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リンク画像:木島英登バリアフリー研究所

世界のバリアフリー事情

  ※車イスである私が旅行先で利用した交通機関の紹介です。 

France フランス

空港 ・シャルルドゴール空港は斜行エスカレーターで乗りにくかったです。新しいターミナルはOK。
・シャルルドゴール空港からダウンタウンへは地下鉄(段差ありあり)でなんとか行けます。
・オルリー空港もバリアフリー。タクシーが高くないので、複数人いれば活用を。
・リヨン空港には、市内からトラムが開通しました。TGVも走っています。
鉄道 ・大陸列車で段差があります。利用は面倒です。駅員の介助も必要になります。
・パリの北駅の地下鉄の駅のエレベーターは壊れていました。担がれました。
・パリの地下鉄は階段ばかりで利用できません。
・地方都市を中心に、低床トラムが普及していて、非常に便利になりました。
・TGVには、車いす席があります。2等料金で1等席に座れます。段差あるので乗降には手動リフトが必要です。駅の介助サービス窓口に早めに訪れて、サービス依頼します。
自動車 ・市内バスは、ほとんどがノンステップになりました。とても便利です。
・パリ市内の移動は、バス路線図をよくみて、バスを活用すれば、どこでも行けます。
・タクシーの値段は安くないです。
・レンタカーはマニュアルばかりです。オートマチックは少ないです。
町並み ・横断歩道の底上げ(車道に段差を設ける)が多くみられ、車いすでも快適です。
・歩行空間の確保、歩行者優先の道路改革がなされ、人にやさしい街づくりです。
・地方都市の旧市街は観光のため、自動車を流入させず、歩いて観光できるので快適です。
・パリでは手が汚れます。パリの朝は道の側溝に下水があふれ車輪が汚れます。
・商店の出入り口には段差が多いです。古い建物に段差が多いですが、改善しつつあります。
・広いパリですが、歩いて周れないこともないです。公園で休憩しながら観光しましょう。
トイレ ・美術館や観光施設の公衆車いす対応トイレを借りましょう。
・車いす対応トイレが公共施設にあります。 
・公衆トイレは少ないです。カフェやレストランのトイレは狭いので車いすはNGです。
・有名ホテルでは、アクセシブルルームがあり、トイレがあります。
・近年アメリカ式の、ゆったりトイレが多くなりました。いわゆる専用でなく、共用です。

EU通貨統合後、急速にバリアフリーが進みましたが、遅れている部分もあるのが現状です。
それでも欧州の中でも、車いすに優しい国に変化しつつあります。

 1994年 2001年 2002年 2007年 2008年 2011年 2013年 2014年 2015年 2017年 2018年 訪問 

フランス 旅コラム  /  アルプス・スキー /  バリアフリー写真

◆参考

演題: 「フランスのバリアフリー」 
講師: 
マリリン・バーデン (フランス人、半年間、日本の観光バリアフリーを勉強)  
日時: 2012年7月1日 障害者国際交流センター ビッグ・アイ トラベルサロンでの発表より

1200万人の障害者(人口6500万)。200万人の移動障害。65万の公共建築、3100万戸の住宅、100万キロの道路。4つの障害種別(移動、視覚、聴覚、知的)。日本と定義の違い。

2015年1月1日までの目標: 公共スペース、交通、建物をバリアフリーに。障害者がどの公共スペースへもアクセス可能にすること、そしてその情報を獲得できること。

鉄道: 大きな駅は車いすに優しいが、そのような駅は限られている。多くが自力で電車を利用することは不可能です。ホームと電車の間に大きな段差がある。サービスを使わずに利用すること、介助者と利用することは歓迎されています。渡し板の要求(介助)は、少なくとも1日前までに予約が求められています。列車に乗ることはどこでも可能だけれども、小さな駅など駅員が誰もいないので、利用できない。視覚障害者への良いバリアフリー。二重手すり、警告ブロック、誘導ブロック。音による案内(携帯GPS)の試行。しかし、多くの駅が車いすで使えない。エレベーターがない、違うホームへ行けない。

バス、トラム: 2010年より、パリ市内の全てバスは、車いすで利用可能に。パリ市内であれば問題なく、バスで目的地に行ける。その情報も取得できる。公共交通には地図がある。新型トラムも地方都市で活躍(LRTはフランスが本場)。

郊外鉄道、地下鉄: 郊外鉄道(空港線)は極めて車いすに優しい。地下鉄は一部だけバリアフリーで利用は難しい。最新の14号線は完全バリアフリー。地下鉄のバリアフリー化は、とてもお金がかかるし、古いため、水道管や電線など地中に色々あり、難しい。その代わりバスを完全バリアフリー化にして移動を保障。

ホテル、レストラン、施設: バリアフリー旅行情報を提供するサイトがたくさんある。宿の種類や、障害種別で検索できる。改造基準を明確に数値として図り、評価する団体もある。

トイレ: フランスでは少ない。大都市だけ。しばしば施錠されている。壊されるのを防ぐため。新しいパリの公衆トイレが誕生した。400設置。利用無料で、すべてが車いす対応のUD。

道路環境: 音声案内と点字ブロックは、視覚障害者の安全のために設置されるが、極めて稀である。大都市では設置が義務付け(パリ、リヨン、グルノーブルなど)。車いすが時々、歩道を通行できない。モラルの問題。歩道に駐車したり、家の前を車庫代わりにしたりする。

レジャー: しばしばフランス人にとって日常よりも、遊びの方がが重要である。夏、冬、いろんな活動用の車いすや器具がある。80のビーチで団体がビーチ車いす(海にも浮く)を提供。

美術館、観光スポット: とても多くの美術館がバリアフリー対応。ハード(建物や施設)とソフト(展示)双方でバリアフリー化が必要だが、その修正は簡単ではない。歴史的建造物の改造は問題となる。

ルーブル美術館: 障害者と介護者は無料。列に並ばず優先入場。外国語での案内やパンフレット。駐車場の用意。視覚障害「凹凸のある絵や建築案内歩き」。移動障害「ビデオガイド、バリアフリー地図、車いす貸出」。聴覚障害「フランス手話のビデオガイド、案内会」

フランスは2015年を目標にバリアフリー化を目指していますが、2012年現在、既に7年が経過しましたが、まだ半分も未達成とのこと。

 

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