タクシーブルースに揺られて(2)
2006/08
とにかく時間がかかる国内移動 / マダガスカル
セントマリー → タマタベ セントマリー島唯一の町アンボディフォタトゥラから、本土にあるイボンゴまで船にのることに。定期便は2004年に沈没してなくなったとの噂だが(現地人の交通手段は結局わからず)、港にある有名なダイブセンターが船を運営。朝一の便は満席だったので、昼一の便を予約。最初24ユーロといわれたが、怪訝な顔をするとすぐに15ユーロに値引き。観光客用値段か。 乗る船は、高速ボートであった。中にビニールシートで囲まれた座席があるが、歩けない私は移動が面倒なので、甲板に座ることにした。乗り降りはスタッフに手伝ってもらう。前日の鯨ツアーで通った海。波が高い。しぶきが時おり襲ってきて濡れまくる。でも、鯨が1匹見れた。 船は1時間で本土に到着。だが港がない。砂浜の入り江をゆっくりと抜け、木造の簡易港へ。雰囲気抜群で、インディージョーンズの映画みたい。未知の大地への上陸なり。船は後ろから着いたので、結局座席を通って最後に降りた。 木製のシンプルな船着場。通路は平坦で、車イスで通れる幅も十分にある。タクシーブルース(ミニバス)の客引きがいたので、乗場まで案内してもらう。スリル満点の道。 途中には、市場や売店がたくさん並んでいた。人が集まるところに商売あり。じっくり眺めたいところだが、日が落ちる前に、次の都市タマダベに移動したいので素通り。タクシーブルースは先着順で埋まったところから出発するので、早く席を確保したいのだ。船が着いたところだから、多くの人が乗る。私は最後に降りたので慌てていた。 タクシーブルース乗場も雰囲気抜群。落ち着いた静かな村なので、ここで一泊するのもいいかもしれない。レストランや安宿(衛生状態は悪い)が、幾つかあった。 イボンゴから、タマタベは、8000アリアリ(450円)。14:30出発で、18:15に到着。残念ながら日が落ちてしまったので、ホテル探しは無理。街灯もなく、真っ暗だからです。マダガスカルは都市部以外は、電気、ガス、水道なしの原始世界。 タマタベ → タナ ここで決断。このまま首都タナ(アンタナリボの略称)まで移動することにした。夜行のバスがあるだろう。周辺のおじさんに聞いて、19:00出発のタクシーブルースを発見した。 タクシーブルースは、ワンボックスカーを改造しており、助手席2名、後列3名×3列の、11名乗り。もちろん、子どもや大人が積めて定員オーバーも多い。車イスの私は、移動や休憩、身体的負担を考えると、助手席の窓側がベストな席。 もちろん誰もが座りたいと思う一番良い席である。その席を座りたいと夜行バスの券を売る人へ交渉。すると、前の2席を買えという。2名分支払うことになるが、夜行なのでゆっくり使いたい。値段もたいしたことない。既に船の大移動、4時間の狭い後部席のタクシーブルース移動をしている。ホテル代も節約できることだし即決断。 15000アリアリ(800円)×2 を支払った。 19:00出発なので、あわてて夕食、水、お菓子を買いにいった。でも、結局出発したのは19:30。露店で立ち食いせずに、食堂で飯を食えばよかったと後悔。 道中は雨。まっくらな山道。交通事故が怖い。同じ車に、一緒に船に乗っていたフランス人カップルがいた。休憩時には彼らが食料や飲料を購入。車イスは天井に縛りつけられているので、いちいち降りるのは大変で、私はじっと車内だから。タナに着いたら、真冬の気温。標高も高い山間部。凍える寒さ。04:30に着いた。 タナ → アンチラベ 夜明け前に着いてもすることがない。首都タナはいずれ帰国時に立ち寄るので、いま滞在する必要はない。ここで決断。一気に移動しよう! フランス人カップルは知り合いの宿に泊まるという。タクシーベー(乗場)から、市内中心部までタクシーを相乗りしようということになった。私は、そのまま移動したいので、アンチラベに行くタクシーベーに連れていってもらうことになった。 案内されたのは、タクシーベーではなく、中心部のロータリー。でも、タクシーブルースが2台停まっていた。夜が明けていないが、乗客は集まりつつあった。助手席に座りたいので、1台目ではなく、2台目のタクシーブルースに乗車。 すごいスピードで移動してしまった。我ながら自分を褒めてあげる。朝食は豪華にレストラン。カレーに、スープ、ヨーグルト(めちゃ美味)、お腹いっぱいになりました。 アンチラベ → モロンダバ アンチラベで一泊した後、バオバブ街道で有名なモロンダバへと移動。前日に夜行タクシーブルースのチケットをゲット。幸運にも助手席窓側の座席をゲット! ようやくタクシーブルースの写真が取れました。日本の中古車がここでも大活躍ですね。天井にこれでもかと荷物を積み込みます。車イスも天井に積み込まれる。 14:00出発。きれいな景色を眺めながら、地形の変化を楽しむ。2台つらなってのランデブー。木の高床式の家(東部)、煉瓦の家(中央部)、土壁の家(中央乾燥地域)、わらぶき家(西部)。多様な文化があるマダガスカルを陸路移動で体感できる幸せ。 ミアンドリヴァーゾという町で夕食休憩。私も車を降りてレストランへ。道路も良いので、調子に乗ってビールを注文した。大きな瓶だったので、運転手達(+助手1名×2台で、計4名)に、余ったビールをプレゼントしたが、彼らは別にビールを1本頼んでおり、飲酒運転?と思いつつも、笑うしかない。 夕食後、すぐに未舗装の悪路が始まった。ガタガタ道。気分が悪い。我慢したら、1時間後ついに車を停めた。助手席のドアを開け、嘔吐した。あらら。運転手と助手にケラケラ笑われた。酒に酔ったこと。悪路に耐える体力がないから。悪意はない。 吐いたあとは、気分爽快。ぐっすり就寝するが、途中何度か車は止まる。路面があまりにも悪く、助手が降りて通り道を確認したり、ライトで照らしたり、一筋縄ではいかない。2台列なっての走行はトラブル対処のためだったのだ。 14:00 アンチラベ出発。 07:45 モロンダバ到着。 24000アリアリ(1300円)なり。モロンダバの手前、早朝の太陽に照らされる、巨大なバオバブを眺めると疲れは吹っ飛んだ。 |