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西安旅行

2010/04

西安 → 洛陽  → 鄭州


ガンバ大阪のACL試合観戦が第一目的。飛行機は貯まっていたマイレージを使用して無料。
 中華料理は一人で食べたくないので、母とその友人2名が同行し、計4名の旅に。


西安

古称は長安。碁盤の目の街並みは、京都そっくり。遣唐使が学んだのでしょう。観光の目玉は、兵馬俑。殉死者のかわりに埋葬された人形が何千体も立ち並ぶ。兵馬俑も問題なく全てを見ることができた。しかし、上から眺めるだけなので、ちょっと退屈。真横に立てるとか、側で見れたら面白いのでしょうが、それは無理な話。

中国の観光地はどこもバリアフリーになってきた。スロープ、車いす順路が確保。ちなみに、駐車場から入口までの距離がどこも長く(土産物屋などが並ぶため)、必ず電動カートを利用すべし。

 

夜は、有名な「陝西歌舞院」のショー。宿泊するホテルにある旅行代理店でチケットを手配。夕食付きが一般的だが、ケチって食事なしを選択。それでも4000円とかなりの高価格。外国人相手のため?

劇場の入口は階段。しかし横にスロープがあった。嬉しい配慮。本当、バリアフリーになってきた。ところが、肝心のショーがひどいもの。とりわけ劇場の音響が最悪。音が割れていた。演奏も踊りも二流で単調。有名だからといって良いとは限りません。とほほ。

 


新幹線

西安から洛陽への移動。前日、高速バスの券を購入しようとしたら、本数がとても少ない。「電車に乗れ」とバス乗場の現地人達は言うが、電車は利用したくない。車いすでの利用は非常に困難だから。

移動当日、朝7時にバスターミナルへ。天気はあいにく雨。バスは10時出発で、9時間かかるらしい。よって電車利用に変更。駅の切符売場は混沌。それでもなんとか洛陽への「高鉄」切符を購入。もしやと思ったが「高鉄」は新幹線のこと。西安と鄭州の間を走っていた。

日本の新幹線が中国で走っていることは耳にしていたが、西安にもあるとは知らなかった。恐るべし中国。新幹線、高速道路、高層ビル、あらゆるものが一気に作られている。計画から完成まで何年、何十年もかかる日本とは、スピードが格段に違う。

西安駅にはエレベーターがあったが動いていない。エスカレーターで2階の待合室へ。検札する駅員は、車いすの私を見て、待合室に入れるのを戸惑った。初めての車いす乗客なのだろうか。どうやって乗るの?という顔をしている。ホームへは階段だと安易に推測された。60を越えた女性だが付き添い3名がいるので、彼女らが手助けするとジェスチャー。

 

電車には優先乗車させてくれた。先に待合室を出れて、ホームにいけた。しかし最後は長い階段。駅員は手伝ってくれない。車いすを後ろ向きにして一段一段降りる。

以前に中国の列車を利用したとき(瀋陽-大連)は、優先搭乗はなく、もみくちゃにされたっけ。一人だったので、階段を降ろしてもらう親切な人を探すのに声を枯らしたっけ。

新幹線。ホームと車両の段差はなし。日本と同じ。安心して乗れた。通路が日本のものより広く、車いすが余裕をもって通れ、自分の席へと行くことができた。たぶん車いす席は無い。見ていないし、あれば該当する座席を売ってくれるだろう。

右側の写真は、日本の新幹線にある車いす対応車両のように、扉が広い。1等席の車両だった。狭い扉でも、幅は60センチぐらいなので手動車いすは通るが、電動車いすなら、お金を出して1等席が良いでしょう。

 

トンネルでは最高速306キロを記録。洛陽まで2時間。なるほどバスの利用者は減るわけです。

洛陽は、新幹線だけの新しい駅。よってエレベーターを期待したが、階段のみ。ガッカリ。エスカレーターは工事中。駅舎は工事中で、新幹線が開通したばかりなことを示していた。ここの駅員は親切でイケメン。私を担いで降ろしてくれた。

 

3年前に開通した台湾の新幹線は、完全バリアフリー。むしろ日本より優れている。同じような時期に建設している中国の新幹線は、バリアフリー無し。違うものですね。


洛陽 龍門石窟

敦煌の莫高窟、大同の雲岡石窟と並ぶ中国三大石窟の一つ。西暦500年頃から、唐代までの約400年にわたり、10万余の仏像が彫られた。

洛陽の街は、ちょうど牡丹祭りが開かれ、街は花やいでいた。観光の目玉は「龍門石窟」。西暦500年頃から、唐代までの約400年にわたり、10万余の仏像が彫られた。川沿いの崖に掘られた無数の仏像。でかい大仏もあり圧巻。非常に素晴らしい。

 

車いすで見られるのか不安であったが、スロープ完備で安心。石窟へは階段を上るため車いすNGだが、下から眺めても充分に石窟群を楽しめる。最高です。制服を着たボランティアの女性が「車いすを押しましょうか?」と言ってきた。驚いた。高齢者や障害のある人向けの補助サービスがあるのです。

入場料は120元(1800円)と高いが、その価値はある。障害者は無料と書いてあったので、証明書はないが無料で入れてもらった。車いすは外からしか見れないから。まあいいでしょう。

遺跡はとても広く、西岸、東岸、土産物屋の通りを含めると3~4時間はかかる。東岸に渡れば、車いすでは上れない階段の上にある大仏をしっかり拝むことができます。

龍門石窟は、とてもとても広い敷地。歩くのが疲れる人、暑いのが苦手な一、時間のない人は、うまく電動カートを利用しましょう。安価で本数も多い。できるなら、車いすのまま乗れるようなカートがあれば嬉しいのだが。


少林寺

洛陽から鄭州への移動、その途中に、映画で有名となった「少林寺」へ。200キロ以上の距離も、4名いるので、タクシーを借り切り。楽チン。しょぼい施設で観光客からボッタクリしているのかと思ったら、違った。面白い。感動した。超オススメ。

 

発展する中国を象徴するように、新しく整備された施設。土産物屋が並ぶ。大勢の中国人観光客が押し寄せていた。とにかく大きい。拳法を学ぶ学校があり、生徒数は何千人もいるだろう。とにかく多い。

赤いジャージーを着た何千もの生徒達の練習風景が圧巻。整列して、一斉に声をあげて、型を習う。戦闘のパフォーマンスもある。練習風景や生徒達の写真撮影は禁止。大迫力の圧倒される写真を紹介できないのは残念。

最大の見所は、鉄骨で足組みされた50メートルほどの塔の壁面を、腰紐をつけて駆け上がり下りる訓練。テレビ番組「SASUKE」みたい。写真撮影禁止だが、入口付近の遠くから巨大な鉄骨を撮影しました。

 

映画で出ていた寺や墓などは、敷地の奥の方に小さく残っていました。秘密の山というより、拳法学校と観光施設。面白いので、無理をしてでも、足を伸ばして訪問してください。


朝の公園

中国の朝といえば、広場や公園で行われる健康体操。私の母や友人たちも踊っていました。面白いので、散歩がてらに見学や参加あれ!

 


鄭州

人口800万人。大阪府と同じ。人口1億人!河南省の省都。発展する中国を象徴する街。幾つもの高層ビル、片側5車線の高速道路。訪問するまで、この街の名を知りませんでした。中国恐るべし。ACL(アジアチャンピオンズリーグ)のサッカー観戦が、訪問の目的。

 

私が応援するガンバ大阪。アウェイのサポーター20名強は安全のため、まとまってバスで入場しろとの指示。競技場では警官に囲まれての移動。アウェイの座席はゴール裏で、金網で隔離。ものものしい雰囲気。

 

スタジアムにバリアフリーなどなく、階段は警官達が担いでくれた。車いす席もないため、適当に通路で観戦。風が通り抜けるため、寒かったです。

 

試合は荒れることなく、1-1の同点で終了。 中国チーム河南建業の応援がとてもうるさかった。スタジアムの客が全員帰った後、我々はようやく解放された。

バスが競技場を出るとき、相手過激サポーターの一団と遭遇。10代の若者が、罵声をあびせながら、我々に挑発をしてきた。物を投げる。バスに蹴りを入れる。体当たりしてくる。バスの前に寝転がる。遠慮なしの暴行。窓ガラスが割れたり、バスの車体が凹んだらどうするのだ。中国人の運転手は怒り狂っていた。

さっきまでずっと囲んでいた警察は、バスに乗ったら消えていった。警備するなら最後までして欲しいもの。まあ形だけでしたけど。一般市民が、騒ぎたいだけの興奮する若者をなだめてくれて、事なきを得た。恐ろしや。


万里の長城

鄭州から大阪に戻るのに、北京経由。乗換が6時間あるため、万里の長城に行くことにした。北京空港でタクシーと交渉。時間のないなか、450元+高速代70元、計520元(7800円)で成立。八達嶺長城まで、片道100キロ弱。全部高速道路。所要1時間15分~30分。

飛行機の時間ギリギリに行動するのは精神的に落ち着かないので、現地での観光は短めに。30分のみ。行き帰りに、長城を眺められるので充分。

偶然にも、車いすスロープを発見。道路の最高所の辺り。一般の入場口とは全く別の場所。このスロープをずんずん上がっていくと、万里の長城の上に行くことができる。

 

まさか、車いすで万里の長城に上がれるとは思ってもいませんでした。明らかに、2008年北京パラリンピックの影響でしょう。競技者たちも大勢訪問したことでしょう。

車いすで長城に入るところには警備員がいました。切符と言われた気がしましたが、どうせちょっとしか見れないし、いいでしょと、さっと入って、さっと出ました。山の尾根にある万里の長城。車いすで見れる範囲は限られていますから。


中国の航空会社

中国での飛行機利用は、ろくな思い出がない。設備なし。利用者本位のサービスなし。歩けないのに一人で乗ってくるのと乗務員に呆れられたこともある。

往路、北京空港での乗換はスムーズ。関空でダメだと言われていた私の車いすをドア横まで持ってきてくれ、自分の車いすに乗れた。案内も拒否できた。パラリンピックの影響か、サービスが良くなっていた。変化したのかと淡い期待をこのときは抱いた。しかし、帰りの鄭州空港では、車いすのチェックインで一悶着。あげくは放置。荷物検査にいくと、車いすで入るなと揉めた。結局、専門案内が来て乗ることに。

復路。乗換の北京空港。車いすマークのついた専用チェックインカウンターがあるのに驚く。特別な色目もなく、実にスムーズにチェックイン。対応が慣れていた。自分の車いすで搭乗ゲートにも行ける。介助も拒否することができた。北京だけ違う。ところが、搭乗ゲートでトラブル。モデルのような綺麗な女性が搭乗券のもぎり。車いすの私を優先搭乗させないので、あわてて乗せてと列に入ると、待てという。横で待っていると、「車いすを置いて飛行機に乗りに行け!」と命令する。

おいおい。私は歩けないんですよ。車いすを置いて何十メートルも床を這えということか。「歩けません」「どうやって行けばいいの?」と伝えると、怒り出した。ふくれっ面をして、完全無視。職場放棄に思える。その態度に驚く。
 
機内用の車いすは用意されていなかった。そういえば聞かれなかった。車いすとはいえ、歩けないとは想像していないようだった。お手伝いをしてくれる職員さんはいないようなので、一人で乗ることにする。飛行機の中まで車いすで入った。 

座席は最前列にする配慮があった。しかし、ビジネスクラスを通らなければならない。通路は狭いので、私の車いすは通らない。床を手で這って、座席まで移動した。

女性の客室乗務員達は見ているだけだった。大丈夫ですかと言ってきたが儀礼的。床を這う乗客を見て何か感じないのか?サービスが最低だとは思わないのか。小さな機内用車いすを用意するだけで解決する問題なのだが。日本人の乗務員もいたが、誰からも謝罪はなかった。面倒な客だなぐらいなもの。やっぱり中国の航空会社は嫌だ。いつも不快な出来事がある。


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