ユーロ高にビックリ! (7)
2007/08 - 2007/09
キエフ&リビウ / ウクライナ
キエフへの夜行列車 モルドバからの夜行列車。1等席しか空いてなかったのでそれを予約。流石に1等席だけあって広くて豪華。車掌さんに声をかけて担いでもらった。同室の人は、ロシア人女性であった。「着替えるから外に出てくれる」と言われたが、狭い車内、車いすが通るのも非常に大変、部屋の外に出るのも介助が必要で大仕事なので、私はごろりと後ろに寝返りをして見ないようにして、彼女は部屋着に変えた。ごめんね。 深夜。モルドバ出国のとき、出国税 8Lei(80円)を支払わされた。10Lei札を出したが、お釣りをくれなかった。一方的。小銭が少し残っていたので良かったのだが、同室のロシア人女性は、何も支払っていなかった。言葉も通じないし、よくわからない出国税。ウクライナも日本人はビザ不要となったので、入国は簡単。時代は変わりました。
翌日の正午過ぎにキエフ駅に到着。列車はモスクワまで行くので、更に多くの乗客が乗ってきます。モルドバから乗ってきた人は、外で休憩。猛暑のため男性陣は上半身裸ばかり。
さて、どうやって外に出ようかと思っていると、ホームにエレベーターがあった。しかし鍵がかかっていて動かない。インターホンがあるので、押してみても反応がない。やっぱり。。。自分でなんとかホームから外に出る方法を探すしかない。長い長いホームを移動して、端までいくと、ありましたスロープが! これで横移動ができる。 お腹が痛かったので、さっそくトイレを探した。列車の車内は狭いので、車いすは動けなかったからトイレに行けなかった。駅の一般トイレの掃除のおばさんは、車いすの私が中に入るのを静止。入るな!と意思表示。和式しかないのかもしれないが、あまりにも冷たい。 10以上の島型長距離列車ホーム、8つの終着駅型近郊列車、地下鉄がある、巨大なキエフ駅。探索すると、メインターミナル南端にある待合室の一角に、車いすマークを発見。車いす、高齢者専用の待合室となっていた。ゆったりとしたソファがありくつろげるようになっている。受付のおばさんがいて、列車への介助なども受け付けているのかもしれない。奥には、車いすでも使える広い洋式トイレが2つ。バリアフリー設備があることに驚きでした。 キエフ観光 キエフ市の人口は、272万人(2007年4月)だが、実感としてもっと住んでいるのじゃないかと思う。郊外にどんどん高層アパートが建設され、中心部も多くの人で賑わっていた。 市民の足はメトロ(地下鉄)とバス。料金はどちらも 0.5UAH(10円)。共産主義の名残から、ほとんど無料に近い料金。よって人々は歩かない。短距離でもメトロやバスを使う。タクシーは交渉制で、値段は安くない。 住宅街をうろちょろしていると、大麦ジュース「クワス」の屋台を発見。やっぱり美味しいです。そして、床屋も発見。なんだかカジノのような外観。派手です。 キエフ市内観光の目玉といえば、ぺチュルスカ修道院(通称:ラウラ Lavra)。キエフ正教会の本山。メイン入口は、坂、坂、坂。さらには凸凹の石畳。車いすでの参拝はとても厳しい。 オリエンテーリングの世界大会に一緒に参加する仲間がいたため、車いすの後ろを押してもらいながら、進んでいく。ローカルの敬虔な女性は中に入るときは、髪の毛を隠すなどしていたりする。神聖なる雰囲気も、気軽に市民がお祈りにきていた。 内部の大聖堂などを見学するが、別に段差のない入口があったことを発見した。新しく作ったようです。大聖堂の周囲は段差がないので、車いすでも十分に観光できるのだが、残念なのは聖堂内に入るのに階段があること。外からしか楽しめない。頼めば誰かが手伝ってくれるだろうが。 ぺチュルスカ修道院を満喫して外に出ると、ノンステップバスが止まっていた。あわてて乗り込んだ。この24番バスは、観光客にとっても便利。しかもバリアフリー! キエフ中央駅-オペラ座-ミカエル教会-独立広場-ぺチュルスカ修道院と、主要なところを巡る。とはいえ、運転手は何も手伝ってくれない。周りの乗客も親切でないのは、やっぱりウクライナ。ちなみに、旧市街のドニエプル川沿いに行く、62番バスも全てノンステップ。観光ルートを最新型のバリアフリー対応バスにしてくれているのは、とっても嬉しい。 24番バスをうまく活用すれば、観光も容易に!ミカエル教会をバックに記念撮影です。 こちらはソフィア大聖堂。いろんな教会があるが、オーソドックス(正教会)のため、地味である。やはり教会はカトリックの荘厳さが、観光をするのには一番。キエフでも教会巡りをしたら、流石に飽きてきて食傷気味に。 市内の中心「独立広場」は、とっても大きい。さすが旧共産国。ここでオレンジ革命が起こったのですね。テレビで見ていた映像の場面に立てたのは嬉しい。 アンドレイ坂も凸凹で傾斜がきつく、車イスが壊れそうに。ケーブルカーも階段があり、車イスにはNG。道には、ごみやガラスなど散乱しているので、パンクの恐怖があったが、なんとかパンクせずに済んだ。住むとすれば、エアー(空気)タイヤは無理、ソリッド(固体)タイヤにしなければいけないような路面であった。 トレイル・オリエンテーリング世界選手権 ウクライナへ来た目的は、トレイルオリエンテーリング世界選手権に出場すること。私はパラリンピッククラスの日本代表なんです。ちなみにマイナー競技のため、旅費は自腹です。 会場となる、ドニエプル川の中洲にある公園へ。ビーチで泳ぐ人、日光浴をする人、昼寝する人、市民の憩いの公園だが、マッチョな人々も多数。手作り感満点の野ざらしトレーニングマシーンで、黙々と体を鍛える人々。無料で使えるのです。上半身裸なので、最初みたときは、ゲイの交流場かと思ってしまいましたが、単なるマッチョクラブでした。 トレイルオリエンテーリングの本番前日は練習日。現地スタッフに美女がいたので、写真をパチリ。ウクライナは美人が多いのです。 市内へ移動して、オリエンテーリング世界選手権の開会式に参加。警察のブラスバンドが、パフォーマンス。
各国の選手を誘導する女性達。民族衣装がとってもかわいいです。手にもっているのは、パンです。 開会式のパフォーマンスで感動したのが、車イスのダンス。プロかもしれない。一組目はクラシックダンス。二組目はラテンダンス。優雅で激しく、さすがバレエの国。
宿舎となったのは、現地のリハビリテーションセンター。郊外にある寮みたいな収容施設。バスルームは大きくて、車イスでも入れます。シャワーを浴びるための椅子も備えつけ。至れり尽くせりの豪華バリアフリー施設は、日本だけです。 競技の結果、1日目は、29人中 21位と悪い結果に。2日目は29人中 9位とまあまあ。芳しくない成績でした。うまくいきませんでした。会場は地下鉄の駅もある大きな公園。 良い成績を出すのは諦め、またもや美女をパチリ。自動車が競技地域に入ってこないように、見張りをしている警察官。こんなにセクシーなのは反則です。ミニスカートが短すぎです。仕事せず、携帯電話でおしゃべりしていても、許しちゃいます。 第4回トレイル・オリエンテーリング世界選手権。パラリンピッククラスの優勝は、イタリアのロベルタでした。左足首が人工関節なのが障害です。見た目ではわからない。 オープンクラスの表彰式。優勝は伏兵スロベニアの選手。初出場で初優勝。日本の大久保選手は6位で見事に入賞を果たしました。 パラリンピッククラスの国別団体戦。優勝は強豪スウェーデン。2位にロシア。3位に地元ウクライナが入って、開催国の面目躍如。 オリエンテーリング世界選手権に参加したキエフの滞在。交通マナーの悪さに辟易しました。交差点は入ったもの勝ちで、譲り合いはゼロ。一方通行逆走も気にしない。あげくは、選手スタッフを輸送するミニバンが歩道を走って、他車を追い抜かすのには唖然でした。お願いだから、歩行者を引かないで欲しいと願いました。 リビウ 世界選手権が終わると、ウクライナの古都リビウへ移動。キエフより、歩道のカーブカット(段差解消)が多かったような気がする。旧市街は、まあまあ歩きやすかった。 リビウ駅では、ポーランドのクラコウへ行く国際列車のチケットを購入。 232UAH(5500円)と、安くない。夕暮れで、リビウ駅が幻想的に映し出されました。 ホームをチェックすると、台車用のスロープが取りつけられていました。同じ旧ソ連のウズベキスタンで、とてもよく見たスロープです。傾斜は急で、幅も狭いですが、車イスを担がれるよりはずっと楽。電車に乗るとき、力のありそうな男性に声をかけて、押してもらい、無事にホームへと行けました。 英語が通じない。キリル文字。バリアフル。悪い交通マナー。ウクライナの旅は大変でした。 |