ヨルダン出張&イスラエル(6)
2013/10
聖地エルサレム / イスラエル
LRTが走る! エルサレム。現地の発音は「ジェルサレム」。ちなみにヨルダンは「ジョルダン」。この後に訪問するキプロスは「サイプラス」。地名発音は難しい。 さて、聖地エルサレム。街全体が美術館。歴史がある。でもすごい坂ばかり。車いす単独で動くのはキツイ。古代、中世の街は丘に作ったのだろう。防御に適するために。現代では、暮らしやすさで平地が好まれる。時代の変化ですね。そんな歴史だらけの市街地の真ん中に、LRT(新型トラム)が走っている。画期的な政策。同時に、最も賑やかなメインストリートを歩行者天国に変えていた。活気があり大成功だと感じました。
LRTは、バスターミナル、繁華街、旧市街、観光の拠点を結ぶ。改札はないので、切符を券売機で購入したり、定期券をチャージしたりします。頻繁に検札もあるので、切符は必ず買いましょう。 車いすでの乗降も簡単。路上がホーム。段差ゼロ。エレベーターに乗ることもなく快適。こんな歴史ある街でも道路の車線を減らして、ユニバーサルな公共交通を導入すること、日本も見習って欲しい。
旧市街 LRTの「ダマスカス門」駅で降りると、エルサレム旧市街の城壁の北側、アラブ門(イスラム地区)着く。聖地巡礼を正しく行動するなら、ユダヤ教徒は南から、キリスト教徒は西から入る。団体観光客などは、東から入ることもある。 丘の街エルサレム。どこでも坂。旧市街もかなりの斜面にある。ダマスカス門の入口も階段だったが、横にスロープあり。台車などが通る。 ダマスカス門の前で記念撮影。イスラム地区を通り抜け、目指すは嘆きの壁(western wall)。聖地エルサレムは、ずっと行ってみたい憧れの場所であったが、車いすでは無理と思っていた。とはいえ時代も変化。車いすや高齢者の巡礼者もいるはず。どこかにルートがあるだろうと突入した。 旧市街に入って、アラブ地区を進む。階段の横にスロープあり。台車やベビーカーが通る。ただし傾斜はキツイ。下り坂なので、車いすの前輪を上げてウィリーしながら進む。逆に上っていくのは一人では無理。車いすで観光の場合は、北から南へ一方通行で進むのがポイント。
旧市街を巡礼する観光客。このような姿があちらこちらで見ることができます。 旧市街にあった小さな教会?修道所? スロープがあり、中を閲覧することができました。
エルサレムは三大宗教の聖地。岩のドームはイスラームの聖地。でも巡礼者は皆無。やっぱり入国できないのから、来ないのかも。岩のドームの敷地内に入ろうとすると「ムスリムか?」の問い。「YES」と答えると確認のための質問をされた。「コーランの一部を暗唱せよ」との質問で、信者では無いことがばれてしまった。異教徒も入れる一般開放が昼に1時間あるが、この場所に戻ってくるのが大変なので見学は諦めた。 下の写真は、ライオン門。ここからも車いすで入れます。 キリスト教地区へと続く道。階段です。荷物運搬用の電気自動車が通るためスロープあり。車いすはちょっと難しいです。アラブ門の北から旧市街に入るのは正解だったようです。 土産物や商店が並ぶ喧騒のイスラム地区が終わり、ユダヤ教地区へ。金属探知機のあるセキュリティチェックを通り、トンネルを抜ければユダヤ教の聖地、嘆きの壁。 ついに到着。嘆きの壁。着いてみればあっけない。バリアフリーで車いすアクセス可能。あらゆる信者が訪問する聖地ですもんね。 嘆きの壁から後ろを見た様子。トンネルをくぐってこなければ階段でした。丘というか、小高い山に旧市街がある感じです。 礼拝する場所へは、スロープが設置。入口でキッパ(白い帽子)を借りて、それを頭に被り、聖地へと入ります。 皆さん、お祈りしています。壁の隙間に、願いことを書いた紙を挟むのか、あちらこちらに紙が挟まれています。壁には鳩がたくさん棲みついて、ピーチクパーチク泣いています。 私も、世界平和を願ってみました。皆が壁を触るため、表面はとてもすべすべしています。見た目はゴツゴツですけどね。
嘆きの壁は、室内にも続いています。室内の方が敷地がずっと広く、聖書やじっくりお祈りする人が多いです。夏は外だと暑くて、長時間のお祈りはできませんから。 また、懺悔室、相談室みたいなのもありました。 後ろに、イスラムの聖地、岩のドームをバックに嘆きの壁を記念撮影。ひっきりなしに観光客や礼拝する人が訪れます。その床はピカピカです。 ユダヤ人は壁の近くにある糞門(dung gate)から入る。門前までタクシーやバスが来る。その先にセキュリティチェック。男女の入口は別々。出口はまた違う場所にある。車いすで巡礼したいのなら、糞門までタクシーで来て、入るのが簡単な方法です。 市内バス 滞在中、市内路線バス(全てノンステップ)に、6回乗った。スロープは手動でパタンと出るタイプ。6回のうち、5回が乗客が操作してスロープを出してくれました。それも4回は中年女性のお手伝い。 イスラエルは男女とも徴兵制。男性3年。女性1年半。ジェンダー(社会的性差)が少なく、女性も力強い印象。長距離バス乗り場には必ず兵士が勤務するために、帰省のためにバスを待っている。 日本のバスでは、乗客が手助けすることはなく、必ず乗務員が介助して、車いすを固定したりする。その問題点は、時間がかかること。面倒なこと。乗客がすっと手を出せば、時間も短縮。気軽らし、皆がハッピー。実に簡単。 ちなみに路線バスで、車いすの固定は、世界中でもうありません。時間かかりすぎ。色んな車いすの形もありますからね。福祉タクシーは4点でしっかり止めますけど。 バスに乗って美術館を見学。完全バリアフリーで安心。
■夕方の旧市街 ふたたびエルサレム旧市街へ。今度はヤッフォ門というキリスト教区からのアプローチ。 坂道でのアプローチ。道路もあり、タクシーや住民は中に入ることができる。
ただし教会や、嘆きの壁に向かう路地は階段ばかり。ちょっと車いすでは歩けません。 自動車が通れる道路を歩いて、アルメニア教地区へ。ここは階段が少ない。ちょっと路地裏を散歩すると、住民がいたりして楽しいです。ただし迷路みたいな道。 坂道、階段、石畳、一人で車いすの散歩は無謀なため、来た道を戻ることに。再び、ヤッフォ門へと戻ってきました。 城壁の外に出て、記念撮影。 ヤッフォ門の向いには、芸術作品が並ぶおしゃれなショッピングセンターと通りがあります。ここも階段が多いので、迂回路としてスロープを進みました。
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