46%)。フィンランドは上記より算出して81%

 ・ 世帯主の 97%が、携帯保持
 ・ 世帯主の 70%が、コンピューター保持
 ・ 世帯主の 62%が、インターネット保持

IT先進国でもあるフィンランドを示すデータです。以前はスウェーデンへの出稼ぎやロシアに依存していたフィンランド経済ですが、ITとデザインによる構造転換に成功。現在は外国人労働者をたくさん受け入れている状況です。

★2005年 一人あたりの平均年収

 ・ 29,600 ユーロ    フィンランド 
 ・ 28,800 ユーロ    日本
 ・ 33,800 ユーロ    アメリカ合衆国
 ・ 27,200 ユーロ    ドイツ
 ・ 31,900 ユーロ    スウェーデン
 ・ 29,400 ユーロ    イギリス

最近、世界を旅行をしていて、日本円がずいぶん弱くなったと感じます。90年代、日本はGNP世界一、世界一の経済大国と教えられましたが、どこか納得できませんでした。上記データは、適切に経済的な豊かさを示す指標だと思います。旅をしての実感にすごく近いです。


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